BBTime 617 丁寧に安寧に

「丁寧に暮らす日もあり新茶汲む」奥田友子

2023/05/04投稿
先日 5/2は八十八夜、鹿児島は茶所でもあります。句の解説は『目にとめて、すぐにどきりとした。私には「丁寧に暮らす」という意識がほとんどない。大げさではなく、生まれてこのかた、大半の日々を行き当たりばったりに暮らしてきた。貧乏性に近いと思うのだが、常に何かに追いまくられている感じで暮らしており、生活や人生に落ち着きというものがない。友人などには反対に、少なくとも見かけは、何事にも丁寧につきあい、悠然としている奴がいて、どうすればあんなふうに暮らせるのかと、いつも羨しく思ってきた。そんなわけで、句の「暮らす日も」の「も」に若干救われはするけれど、しかしこれは謙遜でもありそうだ。新茶の馥郁たる香りや味を本当に賞味するには、精神的にも身体的にもよほどの強靭さとゆとりがなければ適わない。そういうことなんだろうなあ。きっと、そうなんだ。『彩・円虹例句集』(2008)所載。(清水哲男)』(引用元)。今回は先月4/25に亡くなった、ハリー・ベラフォンテ氏について。おやつ堂テーマソング「Banana Boat」を大ヒットさせた方です。

ご冥福をお祈りいたします・・合掌。記事には『世界的シンガー、俳優、活動家として知られるハリー・ベラフォンテ(Harry Belafonte)が2023年4月25日、NYマンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドの自宅で96歳で逝去した。彼の長年のスポークスマンであるケン・サンシャインは、彼の死因について、うっ血性心不全だったと伝えている』(出典元)。

『ニューヨーク・タイムズ紙はハリー・ベラフォンテについて、「1950年代、人種差別が蔓延っていた時代に、彼がショービジネス界の上流階級に上り詰めたことは歴史的なことだった。一方で、彼が最も重視していたのは公民権であった」と記しており、彼の功績について、Varietyは、「彼の音楽がアメリカにカリプソ・ブームを巻き起こし、アフリカ系アメリカ人のパフォーマーに新しい道を切り開いた」と称えている。
レコーディング・アーティスト、俳優のみならず、人道主義者としても比類なき功績を残したハリー・ベラフォンテは、アメリカの公民権運動における先導者の一人として率直な意見を述べ、マーティン・ルーサー・キング牧師に腹心の友とみなされた人物である』(出典元)。

『1927年3月1日、ニューヨークのハーレムで、ジャマイカ出身の両親のもとに生まれたハリー・ベラフォンテは、祖母の1人と幼少期を過ごすためにジャマイカに移り住み、その後ニューヨークに戻った。1940年代、演劇への情熱を燃やしていた彼は、クラブで歌手として働きながら稼いだバイト代で、マーロン・ブランド、トニー・カーティス、ウォルター・マッソーらが在籍していたニュースクール・オブ・ソーシャル・リサーチのワークショップに通い演技を学んだ。
1949年、ルースト・レコードからポップ・シンガーとしてデビューし、音楽キャリアをスタートさせた彼は、その後、RCAビクターと契約し、1952年にリリースした 「Scarlet Ribbons (For Her Hair)」で自身初のチャート入りを果たす』(出典元)。

『1954年にRCAからリリースされたデビュー・アルバム『Mark Twain’ and Other Favorites』にも彼の音楽的進化は投影されており、その後も「Jamaica Farewell」、「Mary’s Boy Child」といったシングルで全米TOP20入りを果たした彼は、1956年にリリースした3作目のスタジオ・アルバム『Calypso』からのシングル「Day-O (The Banana Boat Song)」で全米チャート5位を記録するなどキャリア最大の成功を収める』(出典元)。

『また彼は、50年代から60年代にかけて、音楽活動と俳優業の傍ら、公民権運動に熱心にも取り組んでいた。反共産主義に基づく社会運動“マッカーシズム”時代にブラックリストに載った彼は、1963年にはアラバマ州バーミングハムでキング牧師を刑務所から救済し、同年のワシントン大行進でも重要な役割を担った。また、後にHIV/AIDS撲滅のスポークスマンとしても多大な貢献を果たしている』(出典元)。

