BBTime 492 ブラシラブ・作用

BBTime 492 ブラシラブ・作用
「あたたかき十一月もすみにけり」中村草田男

11/29の桜島、まさに小春日和でした。解説には『十一月という中途半端で地味な月に見事な輪郭を与えていて、忘れられないのだ。忙中閑あり。……ならぬ、年の瀬をひかえて「忙前閑あり」といえば当たり前だが、両句ともそんな当たり前をすらりと表現していて、しかもよい味を出している。ただ草田男句の場合は、どちらかといえば玄人受けのする作品かもしれない』(一部抜粋)。先日「機能と作用」という記事を読みました。我田引水ですがブラシラブもそうだ!と思いました。今回は「作用」についてのお話。小春日和:陰暦十月のころのよく晴れた暖かい日和

記事「暮らしをかたちづくる“TIMELESS, SELF-EVIDENT”な道具たち」に非常に興味深いお話が・・以下抜粋引用
機能と作用・・『「ものには2つの役割があると思うんです。ひとつは目に見える具体的な『機能』。もうひとつは眼に見えない抽象的な『作用』です」と小林さんは切り出した。』 『機能とは、ある目的を遂行するための物理的な補助。小林さんはこの機能に加えて、使い手に情緒的な反応を引き起こすはたらきが「作用」であるという。』 『機能ありきではなく、触覚や嗅覚を通して訴えかけてくるようなメッセージと共に、それを手にした使い手それぞれとの関わり方を受容する多くの余白が残された、まさに機能と作用が呼応し合うプロダクトと言えるかもしれない。』

人は機能だけでは生きられない・・『なぜ、ここまで作用にこだわるのだろうか。「効率や利便性を追求していくと、最終的には落としても割れないメラミン食器やペットボトルしか残らなくなってしまうかもしれない。もちろん、それで満たされる人もいるかもしれませんが、豊かな暮らしとは、いかに重層的で、多様なもののなかから選べる自由があることなのではないでしょうか」ひとつのものに流れる幾層もの時間と、機能だけでは語り尽くせない“作用”に耳を澄ますことが豊かさではないか。それは言い換えれば、物質的、機能的に充実していることが、必ずしも豊かさではないということなのかもしれない。』(抜粋引用

Timeless, Self-evident・・『「例えば、デスクの上のものがひとつ変わるだけで、そこ(部分)から波及して全体が変わっていく。それはまた、ものが空間にもたらす作用といえるのではないでしょうか」』 『Timeless, Self-evident──。最終的に手元に残り、暮らしの空気を整えてくれるのは、そういうものなのかもしれない』(引用元

機能と作用・・ぬいぐるみを例に考えてみます。ただのぬいぐるみであれば、情緒的な反応を引き起こすはたらきである「作用」は充分ですが、機能は期待できません。そのぬいぐるみがクッションや枕、はたまたバッグとしても使えれば機能も充分となるのでしょう。

歯ブラシの「機能」は、ご存じの通り「歯の汚れを除去する」です。もし歯ブラシのデザインに「作用」も加味されれば・・「歯を磨きたい」「歯を守りたい」「美味しく食べたい」「味わいたい」のようなメッセージを投げ掛けてくれる、使い手に情緒的な反応を引き起こしてくれれば、今以上に楽に歯を守れるのではないでしょうか・・と、思いました。

冒頭の句が「あたたかい十一月もすみましたね」であればタダの報告文、機能のみです。それが「あたたかき十一月もすみにけり」となると、終わった霜月と明日からの師走へと思いが馳せます。機能に作用が加われば「昨日のみならず明日も(笑)」。師走の声を聞いた途端に風が冷たくなりました。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。是非、歯磨きはコタツの中で、ストーブの横で、湯船の中で。9820



追伸:今月(師走)中には販売サイトにアップします!

BBTime 489 新デザイン

BBTime 489 新デザイン
「焼芋を二つに折れば鼻熱し」吹田孤蓬

小生が焼芋から連想するものは、味でも熱でもなく「音」です。あの「ピーッ」の音に何かしら物悲しさと、少しばかりの温かさを感じます。例の「いーし焼き芋、焼芋っ」は減ったような・・。句の解説には『そのまんまの句。たしかに、焼芋は二つに折ってから食べる。折ると、湯気が鼻をつく。その一瞬をとらえた微笑ましい作品だ。いますぐに、焼芋を食べたくなった読者もいるのではないだろうか。私は、あまり食べない。ここ数年間は口にした覚えがない。なにせ戦後の食料不足時代に、芋ばかり食べていたので、どうしても当時のみじめな記憶が甦ってきて、食欲とは結びつきにくいからだ。(後略)』(解説より)。今回は焼き芋とは関係なく「デザイン」についてのお話。

