BBTime 119 瞑想と感情:疲れない脳の作り方その5(最終回)

BBTime 119 瞑想と感情:疲れない脳の作り方その5(最終回)
「朝寝しておのれに甘えをりにけり」下村梅子

この場面大好きで特にオフの朝はこれやります。解説に「おのれ」を甘やかしているのではなくて、このように「おのれ」に甘えているというのが正しいと思う」と、少々こじつけのようにも感じます。最終回「瞑想と感情」も日頃考えもしない発想というかメカニズムについての話です。オリジナル音声はこちら、今(4/12)なら聴くことができます。では「瞑想と感情」始まりはじまり・・

*今日は瞑想と感情について考えてみようということですね。
『瞑想というとその感情を抑え込んで無表情・無関心になることと思われがちですが、これは誤解です。瞑想とは感情を抑え込むのではなくて、色々な感情を自由自在にコントロールするための手法であると理解してください。
例えば「怒り」について、あまりにも色んなことに怒りすぎている人は「怒り」を抑えた方が良いでしょう。一方、人には怒りが必要な場面があります、きちんと怒るべき時には怒る。感情、喜怒哀楽とはどれが良い悪いではなく感情にはそれぞれ与えられた役割があるのです。「怒り」とはその人自身が大切にしているモノに注意を向けさせる働きがあります。新聞記者がインタビューする時に、その人がどんなことに対して怒りを抱いているかを知るとその人をより深く知ることができるという取材方法があります。瞑想を続けることで自分の感情の裏にある「どのようなことに価値観を見出しているのか」を知ることができます。悲しみという感情は「自分が無くしてしまったもの」に注意を向けさせ、喜びは「自分が獲得したもの」に注意を向けさせる感情です。瞑想することでこのようなことが分かってきますのでむやみに感情に振り回されることがなくなってきます』

*怒っている時はそうもできないと思うのですが・・
『瞑想の専門家ともいえるお坊さん方が感情にどう対処しているかを研究しました。怒っている時どうすれば良いか?まず「息を吐いてください」息を吐くとリラックスを司る副交感神経が活性化します、ですから怒っている時ほど息を吐いてください、息を吐くことが第1ステップとなります。
次に「頭の中を空っぽにする」「思考をストップする」ことが大切になります。怒っている時に人は「あいつが悪い、私はかわいそう」の二つを行ったり来たりする思考パターンに陥っています。ですから怒った時には「あいつが悪い、私はかわいそう」という思考パターンになるということを知っておくことが必要です。知っていれば怒った時にすぐさま、この思考パターンから離れようとすることができ、自然に頭の中を空っぽにできます。これが第2ステップ。

第3ステップは「観察をする」ということです。「私は怒っているんだ」ではなくて「私は怒りを感じているな」と観察します。自分自身を客観視した上で今度は相手の立場になって物事を考えてみます。怒っている時には「相手が悪い」と思いがちですが、客観的に見ると相手の人も要は「ハッピーになりたい」と思っているだけなんだと「自分がハッピーになりたい」ために私に色んなことを言ってきているんだと理解します。このような流れで、まずは息を吐く、頭の中を空っぽにする、自分自身を客観的に見つめて、最後に相手を客観的に見る。このステップを踏まえると、怒りという感情が徐々に消えてきて、この人(相手)はどうやって幸せになろうとしているのかな、それに対して私は〇〇を大切にしているので相手の発言に対して怒りを感じたんだろう、というようなことを考えることができるようになり、怒りという感情をむしろ楽しめるようになる自分に気づくと思います』

*その域に達するまでにはなかなかだとは思いますが、ある意味訓練として日々瞑想をした方が良いのでしょうか?
『そうです。息を吐くとリラックスするのですが、これを日々続けるとリラックスも貯まってきます。よくストレスがたまると言います、実は同じようにリラックスも貯められんです。普段から息をユーックリ吐くことを習慣づけると言わば「リラックス貯金」が貯まります。そうすればいざストレスを感じた時にも対処できるようになります。一方、リラックス貯金が空の人はいちいちストレスに反応してネガティブな感情に支配されることになるので、日頃から瞑想などを続けてリラックス貯金を貯めておくことが肝要で、自分を救うことになります。

*他に感情との付き合い方はないのですか?
『是非オススメしたいのが「最近自分はどのような感情を感じたかな」と定期的に振り返って見ることです。私自身大晦日に「今年一年どのような感情を抱いたか」を振り返りました。その時に今年経験しなかった感情があるなと気づきました、それは「恐怖」でした。今年は恐怖という感情を感じなかったなと。そこで「恐怖」を感じてみようと正月休みにゾンビが出てくる「ホラードラマ」を何本も観ました。怖くてブルブル震えました。休み明けに日常が始まると日本社会にはゾンビは実在しないし、人間が突然襲ってくることもないし、なんと平和な世の中だろうと思います。当たり前だと思っていることがなんと有難いことだと感じます。感情とは新たな刺激となりますが、私たちは日々過ごしていると色んなことがルーティン(日々当たり前なこと)になりがちです。ルーティンになると脳はすぐサボりたがるので、行動のみならず感情もワンパターンになってしまいます。そこで「ワンパターンになっているな」と気づくことがポイントで、気付けたらしめたもので、足りないものを補ってやればご自分の人生が意味のあるものになっていくと思います』
*五日間有難うございました・・

聴き取りは疲れますが勉強にはなります、一字一句聞き逃さない聴き方ですからね。今回の聴き取りでのカルノなりのポイントを簡単にあげてみます。
第一話「脳の集中力の限界」前日準備・瞑想
第二話「瞑想の基本」調身調息調心・三二五法
第三話「観察瞑想」俯瞰・ボディスキャン・馬上枕上厠上
第四話「姿勢の整え方」丹田・歩行
第五話「瞑想と感情」喜怒哀楽・リラックス貯金
皆様のお役に立てれば幸いです。次の聴き取りは「ユマニチュード」を予定しています。高齢者社会には必須のスキル・考え方だと思います。乞うご期待!今回のBeat はゾンビに敬意を評して「Michael Jackson – Thriller 」です。心臓の弱い方はご注意を。


平常心是道」びょうじょうしんこれどう、お坊さんに聞いたことがあります。世間では何が起きても平常心(へいじょうしん)が良いと解釈されがちですが、本来の意味は「喜怒哀楽を素直に出してこそ自然」のようです。自然=自ずから然りです。とは言えねえ・・画像はLINEスタンプ「漢字オバケ」3700
*追加:相手を怒らせる取材方法とはこのニュースも?

 

 

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