『1985年、ハリー・ベラフォンテがアフリカの飢饉救済のための資金を集めるために構想したチャリティ・ソング「We Are The World」は全世界で数百万枚の売り上げ、グラミー賞に輝いた。「USAフォー・アフリカ」とクレジットされたこのシングルには、彼自身もコーラスで参加している』(出典元)。

『同じく2011年のmsn.comのインタビューの中で、ベラフォンテはこう明言していた。
「人生のエンジンにおいて、最も重要な駆動力は希望というピストンです。とりわけ、あなたに与えられた機会が限られている場合、信念と希望を持たなければなりません。私は常に、自分が存在している現在の時間と、自分をもたらした過去の時間を比較しています。人類の歴史において、奴隷制度の時代ほど暗い瞬間ないように思えますが、私たちはそれを生き抜いてきたのではないでしょうか?私はフレデリック・ダグラス(19世紀の社会改革主義者)や、歴史に記録されたさまざまな紛争に希望を見出した人々の言葉を頼りに、どこに進むべきかを感じ取っているのです」』(出典元)。

「希望というピストン」・・力強い言葉です。茶化すつもりはありません、御言葉を引用させて頂きます。「予防というピストン」・・ハリー氏は歌や演技で安寧(世の中が静かで事件が起こらないこと)を願い行動されました。予防というピストン・・しっかり丁寧に噛むこと・丁寧に磨くことが口の健康維持につながります。口の健康は心身の健康につながります。丁寧に噛むことはこちらを、丁寧に磨くことはここを、ご参照ください。では皆様、御自愛のほど御歯愛のほど。


BBTime 615 明日は我が身?

「行く春やみんな知らない人ばかり」辻貨物船

2023/04/22 Earth Day 投稿
本日4/22 は拙ブログ「connote:カノート」誕生日、今年24歳です(1999/04/22開始)。句の解説は『季節の春はもとより、人間の春も短い。詩人は「行く春」の季節のなかで、みずからの青春を追想しているように思える。林芙美子は「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」と、みずからの青春を「花」に擬したが、これは女性に特有の感覚だろう。女性に特有の感覚だからこそ、男に愛唱される一行となった。男の感覚には、存外まわりくどいところがある。ぴしゃりと「花」に行き着くことなどは、めったにない。根っこのところで、いつも行き暮れている。茫洋とし、かつ茫然としている。常識では、この様子を「シャイ」と言ったりするわけだが、正体を割ってみれば、行き暮れているだけのこと。ときに男が「蛮勇」を振るうのも、そのせいである。男の詩人にとっての詩は、いわば「蛮勇」の振るい場所なのだ。辻の最後の詩集のタイトルは『萌えいずる若葉に対峙して』と名づけられており、明確に「蛮勇」が露出している。ひるがえって、彼が真剣に俳句と遊んだ理由は、そこが必ずしも「蛮勇」を要求しない場所だったからだ。行き暮れたまま、そのままに内心を吐露することができたからだと思う。句の「知らない人」とは、もちろんアカの他人も含んでいるが、男の感覚にとって重要なのは、このなかには親も兄弟も、連れ合いも子供も、友人知己もが「みんな」含まれているところだ。「蛮勇」を振るわなくとも、俳句ではそういうことを「行き暮れ」たままに言うことができる。今年の春も、もう行ってしまう。『貨物船句集』(2000・井川博年編・私家版)所収。(清水哲男)』(引用元)。今回は、前回取り上げた「認知症」に関連したお話。

色々な施設へ訪問診療に行きます。移動の途中で考えます・・認知症にならないためには何をすべきか?前回ご紹介したポスターには『「もう、災害のひとつだと思って受け入れています」 ある人は、認知症をそう語りました。 予防策もない。根本的な治療策もない。 発症したら向き合っていくしかない。 すべての人にとって、出口のない不安の闇。 それが、いまの認知症かもしれません。』(引用元)。揚げ足を取るつもりはありませんが、「発症したら向き合っていくしかない」のであれば、発症しないようにするか、発症をできるだけ遅くするかでしょう。医療に携わる者として、移動中の車内で考えます。

ネット検索で見つけました(後半は広告ですが)。「認知症を引き寄せる危険な三つの生活習慣とは」のタイトル記事。その三つの危険な習慣の第一がなんと「歯の手入れをあまりしない」です。「常に体の中で炎症が起きていたり、脳の成長に欠かせない栄養が足りなかったり、日常的に毒となるものを摂取していたりする人は、どんどん脳がアミロイドβを作ってしまって、やがて認知症を発症してしまう可能性が高い、ということです。」(引用元)。