画像は新デザインの歯ブラシ「Zenブラシ」をコンペに応募した際のものです・・ボツでした。近々、手作り販売サイトにアップします。
「白珪尚可磨:はっけいなおみがくべし」(禅語の意味はこちら
「磨いているのにムシ歯になる@何か足りない何が足りない?
理由は明らか@磨き残しあり
磨き残しを減らすには@丁寧に小まめに磨く
丁寧磨きの日常化に EARS:イアズ
Ethical     Anytime/where    Rest    Saliva
腰据えて歯をまもるために坐りました
「歯を磨く」ではなく「歯をまもる」
面倒なルーティンを手軽で楽しめるものに
あなたの歯をまもる@ZENブラシ」

「Happy New Ears」
「歯磨きの新スタイル EARS:イアズ
ethical「E」予防は自愛 環境への配慮
anytime/where「A」いつでもどこでも
rest:レスト「R」息抜き・癒しとして
saliva:サリバ「S」唾液で磨く唾液みがき
「歯をみがく」のではなく「歯をまもる」
面倒なルーティンを手軽に楽しめる習慣へ
あなたをまもる新スタイル@EARS」

以前発表した「タツブラシ」に改良を加えています。新デザイン改良版歯ブラシの名は・・「ブラシラブ!」この名前への思いは・・SWEETS LOVE!  TEETH LOVE!  BRUSH LOVE! スイーツ大好き! まもる白い歯! いつでも歯磨き! 7420


 

BBTime 488 新スタイル

BBTime 488 新スタイル
「おでん煮えさまざまの顔通りけり」波多野爽波

都城市「雨風」の黒板。この時季、好きな句です。解説には『屋台のおでん屋。あそこは一人で座ると、けっこう所在ないものだ。テレビドラマでも映画でもないのだから、人生の達人みたいな格好の良いおじさんが屋台を引いてくるわけではない。だから、おじさんと人生論などかわすでもない時が過ぎていくだけだ。したがって客としても、そんなおじさんをじろじろ眺めているわけにもいかず、必然的に、目のやり場としては、屋台の周辺を通っていく見知らぬ誰彼の方に定まるということになる。と、まさに句のように「さまざまな顔が通り」すぎていく。それがどうしたということもなく、チクワやハンペンをもそもそと食べ、なぜかアルコールの薄い感じのする酒をすすりながら、「さまざまな顔」をぼんやりと見送っているという次第。句の舞台はわからないが、爽波は京都在住だったので、勝手に見当をつければ出町柳あたりだろうか。出町柳には、私の学生時代に毎晩屋台を引いてくる「おばさん」がいた。安かったのでよく寄ったのだが、彼女は学生と知ると説教をはじめるタイプで、辟易した思い出がある。「悪い女にひっかからないように」というのが、彼女得意の説教のテーマであり、辟易はしていたが、おかげさまで今日まではひっかからないで(多分……)すんでいるようだ』(解説より)。今回は様々な食べ物のお話。

「パニス:panis」のパンです。夏以降、三つの「新スタイル」に出会いました。パニスのパン、コーヒーカウンティの豆、スフォリーノヨシモトのパスタ。パニスのパンは「食事パンと菓子パンの中間」のようなパン。コーヒーカウンティの豆は「コーヒーと紅茶の中間」の飲み物。スフォリーノヨシモトのパスタは「食事とおやつの中間」的な一皿。

サンドイッチや食パンが食事パンで、甘いパン、ドライフルーツ入りパンはお菓子パンではありません。トーストに蜂蜜つけたりジャム塗ったりしますよね。美味しいが一番の問題で、あとは中身(材料)と量でしょ。コーヒー豆も「コーヒーは苦い飲み物」ではなく、紅茶のようなフレーバーの違いを十二分に味わえるコーヒー。ミルクや砂糖はむしろ邪魔。小腹を満たすような量と内容(具)のスフォリーノのパスタ。おやつと食事の中間的一皿。

珈琲だからミルクと砂糖が必要・・なのではなく、必要なら足すというコーヒーの飲み方。一般的に緑茶には何も加えません。パイナップルが酢豚やハンバーグに加えてあることもあります。果物の柿は「柿なます」として和食に登場します。以前、記事で読んだことがあります。「日本人はカテゴライズ(分類分け)が好きな民族」・・カテゴライズが好き・・例えばその人の「血液型」を聞いて「なるほどB型だから、あの人は」と科学的根拠もなく納得したり。集団として一括りにする、従来のやり方の踏襲などは、楽かもしれませんがね。

朝日新聞11/16朝刊の「折々のことば」です。食べ物・料理も文化のひとつ、食文化の新陳代謝・多様性を味わうことは、時に新しい「美味しい」に出会えます。皆さま、ご自愛のほど、ご歯愛のほど。7180

