BBTime 300 お餅の前に

BBTime 300 お餅の前に
「子規うさぎ虚子いぬ年や年巡る」矢島渚男

明けまして御目出度う御座います。今年もよろしく!今年はいのしし:亥年。ご存じの通り「子丑寅卯辰巳午未申酉戊亥」は本来方角や時刻を意味します。上の画像は「亥の子餅:いのこもち」これは十一月(旧暦十月:亥の月)の亥の日に食べるそうです。亥は方角なら大方「北北西」。時刻だと午後九時から十一時の刻。(図を参照)

さて、この時季気をつけて欲しいのが「お餅」です。喉に詰まって事故につながることがあります。やはり日本人にとってお正月を味わう中に「お餅」が登場します。お餅を食べる際に気をつけて欲しいことは「小さく切る(と言ってもお餅はひっつきますので要注意)」「食事前・食事中はお茶や汁物などで口の中を十分に濡らす」「急がずゆっくり食べる」他にも誤嚥防止のために「お酒は控えめに」「食事中に急に話しかけたり笑わせたりしない」などがポイント、詳しくはこちらこちら。もし詰まったらまずは「口の中の餅を手でかき出す」です。

さて、昨年末に義歯安定剤について患者さんと話す中で、小生の安定剤に対する認識が変わりました。これまで「安定剤はできるだけ使うべからず」と思っていましたが、今は賢く使う方が良いと考えます。安定剤を文字通り「義歯を安定させる」具体的には「噛んで痛くないようにする」と理解していましたが、今回認識を変えたのが安定剤の「接着:ひっつく」効果です。義歯、特に下の総入れ歯において吸着を求めるのは結構困難です(特に保険内総義歯では)。そこで「ひっつく安定剤」をワンポイントで使う・・以下ラボへのレポートより引用。
「安定剤」今年最後のコメントが安定剤になるとは思いませんでした。常々「抜歯」と「義歯安定剤」は歯医者の敗北だと思っていました。抜歯:智歯以外の抜歯についてですが、なぜこの歯を救えなかったのだろうと抜歯の際には心で泣いています。安定剤:抜歯と似たような理由ですが、自分自身の義歯への治療技術の未熟さを嘆いていました・・が、ここ数日の体験で安定剤への見方が変わってきました。別に歯科医のプライドを患者さんに押し付ける必要もないし、歯科医技工士患者三者のゴールは患者さんの「美味しい」の一言が口から・義歯から発せられること。痛い時に痛み止めを飲む、二日酔いの時にドリンク飲んで復活する、パーティ出席で着飾る・・などと同じように考えてもいいのではないか?ただし前提があります。まずはリベースなり修理して合わせたけど、下顎総義歯が浮いてくる・上顎総義歯がゆるい場合は安定剤使用もありかと思うようになりました。ゴールは「味わえる」「笑える」「唄える」ですから。歯科医が安定剤専門家になって、安定剤の必要な症例にはアドバイスしてあげる方がいいように思います。

こじつけですが「お餅を味わうためのアドバイス」
まずは「安定剤について」1)噛むと入れ歯部分が痛い・義歯が不安定→まずは歯医者に行って調整・修理してもらう。2)数回歯科医院に足を運んだけど解決しない・満足できない→はっきりと不平不満を伝える・歯医者を変える。3)ある程度は合ってきたがもう少し改善したい→安定剤について歯科医に相談してみる。4)必要な時には安定剤を使う。5)安定剤は必ず使うものではありません!
次に「夜間の義歯の取り扱いについて」1)入れ歯を外した状態でも残っている歯でしっかり噛める(残っている上の歯と下の歯できちんと噛める)方はお休み前に歯と義歯をきれいにして必要に応じて洗浄剤を使う(義歯を口から外して洗浄剤につけたまま休む)。2)入れ歯を外すと噛めない方(歯茎を噛んでしまう・歯茎と歯茎で噛む)は、入れ歯をきれいにして両方(上も下も)口の中に戻してお休みください。詳しくは「イビキがテビキ」「不顕性誤嚥」「ゾーン確保」を参照のほど。3)義歯洗浄剤の使用時間は箱書きによると短いものでは「3分間」です。一晩中洗浄剤につけないといけないということはありません、ご注意ください。

掲句の解説より「指を折って数えてみると、ということは、子規と虚子とは七歳違いだ。二人の干支など思ったこともないけれど、こうして並べられてみると面白い。子規の柔軟さはたしかに「うさぎ」を思わせ、虚子の狷介さは「いぬ」に通じるところがあるような気がする。で、子規が年男ならば、今年は何巡目になるのだろうと、誰もがつい数えてみたくなる。これまた、俳句の妙味というものだろう。それぞれの人には干支があり、今年もまたそれぞれに年が巡ってきた。どんな年になるのだろうか。私が小学一年生くらいで干支を覚えたてのころ、家族や知人にそれぞれの干支を聞きまくったことがあった。自分は「とら」、父は「ねずみ」、母は「たつ」と、みな違っていた。で、遊びにきた叔父に聞いてみたら、「哲ちゃんと同じだよ。とらだよ」と答えた。私は覚えていないのだが、そのときとっさに口をとんがらせたらしい。「そんなことないよ。だって、おじさんはもう大人じゃないか。おんなじトシじゃないじゃないか」。後年、よく母が笑いながら話してくれたものだ」解説より。ちなみに正岡子規は1867年、高浜虚子は1874年生まれです。最後に鹿児島市の今年の初の日の出です。本日三日朝にやっと拝めました。

今年も「カノート:connote」をよろしくお願いします。余談ですが「子」が一番で「子=正月」が正しいのでは?と思いました。ネットによると「昔々、中国では冬至を含む月、すなわち十月が年の始まり=正月」だったようです。そういえば拙ブログでも似たようなことを書いておりました、ご参照のほど「歯ロウィン」。6430

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