再度おさらいします。
1)口腔内プラークが常に多いと歯周病が悪化。
2)歯周病菌が血液によって脳内に運ばれます。
3)歯周病菌を攻撃するために脳内にアミロイドβが現れ蓄積します。
4)アミロイドβプラークがアルツハイマー病発症に繋がります。
詳しくは「BBtime 603 プラーク三種」に書いておりますので是非。

具体的にすることは「ハミガキを今まで以上にする」「高価なハミガキ剤を使う」・・ではありません。ご自分では、どんなに頑張っても日々100%磨くのは不可能です。最も簡単で最も効果的な方法は「歯は磨いても、もらうもの」の実践です。かかりつけ歯科のある方は「月に一度磨いてください」と希望してください。担当者が「三ヶ月に一度でいいですよ」「半年に一回で十分です」のようなことを言っても「月に一度」を申し出てみてください。それでも「今のままで十分です(不要です)」と言われたら、躊躇せず歯科医院を変えましょう。認知症回避のひとつの方法は「慢性炎症軽減」。口の中の炎症は、他の部位に比べて確実に減らすことができます。決して認知症は「明日は我が身」ではないのです。ではでは皆様、今日もおやつ堂ですか、ご歯愛のほど。

BBTime 614 チーズの力

「春愁の中なる思ひ出し笑ひ」能村登四郎

2023/04/17投稿
春愁:しゅんしゅうとは春のものうい思い。花が散り、世の中が不穏、朝晩は肌寒い・・物憂いです。句の解説『春愁とは風流味もある季語だが、なかなかに厄介な感覚にも通じている。その厄介さかげんを詩的に一言で表せば、こういうことになるのだろうか。手元の角川版歳時記によれば、春愁とは「春のそこはかとない哀愁、ものうい気分をいう。春は人の心が華やかに浮き立つが、反面ふっと悲しみに襲われることがある」。国語辞典でも同じような定義づけがなされているけれど、いったい「春愁」の正体は何なのだろうか』(一部抜粋)。美味なるもので春愁を払うべく今回はチーズの力について。

朝日新聞4/14の広告で認知症に関するものです。「予防策もない。根本的な治療策もない。発症したら向き合っていくしかない」とあります。確かにそうかも知れませんが、この広告の中に「たどり着いた可能性が「音」でした」とあるように、いくつかの可能性が近年明らかになって来ています。認知症予防策につながる可能性のあるひとつに歯周病のコントロール、言い換えれば口腔内の炎症のコントロールがあります。

「音」すなわち耳は般若心経に出てきます。「無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法」(詳しくはこちら)。耳つまり「音」のあとに舌つまり「味」が出てきます。歯周病予防と味は少し視点は異なりますが、同じ口腔(こうくう、口)です。「音」と同様に味覚、もしくは口の健康も可能性のひとつに違いありません。

口の健康を保つ第一歩は言うまでもなく「ムシ歯予防」。そこでチーズの力を使いませんか?チーズの力・ムシ歯予防力には、WHOがキシリトールよりチーズに軍配を上げています。「チーズは、再石灰化を促す働きがあります。チーズを噛むとその刺激で唾液成分が倍増し、カルシウムイオンやリン酸イオンによる修復が進みます。また、唾液には食事で酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝能があり、虫歯を起こしにくくします。そしてこの緩衝能は、チーズにも備わっています」(引用元)。加えて独特の匂いが、唾液の分泌を促すこともムシ歯予防につながるようです。

チーズの力で、ムシ歯予防ひいては歯周病予防、しかも笑顔に。おやつ堂のチーズは神楽坂「アルパージュ」から取り寄せています。ムシ歯予防はなんとなく分かったけど「笑顔」の根拠は?・・はいこちら「ハニ!チーズ」をお読みください。また認知症と歯周病の関係は「プラーク三種」「老のもと」「炎症はなし」に書いておりますので、こちらも是非。では皆様、今日もおやつ堂ですか?ご歯愛の程。

