108cafe 008 ゾーン確保

108cafe 008 ゾーン確保
「ガラス玉これ雪女の義眼です」橋本 薫

イラストの目を見ると句のようなことも、さもありなんかと思えます。解説には「ガラス玉」とは、ビー玉みたいなものだろうか。作者はおそらく雪道に落ちている「ガラス玉」を見つけて、とっさに「雪女」を連想したのだろう。つまり、人を驚かす「雪女」のほうが逆に何かに驚いて慌てふためき、迂闊にも落としていったのだ。そう思うと、なんとなく気の毒でもあり、可笑しくもある。「雪女」伝承には地方によりいろいろあって、まずは若い女だ、いや老婆だと、年齢からして相当に開きがある」解説より。雪女の義眼がガラス玉なら、義歯は水晶製でしょうか。天然歯の硬さは水晶に匹敵しますので。今回は前回007の続きで「夜外すと・・」のお話。ラボへのレポートからの抜粋です。

本日の一言「外して寝ると・・」昨日の一言について補足を少々。小生はコンタクトレンズ使用者です、帰宅して外すとホッとします。よくウチのカミさんが帰宅後ストッキングを脱ぐとホッとすると言います。義歯をよく外す方に聞いてみると同じようなことをおっしゃいます。

理想的なことを言うようですが、これは「デンチャーゾーンに義歯が収まっていない証拠」です。ある男性上顎総義歯の方が「人工歯脱離」で来院。上顎1番脱離でした。この方、精肉業に従事されていたそうで朝早くから夜遅くまで働いていた、そのため歯科治療に行く時間が取れず、歯がガタガタになった。当時M市で働いておりM市の歯科医院で上顎総義歯を作った。作った時に御自分で「絶対外さないぞ(外すと合わなくなる)」心に決めて、洗った後はいつも夜もつけていた。・・とのことでした。金属床自費総義歯で多少緩みは出ていましたが、ほぼ問題はない状態でした。この方の場合、もちろん金属床総義歯がデンチャーゾーンに収まっていたのだと思いますが、ご自分でデンチャーゾーンを確保されたのだと思います。

抜歯後、顎堤が吸収し欠損空間となります、この「欠損空間+歯牙の空間=デンチャーゾーン」となります。イメージしてください。歯牙におけるカリエスならば欠損空間(齲窩:うか)はそのままです。では隣接面部・歯茎部よりのカリエスならどうでしょう?増殖した歯肉が齲窩に入り込んでいる場合がありますよね。実はデンチャーゾーンでも似たようなことが起こりうるのです。1)先ずは筋肉によるゾーンの狭小化(狭くなること)・・口輪筋はちょうど輪ゴムのような走行です。抜歯などで欠損空間が生じると口輪筋輪ゴムは縮みます。むかし漫画で見た「梅干し婆さん」の口元がこれです。2)次にバイトの低下による狭小化・・歯牙欠損によってバイトが低下すると口腔ボリューム(口の中の空間体積)が減ります、当然デンチャーゾーンも減ります。3)舌ダラーンによる狭小化・・バイト低下で口腔ボリュームが小さくなる・臼歯部喪失などで、舌は緊張感を失ってタレパンダのようにダラーンと横に広がります。このことで特に下顎デンチャーゾーンは狭ばります。と言うわけで、できるだけ義歯を口腔内に入れておいて欲しいと思うのです。

ちなみに「義眼」についても調べてみました・・すると「義眼は1日1回、とりはずしての洗浄が必要です。やはり、通常の目と違って、内部(義眼の裏側など)にホコリやバイ菌が溜まったり、メヤニが出やすくなるようです。(正確には、寝るときは外すことが必要と言われていますが、これは最近は、1日1回洗えば、あとは入れっぱなしでもOKという考え方も出てきているようです。)」とある眼科のページに書いてありました。いれっぱなしでもOKとは、ゾーン確保維持の意味があるように思えます。8340



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