BBTime 308 安心ブラシ
「わがこゑののこれる耳や福は内」飯田蛇笏
鶴屋吉信の「福ハ内」です。豆(炒り大豆)よりもこの和菓子の方がいいです。前回「鬼の面」に書いたように、歯ブラシの安全安心についてのお話。いろんな場面で「安全安心」を目にします。2003年にはアメリカの狂牛病発生に伴い輸入が一時禁止となりました。その後の日米間で「科学的根拠ある安全だけでいいじゃないか」「安心は必要ない」・・『いやいや安心も必要だ』『安心安全な牛肉を』などのやり取り。安全より「安心」の方がハードルは高いように思えます。
意味の違う「安全」と「安心」を四文字熟語一語のように矢鱈と使っているのは如何なものかと思います。ネットにも「おかしいぞ、「安全・安心」という連語 かねてから「安全」をいうとき、「安心」という言葉を添えて、「安全・安心」というようになったことに嫌悪感を抱いてきた。最近、ますますひんぱんに聞くようになってきた。」の書き込みがあります(出典はこちら)。小生も似たような考えですが、日本人は「安全」だけでは満足せず精神的・感情的・思考的な「安心」まで求めるのではないかと思うのです。
お店で売っているお酒は化学的には「安全」ですが、飲み方いかんでは「安全」ではなくなります。玩具や色々な道具も、そのものは「安全」でも使い方によっては「安全」ではなく、おもちゃを買う親や大人にとっては「安心」できない場合もあるでしょう。やっと本題!安全安心な歯ブラシとは?
歯ブラシ関連事故では「乳幼児の歯ブラシによる事故に注意! 」をしばしば目にします。詳しくはこちら。これも問題ですが、今回お話したいのは度々取り上げている「楔状欠損」など歯ブラシの使い方にまつわることです。先日、タトゥーシールの記事「タトゥーシールで小2のほおに傷残る 販売会社を提訴」朝日新聞2/2記事。記事では「タトゥーシールを貼ったほおに傷が残ったとして、京都府向日市の小学2年生の男児(8)が、化粧品販売会社「ドゥ・ベスト」(東京都文京区)を相手取り、約1430万円の損害賠償を求めて京都地裁に提訴した。」とのこと。通常の使い方をして身体に影響が出た場合、シールメーカーに非がある可能性があります。
健康維持のための「歯ブラシ使用」が結果的に「歯を傷つけた」ことになったら、患者さんは釈然としないのではないかと常々思います。「通常の歯ブラシの使い方をして治療が必要になった」のであれば、それは「歯ブラシそのもの」も関与はゼロではないと確信するのですが、みなさまはどう思われますか?歯ブラシのみならず歯磨き粉も関係ありです。「製品としての歯ブラシには全く問題はありません、使い方(磨き方)に原因があるのです」と歯ブラシメーカーが声を大にして言っても説得力に乏しいと小生は思います。
画像は「安全ハサミ」。ハサミメーカーは一歩先を行っています。紙は切れても指は切れない(切れにくい)ハサミをちゃんと開発しています。歯ブラシメーカーも努力してないとは言いませんが、ハサミに比べると不足していると言えましょう。
実は先月、小生の考える「安心歯ブラシ」「傷つけない歯ブラシ」をクラウドファンディングに打診してみました。返事は「試作品は完成してますか?」「製作先は決まってますか?」でした。アイデアいっぱい資金ゼロでも、クラウドファンディングでなんとかなると勝手に思い込んでいたので意気消沈。他の方法を模索します。歯ブラシ製作関係の方、どなたかアドバイスを!普通の使い方で歯の健康維持できるのは当たり前で、逆に傷めるなんて欠陥商品・製品事故だと思うのですが・・。
句の解説より「豆撒きから声の不思議を抽出した蛇笏の鋭さ、面白さ。作句時の心情を想像するに、下五を「福は内」にするか「鬼は外」で押さえようかと、一瞬迷っただろう。どちらでもそれなりに収まりはするけれど、ここは「のこれる」だから「内」を採ったのだと思う。神社などでの豆撒きイベントは盛んだが、家庭でのそれは廃れてきたような気がする。我が家でも、子供が小さかったころはともかく、いつの間にかやめてしまった。どうかすると、煎り豆すら用意しない年もある。近所からも、撒く声はとんと聞こえてこない。「悪鬼」という幻想が単純すぎて、複雑な時代にあわなくなってきたせいだろうか。ところで、今夜食べきれずに残った煎り豆を、そのままご飯に炊き込むと美味いという話を聞いた。料理評論家がラジオで言ったので、間違いはないと思いますが……。」(解説より)
予防はまさしく「福ハ内、鬼ハ外」です。「美味しい欲しい、痛い要らない」「馳走は内、バイ菌は外」で鬼に金棒ならぬ「予防に歯ブラシ」のはずなんですがね・・。9420
https://youtu.be/CwzjlmBLfrQ