BBTime 386 ご存じ?

BBTime 386 ご存じ?
「行先ちがふ弁当四つ秋日和」松永典子

何気なく読んで「運動会のお弁当」と思いきや・・解説には『今日あたり、こんな事情の家庭がありそうだ。絶好の行楽日和。みんな出かけるのだが、それぞれに行き先が違う。同じ中身の弁当を、それぞれが同じ時間に別々の場所で食べることになる。蓋を取ったとき、きっとそれぞれが家族の誰かれのことをチラリと頭に描くだろう。そんな思いで、弁当を詰めていく。大袈裟に言えば、本日の家族の絆は、この弁当によって結ばれるのだ。主婦であり母親ならではの発想である。変哲もない句のようだが、出かける四人の姿までが彷彿としてきてほほ笑ましい。こういうときには、たいてい誰かが忘れ物をしたりするので、主婦たる者は、弁当を詰め終えたら、そちらのほうにも気を配らなければならない。「ハンカチ持った?」「バス代は?」などなど。家族の盛りとは、こういう事態に象徴されるのだろう。みなさん、元気に行ってらっしゃい。』(解説より)。今回は前回「口掃除」の続きです。

画像は京都の和菓子屋仙太郎の「ご存じ最中」です。名前の由来はこちらをご参照ください。さてタイトルの「ご存じ」・・近頃では「ご存知」の表記を目にしますが、どうしても小生これを受け入れられません。「ご存じ」は動詞「存じる」がベース。「存知」と表記すると「ぞんち:そういう事実を知っていること」(新明解国語辞典より)のこととご存じですか?・・と言いたくなります。言葉は生き物、変わるものとも言いますが、こればっかりは頂けません。前回「口掃除」で紹介した糸井さんの文にも『使っちゃいけない理由を知らないままの人は、つい使ってしまうこともある。ある考えが、まちがっているということは、まちがっているという考えを学ぶことでしか直せない。』・・しつこいようですが「ご存じ」は「ご存知」ではないのです!

さて糸井さん提唱の『ぼくは「歯をみがく」を死語にしようと思っている』・・大賛成です。小生も代わる語として「口清め・口浄め:口をきよめる」を書きましたが、他にも考えました。「口洗い:口を洗う」「口クリン:口クリーン、口をクリーンにする、口クリーニング」「歯洗い」・・音韻を考慮すると、やはり「口きよめ」でしょうか。「口クリン:くちクリン」も良さそうに思います。

「歯をみがく」の言葉からの連想で「ゴシゴシ磨き」になることを懸念します。過去にも書いてますが、ゴシゴシ横磨きが「楔状欠損:くさびじょう欠損」の原因になるからです。ひとたび楔状欠損が生じると、その後の治療はムシ歯治療(樹脂による充填)と同じです。ムシ歯にならないように「磨いた」ことが結果的にムシ歯(と同じ状態)を作ってしまう・・ご本人は釈然としませんし、全くもって勿体無い話です。歯を守るためには「歯を磨く」ではなく「口を清める」の方がベターなんです・・って、ご存じですか?7510

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です