BBTime 613 カフェの力

「散る桜 残る桜も 散る桜」良寛

2023/04/13投稿
今年の花見はいかがでしたか?久しぶりに鹿児島市もここかしこで宴を目にしました。さて掲句、良寛さんの辞世の句とも言われています。『桜は散る。命は散る。必ず散りゆくこの命とは何なのか。人がその人生において本当に考え抜くべき問いを残してこの世を去った良寛の辞世の句に、潔さと美しさを感じるのは、私だけではないはず』(引用元はこちら)。詳しくはこちらをお読みください、深い内容が書いてあります。昨日(4/13)は喫茶店の日でした。引用文にあるように「考え抜くべき」に注目しての喫茶店の力、カフェの力について(カフェのカではなくチカラです)。

4/13は喫茶店の日:その由来は遡ること135年前・・『1888年(明治21年)のこの日、東京・上野(下谷上野西黒門町)に日本初の本格的なコーヒー喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」が開店した。・・1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建ての洋館で、1階ではビリヤードの他、トランプや囲碁、将棋などをすることができた。珈琲(コーヒー)は、明治の文明開化に花を添えるハイカラな飲み物として、特権階級の人々の間で人気があった。・・「可否茶館」での値段は、もりそば1杯1銭の時代にコーヒーが1銭5厘、牛乳入りコーヒーが2銭だった。また、席料が1銭5厘もした。値段が高すぎたこともあり「可否茶館」は、3年もたずに閉店してしまった』(引用元)。

さて世界に目をやると、1888年からさらに遡ること334年、1554年にイスタンブールでカフェは生まれたようです。その後、1652年にロンドンでコーヒーハウスが開店、1684年にパリにカフェがオープンしました。しかも現在よりも社会的価値が深かったようです。コーヒーハウスでは『コーヒーハウスが果たした役割の中でも特に大きなものが、ジャーナリズムの誕生です。この頃から多く誕生していた新聞や雑誌などが、コーヒーハウスに行けば無料で読むことができました。反対に、ジャーナリストはコーヒーハウスに出向いて情報を収集することも多かったようで、コーヒーハウスはまさに最新の情報が行き交う場所だったのです』(引用元)。カフェでは『ただ単にコーヒーを飲むだけではなく、チェスやトランプなどの遊戯を楽しんだりする場や人と出会い、語り、議論する場ともなりました。他にも、音楽や道化芝居などの見せ物を見せるカフェも登場し、豪華なカフェもあれば、安い居酒屋のようなカフェもありました』(引用元)。おそらく客同士「人がその人生において本当に考え抜くべき問い」についても喧々囂々(けんけんごうごう)の議論を戦わせたのでしょう。

画像にあるように4/9付の「ほぼ日」今日のダーリンです。続きます・・

さらに続きます。

「今日のダーリン」からは少々逸れるかも知れせんが、「むずかしいことをやさしく」する力がカフェにはあると思います。セミナーやミーティングにおいて必ずコーヒーブレイクがあります。困難と思われることにおけるブレイク(解決法)のひとつがカフェであると確信します。

天皇誕生日(2/23)に誕生して二ヶ月弱が経とうとしています。ムシ歯予防カフェが、人々の日常生活と歯科診療所の間に立っていると痛感します。今まで「後手後手医療から先手先手予防へ」と言いながらもリアルな行動は診療所内に居て患者さんを待っているだけで「守株待兎:しゅしゅたいと:待ちぼうけ」でした。日常生活への寄り添いは不足していました。

メニューもほぼ揃いました!「ソンナバナナジュース コーヒーとドーナツ ワインとチーズ 抹茶と和菓子 予防に歯磨き 等々」。営業日などはインスタグラムにアップしております。皆様おやつどうですか、ご歯愛のほど。ではでは、ではまた


BBTime 611 加糖菓子

「山笑ふみづうみ笑ひ返しけり」大串 章

2023/04/01投稿
樫舎(かしや・奈良市)の薯蕷饅頭です。まず句の解説から『春爛漫の風景句。たしかキャンディーズに「ほほえみ返し」という歌があったが、これはまたスケールの大きい「ほほえみ返し」だ。トリビアルで巧緻な仕組みの句もよいけれど、このように風景を大づかみにした作品も面白い。なによりも、読者としてはホッとさせられるところが心地よい。何事につけセコセコした世の中で、スケールの大きい句をつくることは非常に難しいと思うが、大串章はそれをいとも簡単な感じで作品化している。無技巧と見えるが、やはり長年技巧の波をかぶってきた作者ならではの境地の表出だろう。素人には、つくれそうでつくれない。プロの腕前と言うべきか。ちなみに「山笑ふ」は「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し」(臥遊録)から、春の季題となった。『百鳥』(1991)所収。(清水哲男)』(引用元)。前回の「無糖飲料」の次は「加糖菓子がムシ歯予防につながる」というコジツケ理論です(微笑)。

