BBTime 494 ブラシラブ・丈

BBTime 494 ブラシラブ・丈(たけ)
「人参は丈をあきらめ色に出づ」藤田湘子

簡単に読み下すと「人参は長く伸びるのをあきらめた分、色がキレイだ」でしょう。解説には『季語は「人参(にんじん)」で冬。大人になっても苦手な人がいるけれど、私は子供のころから好きだった。でも、正直言って最近のものには美味くないのが多い。当時は掘りたての人参を生でも食べていたのだから、よほど甘味に飢えていたのか、あるいは本当に品質が良かったのか。それはともかく、掲句はまことに言い得て妙だ。世の中にはひょろ長い品種もあるのだそうだが、たいていの人参はゴボウなどのように「丈」長くは生長しない。ずんぐりしている。それを作者は人参が「丈をあきらめ」たせいだと言い、その代わりにあきらめた分だけ「(美しい)色に」出たのだと言っている。なるほどねえと、多くの読者は微笑するに違いない。むろん、私もその一人だ』(解説前半部)。今回はブラシラブの丈(長さ)についてのお話。

画像のブラシラブはブラシ部分(植毛部と柄)が70-75mm、グリップ部が40-45mmです。トータル約11cm-12cmで、通常の歯ブラシがおおよそ17cmですので5,6センチ短い丈となります。短い分、グリップがしっかりしています。この形が及ぼす効果は明白です。では大きく五つの効果を解説します。1)磨きやすい=細かく動かしやすい。2)過度な力(歯に対する圧)がかかりにくい。3)過度な力がかからない分、ブラシが長持ちする。4)ブラシを持つ指が痛くならない。5)ずんぐりと坐っているのでいつでも「あなたのそばに」。

1)細かく動かしやすい=まさに三次元的な動きが可能です・・爪楊枝はまさに「点」ピンスポットで仕事をします。フロスは「面」、隣接面を上下運動でキレイにします。通常の歯ブラシは、推奨されているペングリップ(鉛筆握り)で使ってもやはり「面磨き」です。手前味噌ですがブラシラブの動きは自由自在!例えれば、鉛筆で書く時は鉛筆の傾きや動きはかなり制限を受けます。まだしも筆の方が、鉛筆より書く時の自由度が高いような気がします。筆の動き以上に、自由な動きが可能なのがブラシラブなんです。

2)過度な力(歯に対する圧)がかかりにくい・・学生時代に「エアタービンはフェザータッチで」と習いました。押し付けるのではなく、軽く触れるような圧・接触がフェザータッチ。さすがに歯を磨く・歯を洗うのにフェザータッチではキレイになりませんが、過度な圧は禁物!過度な圧のブラッシングによって引き起こされるのが「楔状欠損:けつじょう欠損:くさびじょう欠損」と呼ばれる症状です。ご本人(患者さん)熱心に予防するために磨いていたのに、熱心な歯磨きが原因で結果的にムシ歯と同じ治療が必要となってしまうのです。これは患者さんにとってガックリくるのみならず大きな損失となります。繰り返しますが原因は「グー握りでのゴシゴシ横磨き」です。大きな圧で磨いてしまうのは、歯ブラシの柄が細いことも一因なんです。不思議なことにグリップ(柄)が太いと軽い握り(把持)で歯磨きが可能です。

3)ブラシが長持ちする・・昔、ボルボは長持ちする車の代名詞でした。ブラシラブは過度な圧がかかりにくい分、長持ちします。モニターの方の報告では1本のブラシで二ヶ月三ヶ月OKとのこと。今月発売の際、特典で半年保証を謳うつもりです。スターターキットには替えブラシが1本付属しています。2本で半年持たなかった方には送料のみで替えブラシをお送りする計画。

4)ブラシを持つ指が痛くならない・・画像は痛くならないペンです。患者さんに「3分は短いので、せめて5分は磨いてください」「可能なら10分くらいは」とアドバイスすることがあります。しかし歯科医師であってもなかなか5分以上磨くのは結構しんどいものです。理由は口にたまった唾液(これは飲み込むことで即解決)のこともありますが、指が痛くなります。ブラシラブのグリップは直径約3センチですので、指で包み込むようにして持ちます、指の痛みはゼロ!

5)ずんぐりと坐っているのでいつでも「あなたのそばに」・・今年の年越し蕎麦はいかになさいますか?ブラシラブは坐っていますので、デスクの上、ベッドサイド、パソコンの横など、いつでも「あなたのそばに」。手を伸ばせばすぐに歯磨き可能です。

冒頭の句の解説後半に『句では人参が擬人化されていることもあって、なかには人生訓的に読もうとする人もありそうだが、それは作者の意図に反するだろう。この句の生命は、あくまでも人参のありようをかく言い止めたウイットにあるのであって、もっともらしく教訓的にパラフレーズしてしまっては何のための句かわからなくなってしまう。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」などの俳句もどきとは違うのである。ウイット無き俳人は問題にならないが、ウイット無き読者も同断だ。しゃかりきになってこんなことを言う必要もないのだけれど、ちょっと気になったので……。』(解説後半より)。言葉を借りるならば、歯ブラシにも歯磨きにも「ウイット」は無いより有った方がよろしいかと。ウイットのある歯ブラシと自画自賛のブラシラブでした。
SweetsLove,TeethLove,BrushLove! 3730

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です