BBTime 487 パンとイタミ

BBTime 487 パンとイタミ
「立冬のクロワッサンとゆでたまご」星野麥丘人

クロワッサンとゆで卵の組み合わせが、ホッと温もりを感じさせます。解説にも『このパンの名前にはアンパンやメロンパンとはひと味違うよそいきの雰囲気がある。掲句はもちろん三日月形のパンそのものだろうが、このクロワッサンはおいしそうだ。かさこそ音をたてる落葉道を散歩していると、店先からパンを焼く香ばしい匂いが流れてくる。思わず買ってしまったパンのぬくみを紙袋に感じつつ帰宅。濃くいれた熱いコーヒーにゆで玉子を添えて朝の食卓を囲む。そんなシーンを思い描いた。パリパリと軽いクロワッサンの感触とつるりと光るゆでたまごの取り合わせも素敵だ。一見何の技巧もなく見えるが、これだけの名詞を並べるだけで立冬の朝の気分をいきいき感じさせている』(一部抜粋)。今回はパンと痛みについてのお話。

先日、福岡市の有名なパン屋のショップカードを眺めていて「?」。美味しいパン屋さんなので敬意を表して仮に「パン・ショップ」としましょう。店名がカタカナであれば全く問題ないのですが・・・「pain shop」でパン・ショップなんです。えっ何が「?」なの・・実は、この表記だと「pain:パン」はフランス語で「shop:ショップ」は英語。ですから「pain shop」を英語圏の人は「pain shop:ペイン・ショップ」と読み、「痛みの店」の意味。ペインは英語で「痛み」です。ちなみに英語で「パン:pan」はフライパンのこと。

パンの英語はブレッド(bread)。詳しくはこちらを御賞味あれ。折角ですので、食べる「パン:pain」の語源を調べてみました。時は織田信長の時代、パンはポルトガル人によって日本に伝えられ、ポルトガル語の「パウン」がパンとなったようです。その「パウン」の語源はラテン語の「panis:パニス」で意味は「食べ物、生活の糧(かて)」。鹿児島市にその名もズバリ「panis」というパン屋さんがあります。ここがまた「生きる糧・食べる喜び」を与えてくれる美味しさ!

さて、時に「痛くなったら来ます」とおっしゃる方がおられます。ところが歯に関しては、痛くなった時には手遅れ(不可逆的)のことが多いのが、歯科治療のイタイところです。是非、痛みがない時・問題ない時に来られることをオススメします。お節介ですが、pain(パン)もイタミがくる前に美味しくどうぞ。皆さま、ご自愛のほど御歯愛の程。5880

BBTime 480 非老化

BBTime 480 非老化:ひろうか
「老人の日といふ嫌な一日過ぐ」右城暮石

この方、カルメン・デロリフィチェさんの人生には「老人」という言葉は存在しないのでしょうね。この方、来年満九十歳です。『カルメン・デロリフィチェ 1931年にニューヨーク生まれ。4カ国のヴォーグの表紙を、史上初の15歳で務めて以来、85歳になる現在まで70年のキャリアを築いてきた。最近では高齢女性の活躍を自身が体現し、今なおモデル業界のアイコンとなっている』(2017/5/8の記事より)。

冒頭の句の解説には『はじめは「としよりの日」(昭和26年制定)といった。それが「老人の日」(昭和39年)となり「敬老の日」(昭和41年)となった。しかし「敬老の日」とは、いかにも押し付けがましい。国家が音頭をとって「尊敬」などと言い出し、ロクなことがあったためしはない。景気のよい時には地方自治体がお祝い金を出していたが、いまではつまらない式典だけになった。金の切れ目が縁の切れ目で、駆り出さなければ誰も来ない。私はまだ駆り出される年齢ではないが、作者と共に余計なおせっかいは「超」不快である。もちろん、いまや老人福祉の問題は国民的な課題だ。が、世間で行われている福祉の実態には、いつも式典的要素が介在するのは何故なのか。老人ホームでみんなでお歌を歌うなんてことも一例で、私なら、ほっといてくれと言うだろう。そんなことに「敬老精神」を発揮されたのではたまらない。しかも発揮する人々の多くが善意であるだけに、いっそうたまらないのである。このような「善意の愚劣」を、先輩諸兄姉よ、ここらで勇気を持って打ち砕くべきではないでしょうか。かつてロシアの文豪が、自逆的に言いました。「私は人類はいくらでも愛するが、隣の婆アはどうにも気にくわねえ」と。「善意の愚劣」の根拠でしょう。(清水哲男)』解説より。

先日、発表されたノーベル医学・生理学賞は『▽アメリカのNIH=国立衛生研究所のハーベイ・オルター氏、▽カナダのアルバータ大学のマイケル・ホートン氏、▽アメリカ、ロックフェラー大学のチャールズ・ライス氏の合わせて3人です。3人は、C型肝炎ウイルスの発見によって多くの慢性肝炎の原因を明らかにし、輸血などの際の検査ができるようにしたほか、多くの人の命を救う治療薬の開発に道をひらいたことが評価されました』(引用元はこちら)。このC型肝炎、小生の学生時代には「非A非B:ノンエーノンビー」の肝炎として習いました。さてタイトルの「非老化」これは文字通り、老化ではない・・従来老化と考えられ、人にとって避けられないものとして捉えられていた症状に実は原因があり、それは対処できるという意味です。

