BBTime 279 豆腐好き
「色付くや豆腐に落ちて薄紅葉」松尾芭蕉
掲句解説に「まさに日本の秋の色だろう。美しい。芭蕉三十五歳の作と推定されている」当時を人生五十年として、人生百年の今に換算すると七十歳となります。芭蕉の口の中を知る由はないのですが、トラブル無しではなかったでしょう。ゆえに豆腐なのかは別として、今回は食材選びについてのお話。
ババロアではありません、豆腐に桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」をのせてます、オススメです。S&Bにも似たラー油がありますが、小生は桃屋に軍配をあげます。去る初夏から晩御飯米抜きにして豆腐をよく食べるようになりました、これまたオススメです。さて先日、義歯の方との話で「肉好きですけど・・ここ数年食べてません」「材料の段階から選んでます(肉は選びません)」「はじめから選びません」とのこと。
義歯は食べるだけではありません。話す事にも密接に関係しています。同じ方が「会社にかかってくる電話を取らなくなりました」「聞き返されることが増え、電話を取らなくなりました」、時に鏡で深いシワを見て「やっぱ、歳かなと思いました」とのこと。・・それは違います!
声を大にして言います!肉好きの方には「肉食を諦めないで!」。仕事での電話対応の方に「電話対応可能になります!」。カラオケ付きの方に「カラオケが下手になったのは義歯のせいです!」。
メガネを新調したとしましょう。数千円から1万円以上払って新しくしたけど、見にくい、文字を読みにくい、耳が痛くなる、ゆるい、すぐずれる・・。どうしますか?すぐメガネ屋さんに行って改善・調整してもらうでしょう。義歯も同じです、遠慮することはありません。義歯を使っての問題点を訴えてください!時に歯科医は言うでしょう「入れ歯ですから(しょうがないですよ)」「入れ歯はそんなもんですよ(インプラントしましょうか)」「自分の歯じゃないのですから(それ以上は無理ですよ)」もう一度声を大にして言います!「決してそんなことはありません」。また歯科医師は言います「慣れてください、慣れが必要です」・・もちろん「慣れ」は必要ですが、同時に歯科医師による調整も必要なんです。二週間使っても慣れない時には、声を大にして「慣れません!」と訴えてください。
歯科医師が義歯を勉強する時のひとつの目標が「総入れ歯でのリンゴの丸かじり」です。もちろんこれはかなり難しいこと(かなり高度な技量が必要)ですが不可能ではありません。現実ではリンゴの丸かじりを多くの方(義歯患者さん)が希望されるわけではありません。普通に食事をし、普通に会話をし、普通に笑い、普通に歌う・・普通のこと・当たり前のことを希望・必要とされます。普通のことができない入れ歯は入れ歯ではありません、口の中に置いてあるだけの「置き歯:おきば」です。症例(口の中の状況)によって、患者さんの状態によって、歯科医師の技量などによって、全ての義歯患者さんが大満足とはいかないでしょうが、満足・小満足・中満足くらいは可能だと信じます。「こんなもんじゃない!」もお読みください。入れ歯の問題が少しでも解決しますようにOsibisa の「Sunshine Day」を最後にご紹介。9250
https://youtu.be/mqkT6_WZsjg