BBTime 553 口楽器

「運命やりんごを砕く象の口」長谷川裕

唐突ですが「象の歯は何本あるでしょう?」・・答えは後ほど。解説には『本来「りんご(林檎)」は秋の季語だが、貯蔵力が強いので、昔から冬季にも広く出まわってきた。雪の降る日の店先で真っ赤な林檎を見かけたりすると、胸の内までがぽっと明るくなるような気がする。だが、掲句の「りんご」は、そんな抒情的なしろものじゃない。情を感じる余裕もあらばこそ、大量の林檎があっという間に次から次へと「象の口」に放り込まれ噛み砕かれてしまう。これが「運命」と言うものか。と、作者は呆れつつも得心し、得心しつつも呆然としている図だ。自分の運命も、考えてみればあれらの林檎のように、あれよという間に噛み砕かれてきたようである。ちょっと待ってくれ。そう願ういとまもなく、他の多くの林檎たちともどもに噛み砕かれ消化され、あとには何の痕跡も残らない。そこで力なく「へへへ」と笑うがごとくに、自然に「運命や」の慨嘆が口をついて出てきたということだろう。なんとなく滑稽であり、なんとなく哀切でもある。自己韜晦(とうかい)も、ここまで来れば立派な芸だと言うべきか。』(解説より抜粋)。先日、ラジオから流れてきた曲を聴きながら思いついたのが「口楽器:くちがっき」。今回は口楽器の動画を見ながら歯磨きを!

さて、ラジオからの歌声はスウィングル・シンガーズ(The Swingle Singers)でした。画像を見てお分かりのように歴史は古く1962年にパリでスタート。ウィキペディアによると『グループは全部で8人のメンバーからなり、構成はソプラノ、アルトテノールバス、各2名。ジャズのスキャットの歌唱法を男女の混声合唱に持ち込んだそのサウンドは、ジャズの側からもクラシックの側からも異色で新鮮なものとして評価され、一般にも理解しやすい音楽は「ダバダバ」コーラスとして知られる。バッハ・シリーズのヒットから始まってベートーヴェンチャイコフスキーからオペラロッシーニ)にいたるまでクラシック音楽でのレパートリーを拡げ、さらに現代ポップスのヒットチャート(ビートルズビージーズなど)やその他のスタンダード・ナンバーのアレンジと、幅広い楽曲の複雑かつテクニカルかつ印象的なカバーを生み出している。アレンジはジャズの和声法やスタイルが基調であることが多い。ナット・キング・コールなど洗練された歌手・ピアニストの影響も見られる。』(Wikipediaより)とのこと。

彼らの「口楽器」の演奏を堪能してもらう前に冒頭の答えです。象の画像を見て頂くと何となく判るのですが、象の歯は上下左右の奥歯で四本です。大きな奥歯のみの四本なんです。ちなみに前歯由来の牙(きば)を含めると六本となります。では皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

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