BBTime 400 ハレとケ

BBTime 400 ハレとケ
「よく晴れて秋刀魚喰ひたくなりにけり」和田耕三郎

学生時代、秋刀魚定食なら此処という店を決めていました。訳は「秋刀魚が大きい」から、注文時に「内臓そのままで切れ目を入れずに焼いてください」も言い添えて。句の解説には『秋刀魚の句というと、たいていはじゅうじゅう焼いている場面のものが多いなかで、こうした句は珍しい。ありそうで、無い。「よく晴れて」天高しの某日、体調もすこぶる良好。むらむらっと秋刀魚が「喰ひたく」なったと言うのである。この句を読んだ途端に、私もむらむらっと来た。句に添えて、作者は「晴れた日は焼いた秋刀魚を、雨の日は煮たものが食べたい」と書いているが、その通りだ。料理にも威勢があって、とくに威勢のよい焼き秋刀魚などは、威勢良く晴れた日に食べるのがいちばん似合う。秋刀魚は昔ながらの七輪で焼くのがベストだけれど、我が家には無いので、仕方なく煙の漏れない魚焼き器で焼いている。これはすこぶる威勢に欠けるから、そう言っては何だけど、どうも今ひとつ美味くないような気がする。食べ物に、気分の問題は大きいのだ。秋刀魚で思い出したが、学生時代の京都にその名も「さんま食堂」という定食屋があった。メニューは、ドンブリ飯に焼いた秋刀魚と味噌汁と漬け物の一種類のみ。一年中、いつ行ってもこれ一つきりで、毎日ではさすがに飽きるが、よく出かけたものだ。旬のこの季節になると、やはり相当待たされるくらいに繁盛していたけれど、あの店はどうなったかしらん。むろん、厨房にはいつも威勢良く煙が上がっていた。』以上解説より。今回は秋刀魚ならぬチキンに絡めて「晴れと褻:ハレとケ」ハレンタッキー、ケンタッキーについて。

ケンタッキーの記事を読みました。「増税後も好調のケンタッキー」「ケンタッキー超復活」「ケンタッキー劇的回復」などです。記事には『「ケンタッキーフライドチキン」が絶好調だ。昨年まで苦戦を強いられていたが、一転して急回復している。店舗経営コンサルタントの佐藤昌司氏は「500円ランチを打ち出し、『ハレの日のごちそう』から『普段使いできる店』にイメージを刷新したことが、業績回復につながった」と分析する――』とのこと。「晴れの日のケンタッキー(ハレンタッキー)」から「褻(け)の日のフライドチキン(まさしくケンタッキー)」への変化戦略には驚きでした。

新明解国語辞典には「晴れ:人前で誇ることのできるような(公式の)機会」「褻・け:(晴れに対して)ふだんの意。改まった場合でないこと」とあります。嘘のようですが歯科臨床で「晴れ」と「腫れ」がかぶることがあります。大昔、ヒトは「晴れる」と狩に出ていました→狩に出ると気分が高揚する→ボルテージが上がる→慢性炎症が急性に転化する→腫れる・・があるようにも聞きました。「歯茎が腫れた・歯が痛い」は誇れることではありませんが非日常です(治療が必要です)。方や歯のお手入れ・予防は「褻:け・普段」です。これから忘年会など何かと「ハレ」が多くありがちな時期、このような時こそ「ケ(普段)」の予防お手入れをお忘れなく。

このブログを書くにあたって十年以上ぶりにフライドチキンを買いに行きました。味を確かめる目的で久しぶりに食べましたが、味は「ハレ」ではなく「ケ」でした・・これもKFCの戦略?さすがケンタッキー。こちらもどうぞ「痩せた?

紹介している動画「目黒のさんま」は大好きな金馬師匠です。庶民から見ると毎回「ハレ食事」の殿様が偶然サンマを食べる・・すなわち「ケの食事」を口にする。毎日「ハレ」のお殿様にとっては庶民の「ケ」がハレに思える・・やはり日頃は「ケ」がよろしいかと!7140



ふと気がつけば・・BBTime 400 でした。祝!400号。

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