「昭和遠し冷しトマトといふ肴」伊藤伊那男
2022/5/2投稿
先日、頂いたトマトの味が凄くて中毒になりました!4/29は昭和の日でした、まずは句の解説から『たとえば居酒屋で<冷しトマト>を選んだことと、昭和がずいぶん遠くなったと感じることとは直接つながりはない。そこが俳句の面白さである。<冷しトマト>は作者にとって<昭和>の象徴なのだろうか、と想像してはみたが・・。そういえば、男性は飲む時に「家庭にもあるどうってことない肴」を注文するのはなぜだろう。トマト、冷奴、オニオンスライスなどなど。こと食べ物に関して、男性は多くは恐ろしいほどに保守的である』季語:トマトで夏(櫂未知子著「食の一句」より抜粋)。「冷しトマト」が昭和なら、今回頂いた「奈須のトマト」は令和でしょうか。是非おやつリストに加えて欲しい「奈須農園トマト」について。
このトマト、皮は歯応えしっかり。オススメの食べ方はヘタを取って水洗いし、尖った方を少し齧り中のトマト汁を吸います。あとは丸ごとバクバクパクパク!小振りのものなら三個は立て続けにいけます。品種はソプラノトマトとのこと。トマトらしからぬ甘いトマトはたくさんありますが、この奈須農園トマトはトマト味なのに甘く美味しい!のです。夜小腹が空いた時に食べても「ギルトフリー」罪悪感ゼロ。届いてすぐ食べても美味しいし、日毎にさらに熟度が増すので、味の違いを楽しむもまた良しまた旨し!トマトはナス科の植物「親は奈須でも子はトマト」(笑)。
蘊蓄をふたつ、まず名前について。Wikipediaによると『トマトの語源は、メキシコ土語で「ホオズキの実」「膨らんだ果実」を意味する “tomatl” (トマトゥル)に由来する。ヨーロッパでは当初ポモ・ドーロ(金色のリンゴ)、ポム・ダムール(愛のリンゴ)とよばれた。イタリア語では現在でもその名残でポモドーロ(pomodoro)とよばれる』(Wikipediaより抜粋)。英名トマト、イタリア語でポモドーロ、中国語では「西紅柿:シーホワンシー」です。
さてトマトは野菜か果物か?日本では野菜でしょう。過去にアメリカでは裁判沙汰に・・『1893年当時のアメリカでは輸入の際に果物への関税がなく、野菜には関税が課せられていた。このため、トマトの輸入業者は、税金がかからないように「果物」と主張。これに対して農務省の役人は「野菜」だと言い張った。両者は一歩も譲らず、さらに果物派には植物学者も加わり、論争はエスカレート。とうとう、米国最高裁判所の判決を仰ぐことになってしまった。判決は「野菜」。裁判長は随分悩んだと思われ、判決文には「トマトはキュウリやカボチャと同じように野菜畑で育てられている野菜である。また、食事中に出されるが、デザートにはならない」と書かれていた(英語版記事)。なお、裁判当時の記録としてローラ・インガルス・ワイルダーの小説『大草原の小さな家』では、トマトにクリームと砂糖をかけて食べる記載がある。なお、『Pocket Oxford English Dictionary』(2005年版)の tomato は ‘a glossy red fruit, eaten as a vegetable or in salads.’ とどちらとも取れる記述になっている』(Wikipediaより抜粋)・・もし裁判長が奈須農園トマトを食べていたなら、間違いなく「果物」と判決を下したでしょうね。砂糖などつけずに、そのまま食べればムシ歯リスクはゼロ。奈須トマトを食べて、ご自愛の程ご歯愛の程。