樫舎のきんとん「春霞」。樫舎のご主人はおっしゃいます、「和菓子屋(菓子職人)は素材の味を引き出すだけで、材料に「加水」「加熱」「加糖」するだけ」とのこと。おやつ堂の話をしたところ怪訝そうな顔で「お菓子はムシ歯の原因でしょう?和菓子とムシ歯予防とは相反するのでは?」。和菓子屋さんのみならず、洋菓子屋さんやパン屋さんも同じ反応です。確かに砂糖はムシ歯の原因です。しかし、今の食生活から砂糖をゼロにすることは不可能です。もっと言うなら「歯は、ムシ歯にしないためにあるのではなく、味わうためにあるのです」。大袈裟かも知れませんが「美味しい」は喜びの半分以上を占めるのではないでしょうか。

哲心(てっしん・宮崎市)のフィナンシェ。ひと口目で上品さを感じ、ふた口目で質の良さを感じ、食べ終えた後は舌が余韻を楽しんでいます。添えてある紙に「なんでもない日を口福に」とあります。これなんです!口福を感じた時に「歯や口が有るから美味しいんだ」と思って欲しいのです。

美味しい菓子を食べる→口福を感じる→歯や口の健康に感謝する→予防に思いを馳せる→予防の実践。風が吹けば桶屋が・・のような理論展開ですが、これこそ真理ではないかと思います。

丸一(とんかつ・鹿児島市)店内に掲げてあります。和菓子でもとんかつでも蕎麦でも洋菓子でも「美味しい!」と舌鼓を打った時に、ほんの少しでいいですから歯や口に感謝して頂き、予防に思いを馳せてくださると嬉しく思います。ではでは皆様、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

https://youtu.be/uvBatbOfuHU

BBTime 607 食べられる喜び

「綿菓子を食べんと口を春風に」京極杞陽

2023/03/10投稿 3/16追加
ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」の看板案です。句の解説は『解釈に迷う句である。「綿菓子を食べようとして、口を春風に向けてあけた「綿菓子を食べようとしたら、口が春風そのものになってしまった」など、鑑賞の仕方はいくらでも考え得る。いずれにしても、作者が春の喜びを謳歌しているのは間違いない。綿菓子は不思議な食べ物。実際に食べてみて、本当に美味しいと思う人は少ないだろう。ただ、あの雲のようなたたずまいは、抗いがたい魅力に満ちている。夢のある菓子である』(「食の一句」櫂 未知子著 43頁より)。おやつ堂は天皇誕生日(2/23)に誕生しました。約二週間経っての感想など・・。

現在のメニューはメインのそんなバナナジュース、コーヒー(coffee countyの豆、ミルク砂糖なし)、抹茶で、いずれワインも。ちなみに飲み物は全て砂糖ゼロ!飲み物を出しながらお話しするうちに、結構歯科の話題になります。大なり小なり悩み事や質問をお持ちで、内心かかりつけの歯科で聞かれればいいのにと思いますが「聞きづらい」が本心のようです。確かに我が身(歯科医)振り返れば、患者さんは口を開けていて話せないし、歯科医は忙しそうにしているし・・。改めて思いました「ムシ歯予防カフェ」は正解だと!カフェ空間だと話しやすいし、本音を言えるようです。

そこで新メニュー、歯科相談!もちろんゼロ円。かと言って「歯科相談」しか注文されても・・。その昔、マクドナルドの「スマイル 0円」が話題になりました。

さて先日のこと。義歯でお困りだった方、数回、義歯を調整するうちにほぼ何でも食べられるようになられて、小生安堵。ならばと、紀の川漬(きのかわづけ)をご紹介したところ、早速ネットで取り寄せて食べられたとのこと。話されるお顔がまさに「最高の“おいしい”笑顔」でした。改めて歯科治療のゴールは「美味しい笑顔」であると思いました。予防に軸足を移せば治療は不要になります。繰り返しますが「後手後手医療から先手先手予防へ」。皆様、ご歯愛の程。今日もおやつどう?