先日見つけた記事は「認知症の原因物質 歯周病によって蓄積する仕組みを解明」で、記事によると「認知症の7割を占めるアルツハイマー病は、「アミロイドベータ(Aβ)」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積し、発症や症状の進行につながるとされる」・・この蓄積を歯周病菌がアシストしているようだ、という内容でした。「チームの武洲(たけひろ)・九大准教授(脳神経科学)は「歯周病菌が、異常なたんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまうことが明らかになった。歯周病の治療や予防で、認知症の発症や進行を遅らせることができる可能性がある」と話す」(記事より)。

中国唐代中期を代表する文人に「韓愈:かんゆ」がいます。韓愈の漢詩「落歯:らくし」・・毎年のように抜け落ちる歯と人生を重ね憂う内容です(詳しくはこちら)。ひと昔、ふた昔前は歯周病は「老化」であり、逃れられないもの(症状)として考えられていました。今では歯周病の原因は解明され、その予防法・治療法も確立されています。先程の記事のように「認知症」も少しずつ病因が明らかになり、予防法・治療法が確立される日もそう遠くないのかも知れません。

以前、ある患者さんが「(ここにくる前に)右膝が痛いので整形外科に行ったら、医者に「痛み(原因は)は、歳のせい」と言われて頭に来た。歳のせいなら左も痛いはず」とおっしゃいました。なるほど、その通り!右だけ痛いのは何かしら「痛みの原因」が右だけにあるはずです。歯周病予防が認知症予防へつながるのであれば、予防しない手はありません。時の過ぎゆくままに老け込むのは、もったいないと切に思います。皆さま、ご自愛のほどご歯愛のほど。・・曲は昨日(10/6)亡くなったヴァン・へイレンに哀悼の意を表して。9470


https://youtu.be/1Qi7c-pcq-A

BBTime 476 尻拭い

BBTime 476 尻拭い
「秋の暮大魚の骨を海が引く」西東三鬼

解説は『つとに有名な句だ。名句と言う人も多い。人影の無い荒涼たる「秋の暮」の浜辺の様子が目に見えるようである。ただ私はこの句に触れるたびに、「秋の暮」と海が引く「大魚の骨」とは付き過ぎのような気がしてならない。ちょっと「出来過ぎだなあ」と思ってしまうのだ。というのも、若い頃に見て感動したフェリーニの映画『甘い生活』のラストに近いシーンを思い出すからである。一夜のらんちきパーティの果てに、海辺に出て行くぐうたらな若者たち。季節はもう、冬に近い秋だったろうか。彼らの前にはまさに荒涼たる海が広がっていて、砂浜には一尾の死んだ大魚が打ち上げられていたのだった。もう四十年くらい前に一度見たきりなので、あるいは他の映画の記憶と入り交じっているかもしれないけれど、そのシーンは掲句と同じようでありながら、時間設定が「暮」ではなく「暁」であるところに、私は強く心打たれた。フェリーニの海辺は、これからどんどん明るくなってゆく。対するに、三鬼のそれは暗くなってゆく。どちらが情緒に溺れることが無いかと言えば、誰が考えても前者のほうだろう。この演出は俳句を知らない外国人だからこそだとは思うが、しかしそのシーンに私は確実に新しい俳味を覚えたような気がしたのである。逆に言うと、掲句の「暮」を「暁」と言い換えるだけでは、フェリーニのイメージにはならない季語の狭さを呪ったのである。『新歳時記・秋』(1989・河出文庫)などに所載。(清水哲男)』(解説より引用)。「La Dolce Vita」のラストシーンとは結びつきませんでした。小生の連想は「老人と海」でした。

前回「BBTime 475 不可逆」で紹介した句の次に載っていたのが掲句。「新編 折々のうた」の解説には・・「『変身』(昭和三七)所収。昭和三十七年、同句集刊行の直後六十一歳で没した岡山県生まれの俳人。新興俳句運動の大立者だが、本業は歯科医、洒脱な文章の随筆でも人気が高い。初期の句の華麗さが多く話題になるが、最終句集『変身』に収められた晩年の作には、懐深く味わい濃い句が多い。男盛りだったが胃癌に勝てず、死を身近に感じる最晩年だった。暗く壮大なものが沖へ静かに退いてゆくのを、作者は心の窓ごしに凝視している。」(「新編 折々のうた」より)。

この解説を読むまで「西東三鬼の本業は歯科医」と知りませんでしたし、西東三鬼の他に俳人である歯科医を未だ知りません。今更ながら、このような非凡なる歯科医がいらっしゃったとは、嬉しくもあり誇らしくもあり。長い長い枕となりました、二晩か三晩もお休みになられたかと(笑)。今回は自戒を込めて歯科医の仕事が「尻拭い」で終わっていいのか?について。言葉「尻拭い」を、歯科医の上から目線とお叱りを受けそうですが、あくまでも「歯科医の尻を叩く」が真意です。

