ハナ通信No.81 (2012.04)

ハナ通信81号

「あんぱんの葡萄の臍や春惜しむ」三好達治

医:あなたの財産を守ります
あなたの財産を守ります、と聞くと何をイメージされるだろうか。現金、預金、家、土地などがまず浮かぶだろう。守ってくれるのは金庫、銀行、タンス等々。では、歯科医師はあなたの口の中の財産を守ります、ならばどうだろう▼とかく敬遠されがちな歯科治療だが、歯科医院や歯科医師自身が治療から予防へと大きく変わりつつある。歯科の二大疾患であるムシ歯と歯周病は、適切な先手の予防処置によって、9割以上も回避できることを歯科従事者は実感し始めている▼歴史的に、痛くなって歯医者に行く、であった。この順番だと治療は後手にまわり、その後も歯科疾患の再発、治療という悪循環に陥ってしまう危険性が高い。痛くなる前に行く、問題がなくても歯科医院に行く、定期的に行くであれば生まれ持った白い歯を維持できる好循環に身を置くことができる▼お金で買える人工臓器の多くは歯科である。眼鏡やコンタクトレンズは、道具であり臓器とは言い難い。もっとも入れ歯や冠も、失われた歯やハグキの代替品であるが、道具よりは人工臓器に近いだろう▼健康な歯のほうが、人生をより味わい深いものにすることは想像に難くない。食べる、話す、笑う、歌うためには歯が必要である。健康な歯、言い換えれば人生を味わうために必要なもの、これらは人が皆、生まれ持った財産である▼後手後手治療から先手先手予防へ。ムシ歯ありきから白い歯ありきへ。白い歯を守る。これは歯科医師にとっての挑戦である。(天声新語投稿文:挑戦がテーマ)

食:あなたの美味しいを守ります!
去る3月、ネットで「二本足歩行になった理由」に関するチンパンジーを使った実験記事を読みました。入手困難な実を多く運ぶために前足を手として使い始めた?との内容。カルノ流解釈では美味しいものを多く食べたいために二足歩行に。これが正しければ人と猿の分かれ目は「美味への執着」かもしれません。美味しいものをより美味しく味わうには、口の中の食器である「歯・ハグキ・舌」を健康に保つことも、これ隠し味。食器洗い器で歯やハグキをきれいにすることはできません。是非プロケアも!「歯は磨いても、もらうもの」

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