弥生三月です、やはりこの曲でしょう「三月の雨(水)」

追加3/16:朝日新聞「折々のことば」から。その方が「美味しい」を感じた時がひと区切りだと考えます。次の文章をご紹介します。

BBTime 603 プラーク三種

「木瓜咲くや漱石拙を守るべく」夏目漱石

2023/1/27投稿 1/29追加
画像は木瓜(ボケ)。名の由来は『果実が瓜に似ており、木になる瓜で「木瓜(もけ)」とよばれたものが「ぼけ」に転訛(てんか)したとも、「木瓜(ぼっくわ)」から「ぼけ」に転訛したとも言われる。『本草和名』(918年)には、果実の漢名を木瓜(もくか)、和名を毛介(もけ)として登場する』Wikipediaより。句の解説には『花そのものではなく、木瓜(ぼけ)という語感に着目した句だ。「拙を守る」とはへんてこな意志と思われるかもしれないが、漱石のような才気横溢した人にとっては、おのが才気のままに流れていくことは、たぶん怖いことだったのだろう。才気には、知らず知らずのうちに現実から遊離してしまうという落し穴がある。小説家にしてみれば、この穴がいちばん恐ろしい。だから、どうしても「拙を守る」強固な意志を持ちつづける必要があった。「世間には拙を守るという人がある。この人が来世生れ変るときっと木瓜になる。余も木瓜になりたい」(『草枕』)。そして漱石ならずとも、現代人の多くはいま木瓜になるべきときかもしれない。シャープという名の小賢しさが一掃されたら、どんなに気持ちがよいことか。私が俳句を好むのも、俳人には「拙を守る」人がたくさんいるからである。とは、それこそまことに小賢しい言い方かもしれないが……。『漱石俳句集』(岩波文庫)所収。(清水哲男)』(解説より)。わかるようなわからないような解説ですが、今回はプラークと認知症について。

これがボケの実、確かに瓜に似てます。歯科でプラークと言えば「歯の表面の白っぽい汚れ・付着物」のことです。『プラークは歯垢やバイオフィルムとも呼ばれています。プラーク=食べカスだと思われる方も多いのですが、プラークと食べカスは全くの別物です。プラークは、歯の表面に、お口の中にいる菌が付着し増殖した物、つまり細菌の塊です。キッチンの三角コーナーや排水溝についたヌルヌルとしたぬめりをイメージしてもらうとよいでしょう。この中に、むし歯菌や歯周病菌など様々な菌が生息しているのです』(引用元)。ご存じでしょうか?このプラークは歯磨き粉(ペースト)の力では落ちません。歯ブラシによる物理的除去のみで取り除くことができます・・これが歯科のプラーク。

拙ブログ「BBTime 301 シセキ巡り」に登場するのが、銘板(めいばん)の意味のプラークです。『画像は「The Pioneer Plaque:パイオニアプラーク」と呼ばれる銘板で「この金属板は1972年1973年に打ち上げられた宇宙探査機パイオニア10号11号に取り付けられた銘板で、人類からのメッセージを絵で記したものである」(ウイキペディアより)。プラークとは「銘板」のことでもあります。夏目漱石関連のプラークもロンドンにあります。銘板:めいばん=小型の平板に銘柄(仕様)を表示したものである。銘柄を表記する板、またはプレート、コーションラベルのこと。』・・プラーク二つ目。

順序が逆になりましたが、これが「パイオニアプラーク」詳しくはこちらを。先日、記事の中に三つ目のプラークを見つけました。「この病気の特徴は脳にタンパク質のプラークが現れることだ」・・この病気とはアルツハイマー病です。記事『「認知症になりたくなければデンタルフロスを習慣にしたほうがいい」北欧の分子生物学者がそう説くワケ』に詳しく書かれています。

『この病気の特徴は脳にタンパク質のプラークが現れることだ。このプラークはアミロイドβと呼ばれるペプチド(鎖状につながったアミノ酸)が凝集し、小さな塊になったものだ。この塊ができる理由はわからないが、これが脳内で炎症を引き起こし、やがて脳細胞を死滅させる』(引用元)。
『微生物の培養液にアミロイドβを入れると微生物が死ぬことを科学者たちは発見した。アミロイドβは微生物の周りに凝集し、無力化して息の根をとめるのだ。さらには、念のため、厳重に保存する。このみごとなメカニズムが起きるのは実験室で培養した微生物に対してだけではない。・・・マウスの脳に細菌を注入するとアミロイドβはさっそく活性化し、細菌の周りに集まって塊を作る。そのため、アミロイドβを持つマウスは細菌を注入されても生き残りやすいが、アミロイドβを持たないマウスは細菌によって死ぬ。さらに、アルツハイマー病の遺伝子研究から、この病気の発生に免疫システムが何らかの役割を果たしていることがわかっている』(引用元)。