辞書には「尻拭い=他人の不始末の責任を取らされること」とあります。ここでの他人とは「患者さん=ムシ歯を作った人・歯周病になった人」をさします。さて先日、不動産業を営む友人との会話で「最後はデベロッパかな」とのこと。一般的にデベロッパとは「デベロッパー(developer、開発者)とは開発業者のことで、大規模な宅地造成やリゾート開発、再開発事業、オフィスビルの建設やマンション分譲といった事業の主体となる団体・企業のことである。ディベロッパーとも言う」とありますが、友人の意味するところは「まちづくり」のようでした。

友人の話にビシッと尻を叩かれました・・「尻拭いで終わっていいのか」。ブログにも度々書いてますように、最もリアルなムシ歯の原因は「磨き残しの存在」です。あえて言うなら「他人の不始末:その方の歯磨き不足」によってムシ歯は発生します。ムシ歯になった方(患者さん)が来院し、治療し金銭を頂く。甘いものを食べてムシ歯になり、歯科医が治療しお金をもらい、歯科医は「甘い生活」を営むことができる・・素直に考えてシャレにもならん構図だと思います。

最終的にはデベロッパを考えている・・人に住居を提供して、家賃や仲介料をもらう。一般的な不動産業であっても世の中には必要な仕事です。現状に満足せず、さらに世の為人の為を思い、まちづくりへと。常々思うのです・・ムシ歯の治療、痛みをとるなど、人の為の仕事ではありますが、表現を変えれば「人の不幸につけ込んで・・」の仕事です。歯科医(もしくは歯科診療所)が尻拭い(ムシ歯治療)ではなく「歯垢拭い:しこうぬぐい」を今以上に行えば、これこそ「世の為人の為」です。

この図式はかなり昔に考えたものです。CURE=治療、CARE=手当てを必要とする方は患者さんであり、平穏な日常よりもマイナスに位置する、言わば不幸な人です。歯科医は治療などによって、噛めるようにしたり痛みをとったりしますが、マイナスからゼロの位置(平穏な日々)に戻しただけで、プラスのハッピー(幸福)を与えてはいません。より幸せは図式の真ん中より右上の部分です。当時「3C:サンシー、三つのC」とよんでセミナーをしていました。キュア、ケアに続く三つ目のCはズバリ「しあわせ」の「し」です。キュアケアなどの治療は尻拭いですが「歯垢ぬぐい」に軸足を移せば人々は「歯の痛み」も「噛めない不便さ」も味わう必要がありません。まさに「歯垢ぬぐい」は世の為です。尻拭いから「歯垢ぬぐい」へ

三つ目の「C」は果たして何なのか?今やっと見えてきました。歯科医の言い訳になりますが、日本における歯科医療(図式の左下)が「人の不幸につけ込んで」に甘んじて、積極的に「人をより幸福にする」に歩みを進めないのは、歯科予防(図式の右上)のビジネスモデルが確立されていないからです。保険診療の枠組み・システムで治療行為では収入を得ることはできますが、予防行為のみでビジネスとして成立させるにはハードルが相当高いのが現状です。小生が思う三つ目の「C」は真面目にCAKE:ケーキ!今回はここまで(笑)続きはいずれ。

画像は、覚えている人は知っている・・「おしりだって洗ってほしい」のCM。
「おしりだって洗ってほしい 皆様、手が汚れたら洗いますよね。こうして、紙でふく人って、いませんわよね。どうしてでしょう。紙じゃとれません。おしりだっておんなじです。おしりだって洗ってほしい。ToToウォシュレット 暖かいお湯で洗います。おしりだって、洗ってほしい。」1983年頃のCM、約40年前なんですね。

歯も同じです・・「私の歯も洗ってほしい」。そうなんです、ご自分では隅の隅まで洗えないんです。だからこそ「洗ってほしい」→「洗ってあげます」→ここでCAKEの登場(続きは今度)。皆様ご自愛のほど、ご歯愛の程。3120



三曲目はイタリア映画つながりで・・美女はイギリス人です。

おまけ:朝日新聞コラム「折々のことば」より
「のぞみはありませんが ひかりはあります」新幹線の駅員さん
千葉・本妙寺の掲示板にあった言葉(江田智昭著『お寺の掲示板』所収)。臨床心理家・河合隼雄が残したジョークから引かれた文言。河合が新幹線の切符を買おうとしたら、駅員にこう言われた。瞬間、この言葉の深い含蓄に感激し、同じ言葉を大声で返すと、駅員は「あっ、『こだま』が帰ってきた」とつぶやいたという。希望をなくしても仏様の光はずっと人を照らしている。」2020/9/13朝刊

