BBTime 307 鬼の面

BBTime 307 鬼の面
「豆をうつ声のうちなる笑ひかな」宝井其角

句の解説が興味深いので・・「豆撒きは、奈良時代から行われていた厄払いの行事だ。もともとは中国周時代の宮廷の風習であったという。まあ「鬼は外、福は内」などムシのよい話で、宮中などではともかく、庶民には「笑ひ」をふくむ一種の娯楽性の強い行事として行われてきたようだ。戸板康二が書いている。「私の祖父は仙台の人だが、節分の豆撒きに『鬼は外福は内』と言ったら、そばで『ごもっとも』といえと孫の私に命じた。いわれた通りにしていたが、あとで考えると、私はそういって逃げだす鬼の役だったのである」。まさに笑いをふくんでいる。ごもっとも、である。江戸の其角もまた、この光景には「ごもっとも」と言うにちがいない。撒いたあとで、年の数だけ豆を食べる風習もある。私のような年齢になってくると、こればかりは「ごもっとも」と言うわけにはいかない。豆に歯が立たないからだ。いや、もはやガリリと歯を立てる勇気に欠けているからである。うろ覚えで申し訳ないが、たしか小寺正三にこんな句があった。「もうあかん追儺の豆に歯がたたず」。ごもっとも。(清水哲男)」解説より。

鬼の面ではありません(笑)。俳人「宝井其角」です。ウイキペディアには「宝井 其角(たからい きかく、寛文元年7月17日1661年8月11日) – 宝永4年2月30日1707年4月2日。一説には2月29日4月1日))は、江戸時代前期の俳諧師。本名は竹下侃憲(たけした ただのり)。別号は螺舎(らしゃ)、狂雷堂(きょうらいどう)、晋子(しんし)、宝普斎(ほうしんさい)など。江戸堀江町で、近江国膳所藩御殿医・竹下東順の長男として生まれた。延宝年間(1673年 – 1681年)の初めの頃、父親の紹介で松尾芭蕉の門に入り俳諧を学ぶ。はじめ、母方の榎本姓を名乗っていたが、のち自ら宝井と改める。蕉門十哲の第一の門弟と言われている。芭蕉の没後は日本橋茅場町江戸座を開き、江戸俳諧では一番の勢力となる。なお、隣接して、荻生徂徠が起居、私塾蘐園塾を開いており、「梅が香や隣は荻生惣右衛門」 の句がある。宝永4年(1707年)、永年の飲酒が祟ってか47歳で死去した。」出典より。

昨日「鬼の面かぶらないで 広がる注意「視野狭く危険」」という記事に目が止まりました(神戸新聞NEXT 2/2付け)。記事には「3日の節分には、鬼に扮(ふん)してお面を着ける人も多いのでは。だが近年、「顔にかぶると視野・視界が狭くなり危険」などと記された品が増えているという。(中略)理由は、視野が狭まった子どもらが転倒するのを防ぐため。節分用に限らず、露店などで売られるアニメキャラクターなどの商品も同様だ。製造会社のダイシン(東京)は10年以上前から、目の位置に穴は開けているが、顔に着けないよう注意喚起している。(後略)」とのこと。

画像は能面です。昔、展示室で能面の内側から外を見たことがありますが、視野が狭くなるどころではありません!足元がほとんど見えなかった記憶があります。能面をつけてよく舞台の上を飛び跳ねたり、時に小走りで動いたりできるものだと感心しました。能楽師の方はそれこそ修行に修行を重ね、練習に練習を積んで体で覚えておられるのでしょう。さて「鬼の面」ですが、被るのを禁止するくらいなら豆に付けなければ良いのにと思うのですが・・やはり節分の豆には「鬼の面」が必要なんでしょう。

ハラール」マークです。近所のカレー屋さん(バングラデシュ人経営)ではハラール食品を売っています。ハラール(許されている意)は食品だけではないようですが、ムスリムの人々にとってこのハラールマークは安全安心のマークと言えるでしょう。「鬼の面」の目の部分の穴を大きくすれば安全なお面になるような気がしますが、それだけでは安心が不充分なために「被り禁止」と表示するのでしょうか。

先日「リチウムイオン電池 発火事故、5年で倍増 」の記事を目にしました。製品事故・重大製品事故などの言葉が目に入ります。お面にしても電化製品にしても、製品そのものに問題(不良品・欠陥など)があればメーカーの責任です。使い方に関しては両者(使う人・メーカー)に責任があるのでしょうか?ハラール食品などは見てもわからないから認証マーク(ハラールマーク)を付けて誤った選択を予防していると思います。今回、安全安心な歯ブラシについて書くつもりが「枕」(前置き)が長くなってしまいました。歯ブラシについては次回、乞うご期待!

最後に豆まきについて。節分の字の通り季節の分かれ目で、冬から春に変わるのが今日(2/3)です。これはハロウィンも同じで「季節の変わり目」には邪鬼がこの世に降りてきて悪さをするようです。その邪鬼払いが豆まき(詳しくはこちら)。豆は「炒った大豆」を使います。魔を滅するので「まめ」です。

豆まきの手順を紹介します。1)炒った大豆を使う2)豆まきは夜に行う3)豆をまくのは主人・年男・年女・厄年の人4)「鬼は外福は内」と掛け声かけながらまく5)最後に豆を食べる(出典はこちら)。9280
https://youtu.be/CwzjlmBLfrQ

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