BBTime 539 ワインとは(歯)

BBTime 539 ワインとは(歯)
「月の夜のワインボトルの底に山」樅山木綿太

先日、酒屋さんでボジョレーヌーボを予約してきました。今年の解禁日は11/18(木)。ワインの記事を見つけました。記事『「ワイン離れに歯止めがかからない」フランス人が代わりに飲み始めたもの』・・ここ百年程で消費量が約三分の一に減少したとのこと・・『フランスで1人当たりの年間ワイン消費量の統計をとるようになったのは、1850年のことだ。当時の消費量は多く、年間平均約121リットルで、ミディアムサイズのグラス(175ミリリットル)で1日に2杯近い量だった』(記事より)。『ところが1960年代にそうした状況は急速に変化を遂げ、収入が増えるにつれ、食生活も大きく変わっていった。ワインの消費量が減少しはじめたのは、この時期である。1980年を迎えると、1人当たりのワイン消費量は年間約95リットルにまで減り、1990年には71リットルに、そして2000年にはたったの58リットルにまで減った。つまり20世紀のあいだに、ワインの消費量は半減したことになる。今世紀に入っても減少傾向は続き、最新のデータでは年間約40リットルで、1926年の記録を70%も下回っている』(記事より)。

しかも他のアルコール飲料においても同等のようです・・『この傾向はあらゆるアルコール飲料に当てはまる。ビール、蒸留酒、シードルも消費量が徐々に減っているのだ。これに対して、1人当たりの消費量がいちばん伸びている飲み物は、ミネラルウォーターと湧き水を使用したスプリングウォーター(1990年からほぼ倍増)、フルーツジュース、炭酸飲料で、いずれもアルコールを含まない』(記事より)。

歯科で「ワイン」と関係があるのは赤ワインによる着色です。着色のことをステインと呼び、PMTC(プロによる機械での歯のクリーニング)によって取り除くことができます。タバコのヤニ取り歯磨きなどを使ってご自分で除去も可能ですが、歯の表面を傷付ける可能性が高いのでプロ(歯科衛生士)にお任せあれ。

着色の主犯はタンニンです。タンニンによる着色はお歯黒と同じような理屈ですので、ムシ歯予防の観点から見ればプラスですが、やはり歯は白い方がベターでしょう。着色を避けたい方は『歯の表面の乾燥もステインがつきやすい原因なので、色の濃い飲み物や食べ物を口にする前後にお水を飲むのは効果的です』『歯科医院でのメンテナンスもおすすめ。むし歯や歯周病予防のための定期的な通院とあわせてステイン対策を取り入れるといいでしょう』(引用元はこちら)なども参考になさってください。

ある時、英会話の先生(アメリカ人)と「20年経たないと価値がわからないものは?」との会話で彼の答えは「WINE」。仮に20年寝かす必要のあるワインなら、はじめの20年は忍の一字で抜栓せずに買い続け、21年目からは毎年飲めるとのこと。理屈は御もっともですが・・ムシ歯予防について話していた時のひとこまでした。20年と言わず、永久歯ならば六歳から生え始め、歯の大切さ・歯が白い(金属の詰め物がない)ことの価値を本人が実感し、歯を守るようになるのは高校生からだとしても丸十年かかります。ちなみに十年後に花開く(飲み頃)ワインは結構力のあるワインです。

タンニンや丸十年の時について考えながら飲んでも味わえないでしょう。飲んでから考えるとして、秋の夜長に赤のみならず白も楽しんでください。では乾杯!A votre sante!(あなたの健康をお祈りします)。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。9360



追加:おっと句の解説を忘れておりました。『人がワインを手にしたのは古代メソポタミア文明までさかのぼる。醸造は陶器や革袋の時代を経て、木製の樽が登場し、コルク栓の誕生とともにワインボトルが普及した。瓶底のデザインは、長い歴史のなかで熟成中に溶けきらなくなったタンニンや色素の成分などの澱(おり)を沈殿させ、グラスに注ぐ際に舞い上がりにくくするために考案されたものだ。便宜上のかたちとは分かっても、ワインの底にひとつの山を発見したことによって、それはまるで美酒の神が宿る祠のようにも見えてくる。ワインの海のなかにそびえる山は、月に照らされ、しずかに時を待っている』(解説より)。祠:ほこら

お替り:ワインの瓶の底の山(パント)についての蘊蓄です。『パントはキック・アップとも呼ばれる、瓶の底のへこみである。その目的について一致した説明は無い。以下によく使われる説明を挙げる。パントが大きいワインは良いワインの印である。古い吹きガラス時代の名残で、吹き口をつけた跡である。瓶を倒れにくくするためである。底が平らな場合、小さな誤差でも不安定になる。くぼみはこれを解消するために付けられたものである。沈殿した澱を底にため、グラスに流れ込むのを防ぐためである・・・』引用元はこちら「BBTime 061 知る人ぞ得」をどうぞ。

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