BBTime 475 不可逆

BBTime 475 不可逆:ふかぎゃく
「がつくりと抜け初むる歯や秋の風」杉山杉風

画像は八月末日の桜島。「初むる」はソムル「杉風」はサンプウと読みます。句の解説は『江戸の大きな魚屋で、芭蕉の門人。芭蕉の経済的後援者だったことは有名。深川の芭蕉庵も彼の下屋敷だった。右(上)の句は『猿蓑』にのるが、初案は「がつくりと身の秋や歯の抜けし跡」として、芭蕉あて書簡に出る。これだと詠嘆が勝ちすぎて、句は集中度に欠ける。改案にはおそらく芭蕉の手が入っているのだろう。近年「がっくり」の語がはなはだしく流行するが、この句あたり、最も早い時期の文学的用例かもしれない。語感を鋭くとらえている』(新編折々のうた 大岡信より)。初案改案を読むに、この「抜け初むる」は乳歯が抜けたのではなく、永久歯が歯周病(歯槽膿漏)によって抜けたのでしょう。作者は抜けた歯を手に「人生の秋」・・おそらく晩秋を感じたのかもしれません・・今回は可逆不可逆についてのお話。

不可逆を辞書で引くと「ある化学変化が生じた状態を元に戻すような変化を起こすことが不可能なこと」。つまり「元に戻せないこと」です。歯科における「不可逆」の最たるものが「ムシ歯」で、過去にも書いてますが「ムシ歯の治療」は失った歯質(歯の部分)を人工的材料で置き替えたに過ぎません。歯周病もほぼ同等で、炎症によって失った歯槽骨(歯を支える骨)を元のように戻すことはできません。よって作者は「抜け初むる」となったのです。

かたや「可逆」は?極めて初期のムシ歯であり、初期歯周病の「歯肉炎」です。この段階であれば「実質的欠損(実際の損失)」はほとんど生じていませんから、まだ元に戻すことが可能です。数日でムシ歯になるわけではありません、歯磨きしなかったからすぐに歯肉炎になるわけではありません。歯科臨床の経験的では、週に一度ほぼ完璧に磨ければ元に戻せます。しかし残念ながら御本人では完璧磨きは無理ですので、日々数回磨きましょうとなるのです。

歯科医としての希望は「月一回」の専門家(歯科衛生士・歯科医師)による歯のクリーニングです。月一回の頻度は、これまた残念ながら現時点で「保険適用外」です。今回、台風十号通過後に「事前報道ほど激しくなかった」との声をちらほら聞きますが、無事が何よりです。JRの計画運休、コンビニ閉店、鹿児島離島の島外避難等々、表現は不適切ですが「ハズレ」が良いのです。歯科予防も同様、月一回お会いして「問題なしです、無事です」が一番・・と日々思います。ご自愛の程ご歯愛の程。1790

BBTime 473 食前食後

BBTime 473 食前食後
「秋暑しあとひとつぶの頭痛薬」岬 雪夫

句の如く暑い毎日・・ウンザリです。『こんなにも暑さがつづくと、月並みな挨拶を交わすのさえ大儀になってくる。マンションの掃除をしにきてくれている女の人とは、毎日のように短い立ち話をしているが、最近ではお互いに少し頭をさげる程度になってしまった。会話をしたって、する前から言うことは決まっているからだ。出会ったときのお互いの目が、それを雄弁に語ってしまっている。こうなってくると、なるべく外出も避けたくなる。常備している薬が「あとひとつぶ」になったことはわかっているが、薬局に出かけていくのを一日伸ばしにしてしまう。むろん「あとひとつぶ」を飲みたいときもあるけれど、炎暑のなかの外出の大儀さとを天秤にかければ、つい頭痛を我慢するほうを選んでしまうのだ。こんなふうにして、誰もが暑さを避けつつ暑さとたたかっている。この原稿を書いているいまの室温は、34度。こういうときのために予備の原稿を常備しておけばよいのだが、それができないのが我が悲しき性…。「俳句」(2013年8月号)所載。(清水哲男)』(解説より)。今回は「食前食後」についてのお話。

画像は食前酒です、以前こんな話を聞きました。ペンション(南仏)のオーナー曰く「(レストランなど)三三五五集まるので、早く来られた方は食前酒を召し上がってもらいます。皆が集まったらテーブルへ」・・食前酒のひとつの意味は「皆が揃うのを待つこと」もあるようです。ちなみに薬を飲む時の「食前・食後・食間」とは?

