BBTime 335 外郎外伝

BBTime 335 外郎外伝
「暮れ際の紫紺の五月来にけり」森 澄雄

令和初日5/1の暮れゆく高千穂峰(たかちほのみね)、天孫降臨の地とされる霊峰です。「天孫降臨(てんそんこうりん)とは、日本神話において、天孫邇邇藝命(ににぎのみこと)が、天照大御神神勅を受けて葦原の中つ国を治めるために高天原から日向国高千穂峰へ天降(あまくだ)ったこと」(Wikipediaより)。平成から令和へ変遷しました。真偽のほどはさておき伝承的には、この秀峰に天降った神様(瓊瓊杵尊)から令和天皇に繋がっていることを思うと感慨深い夕暮れでした。瓊瓊杵尊のひ孫が神武天皇(初代)で126代目が新天皇です。さて前回「滑舌改善」で外郎について触れましたが、今回は由来について。

外郎の由来についてネット検索すると、やはり薬の透頂香(とうちんこう:外郎薬)が起源のようです。『ういろうは仁丹と良く似た形状・原料であり、現在では口中清涼・消臭等に使用するといわれる。外郎薬(ういろうぐすり)、透頂香(とうちんこう)とも言う。中国において王の被る冠にまとわりつく汗臭さを打ち消すためにこの薬が用いられたとされる。14世紀元朝滅亡後、日本へ亡命した旧元朝の外交官(外郎の職)であった陳宗敬[2]の名前に由来すると言われている。陳宗敬は王朝を建国する朱元璋に敗れた陳友諒の一族とも言われ、日本の博多に亡命し日明貿易に携わり、輸入した薬に彼の名が定着したとされる』(Wikipediaり)。

薮光生(やぶみつお)氏の著書「新和菓子噺」には次のようにあります。「鎌倉時代に中国で礼部員外郎(れいぶいんういろう)の役職にあった陳宗敬が、日本に来て透頂香という薬を広めるのですが、「外郎」という役職にあった人が伝えた薬であったことから、「外郎」といわれるようになりました。その陳さんは、やがて改名して陳外郎と名乗るのですが、菓子の外郎は、その陳さんがお客様をもてなすためにつくった菓子にはじまるといわれています」(一部抜粋)。

また『以前読んだ本に、この薬と役職名、菓子の名の勘違いから、的はずれの勘違いのことを指す透頂香を別読みした「トンチンカン」なる言葉が誕生したと書かれていたことを記憶していますが、成程と思わせられる話です』とあります(131頁より)。フリスクの元祖とも言える「透頂香:とうちんこう」と伝えた人の役職名「外郎」が、お菓子の「外郎」となって今に伝わる・・なんとも「外郎」の本伝のみならず外伝も面白い!外郎を末長く楽しむためにも歯の予防をお忘れなく。ふと、小さん師匠に「トンチンカン」に似た演目があることを思い出しました(こちらは万金丹)。ちなみに「トンチンカン」には「鍛冶などで師が鉄を打つ間に弟子が槌を入れるため、ずれて響く音の「トンチンカン」を模した擬音語であった。 音が揃わないことから、ちぐはぐなことを意味するようになり、さらに間抜けを意味するようになった。 漢字で「頓珍漢」と書くのは当て字である」とも(出典はこちら)。7330




 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です