BBTime 312 安眠いれば
「春眠の身の閂を皆外し」上野 泰
ネットで「歯の本数が高齢者の睡眠時間と関連か 本数が少ないほど短時間や長時間睡眠になりやすい?」という記事を読んで合点しました。拙ブログにも「イビキがテビキ」「不顕性誤嚥」「嘘か誠か」など書きましたが、就寝中は義歯を入れて寝るのがベターな方もいらっしゃいます。記事を読み解いていきます(記事はこちら)。
記事より引用「適切な睡眠時間を保つことは健康維持に重要であるが、これまでの研究で睡眠時間は長すぎても短すぎても死亡率の上昇など健康問題につながることが示されている。一方、歯の本数が少ない人は噛み合わせが不安定になり、下の顎(あご)が上方に回転して気道を狭め、睡眠時の呼吸を妨げる可能性があることが指摘されている」・・ここでの歯の本数はおそらく「自分の歯・残っている歯」のことで、上下総入れ歯の方はゼロ本となります。入れ歯を入れている方でも入れ歯を外せば「噛み合わせは不安定」となり、上下の歯と歯が噛まないと「下の顎が上方に回転して気道を狭め」となります。
引用「歯の本数と睡眠時間はU字型の関連を示し、歯が20本以上の高齢者に比べて歯が少ない人では短時間睡眠であるリスクは1.4倍、長時間睡眠であるリスクは1.8倍であることが明らかになった。さらに、歯の本数が1~9本の人でも短時間睡眠のリスクは1.3倍、長時間睡眠のリスクは1.5倍であった」・・歯の本数が少なくて口元が低くなる(クシャッとなる)と睡眠を妨げて短かい眠りになるか、はたまた浅い眠りとなり必要以上に長い睡眠となるようです。
結論として記事では「小山氏らは「歯が20本以上ある高齢者に比べて、10本未満と少ない高齢者では短時間睡眠や長時間睡眠になりやすい可能性がある。高齢になっても歯の健康を保ち、数多くの歯を保持することが適切な睡眠時間を取り続けることにつながると考えられる」と結論づけている」とありますが心配不要です。
1)まずは自己診断・・カチカチと噛んでみてください。入れ歯使用の方は義歯を外してカチカチ。この時に上下の歯がきちんと噛んでいれば(接触していれば)心配いりません。カチカチできずに歯が歯茎に当たる、歯茎と歯茎が接触するような方は問題です。2)義歯を持っている方は、はめてください。持ってない方は作ってもらいましょう。義歯を口に入れてカチカチして、カチカチと噛めれば問題なしです。かめない方、噛むと痛みを感じる方は調整が必要です。3)晩御飯終わって就寝前にきちんと歯を磨きましょう。義歯の方は義歯もキレイに!ここからがポイントです。この後洗浄剤にポチャンと入れるのではなくキチンと口に入れましょう。上下総入れ歯の方は上下とも。複数の部分床入れ歯をお持ちの方は、大きい義歯から入れてみてカチカチできれば全て入れる必要はありません。もちろん全部入れてもオーケーです。ちなみに洗浄剤を使用の際には箱書きにお目通しください。それぞれですが短いのは 三分から五分、長いものでも三十分でオーケー(洗浄終了)と書いてあります。一晩中つける必要はありません。
問題なのは「残っている歯の本数」よりも「就寝中の下顎の位置」です!ご自分の歯であろうと、入れ歯であろうと寝ている時に下顎が「適切な位置」にあれば問題ないのです。就寝前に義歯をキレイにしたら口の中へお戻しくださいませ。冒頭の句の「閂」の読みは「かんぬき」。「身の閂を皆外し」の表現は秀逸です、俳人上野泰の奥様は高浜虚子六女とのこと。寝ているだけで「皆外し」なのに、口の中に義歯がなければ閂も箍(たが)も外れてしまいます。あなたが安眠を必要とするならば、安眠確保のために是非!口の中に・・「安眠いれば」3620