食前:食事開始(食べ始め)の20~30分前で『食前とは、食事の20〜30分前のことです。食べ物や胃酸の影響を受けたくない薬や、糖尿病の際に食事で高くなる血糖値を下げるための薬などは、食前に飲むことが多くなります。また、胃の調子を整える食欲増進剤や、食べたあとの吐き気を事前に抑える薬などは食前に飲むと効果的です』(引用元)。食後:食べ終わって20~30分以内で『食事が終わって20〜30分後までのことです。食事の後は胃の中に食べたものがあるので、胃への刺激が少なくなります。食後の薬は飲み薬の中で最も多いタイプです。主に食べ物と一緒のほうが吸収が良くなる薬や、空腹時に飲むと胃を荒らす薬などは食後に飲みます』(引用元)。食間:しょっかんとは『食間とは、食事の最中だと思われている方も多いようですが、食事と食事の間という意味で、食事を終えてから約2時間後が目安です。空腹の状態で飲むと吸収が良い薬や、胃の粘膜を保護するための薬などは食間に飲みます』(引用元)。

これは食後酒。さて少々我田引水ですが「歯磨きは食前それとも食後?」と聞かれたら、皆さんはどのように答えますか?「もちろん食後でしょう」と聞こえてきそうです。『食後酒(しょくごしゅ)とは、食事の後に余韻を楽しむために飲むアルコール飲料の総称。ディジェスティフdigestif)とも言う』(引用元)。食事の余韻に浸りながらの食後酒、おしゃべり・・の最中に「歯を磨きなさい」なんていわれたら興醒めします。

こんな考え方はいかが?料理が盛られる前の皿はもちろんキレイです。ピッカピカのはずです。前客の食べた後の汚れが残っていようものなら・・。では、ご自分の口の中は?歯は?食事前には隅々までキレイですか、歯はピッカピカですか。おそらく答えは「いいえ」でしょう。この場合は食事前に歯を丁寧に磨くほうが良いのではないでしょうか。

ご存じ口腔内のプラーク、歯の汚れは細菌です。プラークが少ないほど、歯を溶かす(ムシ歯を作る)ムシ歯菌も少ないのです。すなわち食前に歯がキレイなほど、酸生産量も少なくなります。残念ながらゼロにはできませんが、ムシ歯菌が少ないほど、ムシ歯になるリスクは減るのです。

そこで提案。食後は「水うがい」で歯の素洗い、食間もしくは食前にじっくり歯の汚れを落とす。もちろんお休み前もしっかり磨く・・就寝中は口の活動(おしゃべり・食べるなど)がほぼ無いので、口腔内の菌増殖が増えますゆえ「寝る前の歯磨き」は有効です。食事前に舌でご自分の歯を舐めてみて「ヌルッと」した方は食前磨き、「ツルッと」の方は食後食間磨きでも宜しいかと。ご自愛の程ご歯愛の程。8720

BBTime 472 Wマスク

BBTime 472 Wマスク
「涼風をいひ秋風をいふ頃ぞ」矢島渚男

句の解説は『暦にしたがえば、いまごろの風は秋風。しかし、実感的にはまだ夏だから涼風(夏の季語)というほうが似つかわしい。さあ、どちらにしようか。この時季の俳人は困るのでしょうね。そんな心中をそのまま句にしてしまったというところでしょうか。話は変わりますが、何年か前に、春の選抜高校野球でマスコミが「さわやか甲子園」というのは間違いだと、本気で怒っていた俳人がいました。なぜなら「さわやか」は秋の季語だからというのですが……。どんなものですかねえ。『木蘭』所収。(清水哲男)』(解説より)。「爽やか」が秋の季語だという事を初めて知りました。本当に暑い、異常な程の暑い日々ですが、早朝の空気にわずかですが「秋」を感じるようになりました。今回は、口の外のマスク+口の中のマスク=W(ダブル)マスクについて。

雑誌「プレジデント 」の七月号(6/12発売)に「病気にならない生き方10」との記事を見つけました。6/12発売時点では「新型コロナウイルスの第2波襲来が確実視されている。そこで、生活習慣の改善で免疫力を高める方法を紹介する」とのサブタイトル・・まさに今(8/24)第2波の真っ只中。今からでもできることから是非、では早速10の方法とは・・以下抜粋引用。
1「マスク」手洗いとの併用でインフル最大51%減。ウイルスの感染経路は三つ「空気感染」「接触感染」「飛沫感染」・・通常はこの中の二つ、接触感染と飛沫感染が主流で、この二つを遮断することが重要である。「接触感染」予防に手洗い、「飛沫感染」軽減にマスク。   2「水うがい」水道水で1日3回 風邪の発症率36%減。たとえウイルスが体内に入っても、上気道の粘膜細胞に吸着して感染症状を引き起こさせないことが肝要であるため、うがいはしたほうがいい・・普通の水道水で1日3回のうがいを。   3「緑茶」含まれるカテキンでインフル発症率87%減。緑茶に含まれるカテキンには、急性感染症に対して抗ウイルス作用を示す多くの報告がある。細胞実験では緑茶に含まれるカテキンが、ウイルスの増殖を抑制している。緑茶を生活に取り入れるのは感染のリスク低下になるはずだ。

