BBTime 579 そんなバナナジュース

「バナナがいっぽんありました」片岡輝

2022/06/24投稿
「そんなバナナジュース誕生秘話」
1)歯は、磨いてももらうもの
 1990年に人口約五万の地方都市で歯科を開業しました。開業したて、ムシ歯の多い小学生に「歯を磨きなさい」、親御さんには「あまり甘いお菓子を食べさせないように」と真顔で諭していました。ある時、小学四年生の男の子と母親が来院。磨き残しがあるので、母親にも見てもらい「子供さんに磨くように言ってくださいね」と言ったところ、親子喧嘩に・・母「磨きなさいと、いつも言ってるでしょ」、子「磨いたもん」。母「汚れが残ってるじゃない」、子「ちゃんと磨いたもん」。徐々にヒートアップ、ついに男の子は涙声に・・はたで聞きながら「はた」と思いました!「そうか、この男の子はちゃんと自分で磨いたんだ。けど磨き残しがあった」・・ひょっとすると「自分ではきちんと磨けないのではないか」と歯科医として遅まきながら気付いたのです。そうなんです「歯は磨いても、もらうもの」なんです。左手に絵の具が付きました、自分の目で見てわかります。右手で左手の汚れを落とします、キレイになったかどうかもわかります。絵の具と違って、歯の汚れは自分ではよく見えません。どこが汚れているかなんて、大人でもわかりません。歯医者は長年、不可能なことをあたかも可能なこととして、「ちゃんと磨くように」「磨き残しがあるからムシ歯になった」と言ってきたのです。ご自分で隅々までキレイにすることは不可能なことなんです。自己反省も含めて声を大にして言います「歯は、磨いてももらうもの」。

2)ダイエットレストラン
 ジョギングしたり、ジムに通ったりとダイエットに勤しんでいた時に、ふと「入店前と店を出る時と、体重が1グラムたりとも増えないレストランがあったなら、味はイマイチでも流行るんじゃないの」と思いました。現実的には無理な話ですが・・閃きました。歯科ならできる!入店前より口の中がキレイになって店を出る!思いついたら即実行で十年ほど前、天文館に「歯のクリーニング専門店」を開きました。しかし約十ヶ月で閉店。後になって理由がわかりました。開店したのは「クリーニング店」であって「クリーニングレストラン」ではなかったのです。メインになるものが何もなかったのです。

3)ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」
 クリーニング専門店閉鎖後、勤務医として働きながら自問自答の毎日。巷では「美味しい店」「美味しいスイーツ」などグルメ情報が年がら年中花盛りです。美食と歯は隣同士。歯が健康でないとグルメは楽しめません。美食と歯をどうにかして繋ぐことはできないだろうか?この問いへの答えが「ムシ歯予防カフェ」です。カフェでムシ歯予防・・カフェに来られたお客さんで希望される方の歯をプロが磨く「歯は磨いても、もらうもの」の実践です。ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」は来年(2023年)2月開店予定で現在準備中です。

4)そんなバナナジュース誕生
 ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」に必要なものは「スイーツ」と「飲み物」。スイーツはネットなどでの取り寄せスイーツがメインで、当然のことながら砂糖が入っています。かたや飲み物に関しては「砂糖ゼロ」にこだわりました。「砂糖ゼロ飲料」の主役がバナナジュースです。幼い頃、バナナは「果物の王様」「病院見舞いの定番」「高嶺の花フルーツ」でした。その反動か、大人になってからはバナナをよく食べ、バナナジュースも作っていました。甘く美味しく砂糖不使用のドリンク・・・バナナジュースしかない!早速レシピの研究です。経験に加えネットで作り方を検索、基本のレシピを少しずつ改良し、毎朝バナナジュース試作。バナナと牛乳だけでは物足りないので、隠し味の探求。ヨーグルトを入れたりバルサミコ酢を加えたり、さらに生クリームを足したりと・・。ある朝のこと、ある果汁100%果物飲料が冷蔵庫に、加えてみると・・すごく美味しい!バナナと牛乳とこの果汁だけで!そんなバカな!この瞬間「そんなバナナジュース」の誕生です。その後も割合を少しずつ変え、ついに神レシピができました。砂糖不使用砂糖ゼロですからムシ歯にはなりません。歯科医として太鼓判のバナナジュース、この度、来年二月の「おやつ堂」開店に先駆けて荒田のカフェ「coffee innovate」にて来月7/1より提供開始です。是非そんなバナナジュースをご賞味ください。
おやつ堂店主 河野秀樹

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