BBTime 334 滑舌改善

BBTime 334 滑舌改善:かつぜつかいぜん
「春宵の外郎売の台詞かな」藤本美和子

画像はお菓子の外郎(ういろう)です。なんと!句にある「外郎」は薬:透頂香(とうちんこう)のこと。解説に『「外郎売(ウイロウうり)」は歌舞伎十八番の内で、1718年(亨保3年)森田座にて2代目市川団十郎が外郎売の物真似を雄弁に演じた事がはじまりと言われる。演じる役者には、立板に水というよりも、立板に瀧のような弁舌が要求される。中身は外郎(名古屋名産の「ウイロウ」ではなく薬の名前)を売る行商人の宣伝文句だから、かなりいい加減で怪しいのだけれど、それを承知で騙されてみる楽しさが「春宵」の気分とよくマッチする。とにかく、楽しいなあという句だ。いまではあまり上演されないようだが、この「台詞(口上)」は滑舌(かつぜつ)のトレーニング用として、役者やアナウンサーなどの訓練に、いまでもごく日常的に使われている。これを知らない芸能人や放送人は、一人もいないだろう』とあります(引用元)。これがその薬の外郎。

『ういろうは、仁丹と良く似た形状・原料であり、現在では口中清涼・消臭等に使用するといわれる。外郎薬(ういろうぐすり)、透頂香(とうちんこう)とも言う』とあります(ウイキペディア)。高校卒業まで外郎とは宮崎青島の名物と信じていました。当時(平成になってもしばらくは)、青島駅に鈍行(どんこう:各駅停車・普通列車)が停まると車内に外郎の売り子さん(まさしく外郎売り)が乗ってきて売っていました。発車前に売り子さんは降ります。

さて本家外郎売りの口上に『さて、この薬、第一の奇妙には、舌のまわることが、銭独楽がはだしで逃げる。ひょっと舌がまわり出すと、矢も楯もたまらぬじゃ。そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。』とあります(出典)。長いマクラとなりました(毎度のことですが・笑)。今回は滑舌についてのお話。

先日、患者さんが「滑舌が悪いのは齢のせいだと思っていました」と。その方、上あごにちょっと大きめの義歯が入っていました。続けて「新聞に脳トレが載っていますので音読するんですけど、滑舌が悪くてねぇ」。『これ、改善しますよ』と小生。PIP(義歯調整の際に使用するペースト)を塗り『住所を二回言ってみてください』。案の定、義歯を外して見ると、発音時に舌が強く当たる義歯部分があります。その部を削って再度口の中へ『もう一度住所を言ってみてください』・・「舌が回る!言いやすい」と患者さん。これは別にマジックではありません。詳しくは「108cafe 004 ウム!」をどうぞ。

ある男性は「発音が悪いのか、しょっちゅう相手に聞き直されるので、会社の電話を取るのをやめました」。また別の方は「朝礼で滑舌の悪さを感じ、齢のせいかなと思ってました」。みなさん「入れ歯のせい」でした。住所二回検査で発音を邪魔している箇所を見つけ、その部を削合(削る)するか、薄くすることで解決しました。外郎薬で「そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ」と滑舌が良くなればいいのですが・・。もちろん個人差はありますが、入れ歯の調整でかなり改善可能です。

滑舌が良くなると、同時にもうひとつ改善することがあります。「嚥下・飲み込み」です。発音時に舌は前に出ます(動きます)。逆に嚥下(飲み込み)時には舌は後ろに動きます。上あごの義歯を調整することで「舌」の動きはスムーズになりますので、前にも後ろにも滑らかに動くことになるのです。滑舌が良くなると、食事中の咳き込みや飲み込み辛さも改善します。

「滑舌が悪くなった」「飲み込みづらい」「ひっかけやすくなった」「相手の方に聞き直される」などの時に「齢のせい」にせずに、あなたの上あごに入れ歯があれば「入れ歯のせい?」と疑ってみてください。心当たりのある方は是非、歯科医院へ。

最後に「これを知らない芸能人や放送人は、一人もいないだろう」という「外郎売」のほんの一部分を載せます。寿限無寿限無の百倍のボリューム!ではどうぞ
『そりゃそりゃ、そらそりゃ、まわってきたわ、まわってくるわ。アワヤ候、サタラナ舌に、カ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重、開合さわやかに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろお。ひとつへぎへぎに へぎほし はじかみ、盆豆 盆米 盆ごぼう、摘み蓼 つみ豆 つみ山椒、書写山の社僧正、粉米のなまがみ 粉米のなまがみ こん粉米の小生がみ、繻子・ひじゅす・繻子・繻珍、親も嘉兵衛 子も嘉兵衛、親かへい子かへい 子かへい親かへい、古栗の木の古切口、雨合羽か番合羽か、貴様のきゃはんも皮脚絆、我等がきゃはんも皮脚絆、しっ皮袴のしっぽころびを、三針はり長にちょと縫うて、ぬうてちょとぶんだせ、河原撫子 野石竹、のら如来 のら如来 三のら如来に六のら如来。一寸先のお小仏に おけつまずきゃるな、細溝にどじょにょろり。京の生鱈 奈良生学鰹、 ちょと四五貫目、お茶立ちょ茶立ちょちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅でお茶ちゃと立ちょ。』第三節より抜粋、引用元はこちら。3456


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です