4「歯磨き」口腔内の清潔保ちインフル発症率90%減。口腔内環境が悪い人は、免疫物質IgA(侵入した病原体を無力化するように働く)が少ない。   5「睡眠」5時間以下だと風邪発症4・5倍に。睡眠時間のみならず「睡眠の質」も関係するが、せめて睡眠時間は5時間を切らないように。   6「飲酒」毎日お酒を飲むと風邪のリスク54%低下。ストレス軽減や血流改善で免疫力を高める側面があるのかもしれない。特に上気道を温めることもいい。しかし、飲みすぎは免疫力を確実に低下させる。

7「日光浴」ビタミンD補給でインフル発症50%減。近年、ビタミンDは「万病に効果アリ」と、みられるようになってきた。しっかり日光を浴びれば、1日で75マイクログラムものビタミンDを作れるといわれています。日光浴のみで推奨濃度の九割に達するという説もある。1日に20分は日の光を浴びたい。   8「血圧安定」生活習慣病を治し免疫細胞を活性化。免疫細胞が効率的に働けるように糖尿病の管理、血圧の安定といった、生活習慣病を放置しないことが感染しても重症化させない大きな鍵になる。   9「体型維持」太りすぎも痩せすぎも重症化・死亡リスク増。その人の生活習慣の”積み重ね”が大きく表れるのが、体形。BMI(ビーエムアイ:体重kg÷身長m÷身長m)が23~27の間が最も死亡リスクが低かった。   10「体内時計」リズムがズレると免疫力60%ダウン。体内時計は体のそれぞれの生理機能が、最も働くべき時刻にピークを迎えるように整えてくれます。このリズムが乱れると病を発症し、免疫力が低下することがわかっている。

以上、十の方法について駆け足でご紹介しましたが、口に関することが二つ「水うがい」「歯磨き」入っています。口腔内(口の中)を清潔に保つことはまさに「口の中のマスク」。歯をきちんと磨き、水うがいの励行で口の中にもマスク。外出時の着用で「ダブルマスク」です。ご自愛の程ご歯愛の程。8390


BBTime 471 エアロゾル

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「歯痛に柚子当てて長征の夜と言いたし」原子公平

先ずは句の解説を・・『夜の「歯痛」は心細い。歯科医に診てもらうためには明日まで待たなければならないし、そのことを思うだけでも、痛みが増してくるようである。とりあえず、手元にあった冷たい「柚子(ゆず)」を頬に当ててみるが、ちょっと眠れそうにないほどの痛みになってきた。とにかく、このまま今夜は我慢するしかないだろう。そんなときに、人は今の自分の辛さよりももっと辛かったであろう人のことを脳裏に描き、「それに比べれば、たいしたことではない」と、自分を説得したがるもののようだ。』(解説より前半)。句では「柚子」ですが、古来(江戸時代)、歯痛の時に人々が神頼みしたのは「梨」でした。先日『WHO「歯科定期検診は先送りを、エアロゾル感染めぐり研究必要」』の記事を目にしました。今回はコロナ禍における歯科受診について。

記事は・・『世界保健機関(WHO)は11日、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が抑制されている地域で歯科医院が再開していることに伴い、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した新型コロナ感染から患者やスタッフを守る必要があるとの見解を示した』。現時点で確たる証拠はないものの・・『WHOは、エアロゾル発生の可能性がある処置についてより多くの研究が必要と指摘。現時点で歯科医院の治療椅子から新型コロナに感染したというデータはないが、エアロゾルに関する研究対象には口内に風や水をかけるスリーウェイシリンジや歯の表面をきれいにする超音波洗浄装置、研磨などが含まれるとした』(記事より)とのこと。

エアロゾルとは『粉塵や煙、ミスト、大気汚染物質などといった空気中に浮遊している粒子のことで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の原因の1つでもあるとされている』(引用元)。確かに歯科では歯の切削時には水で冷却しますし、スリーウエイシリンジ(水・空気・水+空気)を始終使いますので、リスクゼロとは申しません。定期的に来院することで得られるメリットと感染リスクを皆様が判断されるのが良いでしょう。勿論歯科医としては定期来院は必須と考えますので、来院して欲しいと思います。

画像は「戸隠神社:とがくし」。江戸時代、歯科医がいなかった頃は「戸隠様」にお願いしたとのこと。『江戸時代、歯が痛くなると口中医という現代の歯科医院のようなところで、主に抜歯をしてもらっていましたが、一般庶民には治療費が高く、通うことができなかったようです。では、どうしたのか? 所謂、加持祈祷を行ったのです。具体的には、「九頭龍大神を祀っている戸隠神社(長野県長野市)で、歯を患った者が3年間『梨』を絶って参拝すると治る」という言い伝えがあり、信仰したようです。戸隠神社に行くことができない江戸庶民は、梨の実に自分の名前と痛む歯の場所を、例えば「右上の奥から3番目」などと書いてから神社のある戸隠山の方角を向いてお祈りし、その後、梨の実を川へ流したと言われています』(引用元)。落語「佃祭」にもこの話が出てきます。歯医者のいる現代、痛くなったら歯科へ。願わくは痛くなる前に歯医者へ。皆様ご自愛の程ご歯愛の程。6900