(銀座空也のもなか) そうするうちに、さらに新たな気づきが・・・具体例でお話しします。まず始めたことが昨年秋から「BGM」の導入、詳しくは「BBTime 638 Music for 介護」をどうぞ。よく音楽や歌は時間や国を超えると聞きますが、訪問の現場でもその通りです。百歳に近い方を青春時代に戻したり、コミニュケーションの取れない方の表情を温和にしたり。先日は二十歳未満の方の部屋へ出向きました。初対面の挨拶後、リクエストを聞くと「キョトン」。女性スタッフが説明すると緊張した面持ちながら「なにわ男子」との答え。早速スマホで流すと、途端に笑みがこぼれました。ある日のこと、このBGM導入のきっかけとなった元バスガイドさんのお宅で演歌ではなくいつもと違う音楽が流れていました。ご主人曰く「二階の棚にあったCDをかけています。同じものだと(奥様から)「飽きた」と言われたので」。そこで「小生の聴かなくなったCDを今度持ってきますね」。次回、処分を考えていたCDを数枚持参したところ、ご主人「いやあ、覚えてくださっていたのですね」と感激。ハッと思いました「ご自宅というより、この部屋だけがこのベッドだけが奥様の世界」。通常とは異なる世界観。CD数枚でこんなに喜んでくださるとは!今回持参した中の一押しは「前川清」でした。
昨年霜月のブログ「Music for 介護」をアップして早四ヶ月、訪問歯科診療の際にはスマホで音楽を流しております。今のところ「ノー」の方はいらっしゃいません。ご本人や家族の方にリクエストを聞くと「ちあきなおみ」「石原裕次郎」「福田こうへい(小生知りませんでした)」「おはら節」など多岐にわたります。半分以上の方が演歌を希望、あとはおまかせか童謡です。こちらの言うことは理解されるけど、言葉では返事困難な方でも反応してくださいます、体を揺する方、手(指)でリズムを取る方。言葉で対応可能な方は「口ずさむ」「(カラオケよろしく)歌う」なども。また黙って涙ぐむ方も・・季節的によく流れる童謡は「花」です。
2023/12/09投稿 早いもので今年も残り三週間、まさに「看看臘月尽:みよみよろうげつつく」。まずは句の解説から『季語は「数へ日」で冬。日数の残りも少ない年末のこと。感覚的には、まだ少し早いかもしれない。が、あらためて壁のカレンダーをを見ると、今年もあと三週間しか残していない。これからは何かと慌ただしく、一瀉千里で今年も暮れていくのだ。忙しいということもあるが、そんな思いのなかでの独りの外食は、見た目にデコラティブな料理よりも、シンプルの極みたいなものがしっくりと来る。「素うどん」などは、その典型だ。とりあえずの「身のあたたまり」ではあるだろう。が、もう少し「素うどん」を敢えて句にした作者の実感に迫っておけば、シンプルな食べ物からしか受けることのできない恩寵に、ひとりでに感謝する響きが込められている。おかげで「身」も暖かくなった。そして、心の内もまた……。年末の多忙は、多く整理の多忙だ。来る年を迎えるために、身辺も心の内もさっぱりとしておきたい。その気持ちが、たとえば「素うどん」の「素」にすんなりとつながっていく。そういうことだと掲句を読み、今日はどこかの立ち食いの店で「素うどん」を食べたくなった。それも「七味」ではなく「一味唐辛子」を、さっと振りかけて。『人間頌歌』(1990)所収。(清水哲男)』(解説より)。前回「Music for 介護」の続編です。
太宰府梅園の干菓子(ひがし)「よろつよ」。「Music for 介護」の通り、現在訪問診療中に音楽を流しております。その方(治療やケアの対象者)とコミニュケーション可能ならばリクエストにお応えします、困難な場合は師走ですので洋楽クリスマスソングを流します。今まで断られたことはありません、好評です。ケアの途中で口ずさむ方、頷くようにリズムを取る方など様々。その方が聞こえづらい場合も音楽をかけます。音楽があると従事者(こちら側)もスムーズに施術が進みます。スマホがあれば可能ですので、是非トライしてみてください。そこで(調子に乗って)次なる試みが「sweets:スイーツ」!
効果の検証はこれからです。先日百歳過ぎ女性の口腔ケアでした。会話は成立しませんが、言う事は理解してくださいます。ケア終了後「今日はこれで終わりです、また来ますね」と大きめの声で言うと、感謝と喜びの気持ちが充分に伝わる目だけの笑顔で見送ってくださいました。「目は口ほどにものをいう」と言いますが、これほどまでに伝わるとはと驚くほどの「目だけ笑顔」でした。Music for 介護、試行錯誤していきます。皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。