『アルツハイマー病に微生物が関与しているという決定的な証拠があるのだ。残された謎は、その微生物の正体だ。・・・台湾で行われたある研究が、最も疑わしい容疑者を突き止めた。この研究者たちは、ヘルペスウイルスの感染者が抗ヘルペス薬を服用しなければ、非感染者の2.5倍もアルツハイマー病になりやすいことを発見した。抗ヘルペス薬はヘルペスウイルスを抑制し、興味深いことに、アルツハイマー病になるリスクも正常レベルに戻す。また、アルツハイマー病で亡くなった患者の脳組織にはヘルペスウイルスの痕跡が大量に見られるが、対照群の脳には見られない。これを複数の研究グループが確認したことはヘルペスウイルス説を補強する』(引用元)。
『2番目の容疑者になる細菌は通常、口中に棲んでいるポルフィロモナス・ジンジバリス(P・ジンジバリス)だ。P・ジンジバリスもアルツハイマー病で亡くなった患者の脳組織で見つかっている。この細菌は歯周炎と呼ばれる口の中の深刻な炎症を引き起こすことがある。そして歯周炎はアルツハイマー病(と心血管疾患)のリスクの高さと関連がある。・・・実際、60代の高齢者、8000人を対象として歯科検診を行った研究では、歯周病になっている人は20年後に認知症になるリスクが高いことがわかった。因果関係があるかどうかはともかく、デンタルフロスは有益だ』(引用元)。

簡単におさらいすると
1)口腔内にプラークが常に多いと歯周病が悪化します。
2)歯周病菌が血液によって脳内に運ばれます。
3)歯周病菌を攻撃するために脳内にアミロイドβが現れ蓄積します。
4)アミロイドβプラークがアルツハイマー病発症に繋がります。
日々の臨床で、時に「歯石取りは必要ない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。無理強いはしませんが、一言「認知症のリスクが高まりますよ」とは伝えます。歯を磨けばリスクを減らせるのか?・・そうです。そうですが、ご自分で完璧に磨くことは至難の業。繰り返し言います「歯は、磨いてももらうもの」。歯磨きとカフェのコラボ、ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」が来月下旬、鹿児島市荒田1丁目にオープンします。詳しくは「おやつ堂」インスタグラムをご参照ください(おやつ堂:oyatsu.do)、近づきましたら情報をアップします。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。今回は、先日亡くなられた二人のミュージシャンへの哀悼の意を表して。

追加:この記事は、コペンハーゲン大学(デンマーク)在籍の研究者が書いた「寿命ハック」をもとにしています。デンタルフロスだけがクローズアップされていますが、歯ブラシによるブラッシングはほぼOKで、加えてフロスであると理解してください。日本人の方が口の中の汚れは多いです、恐らく。「デンタルフロスを習慣にしたほうがいい」を日本人向けに翻訳するならば「こまめに歯科に通ってプロにキレイにしてもらった方がいい」となるでしょう。最後にしつこく(笑)「歯は磨いても、もらうもの」!

BBTime 602 おかシあわせ

「うすらひをゆつくり跨ぎ和菓子店」丹沢亜郎

2023/01/17投稿・1995年1/17阪神・淡路大震災
画像は京都和菓子店「永楽屋」の琥珀(こはく)。句の解説には『和菓子店の前の道に薄氷(うすらひ)がはっている。それをゆっくりと跨いで店に入る。この句の命は「ゆつくり」にある。「ゆつくり」が和菓子店の存在を際立たせている。不思議なもので、洋菓子店には急ぎ足で入っても違和感を感じないが、和菓子店には「ゆつくり」入りたいと思う。句のように薄氷がはっていれば、ばりりと踏んづけたりもしないのである。和菓子独特のつつましやかな雰囲気が、こちらの心に伝染するからだろうか。つつましい人に会うと、こちらまでそんな気分になるように……。三鷹や武蔵野には、けっこう和菓子店が多い。通りすがりにのぞくと、赤や黄の色彩が目立ちはじめた。春である。』(解説より)。この句は2/5(1998年)のアップですので、節分過ぎて「春である」です、悪しからず。前回「おいシあわせ」に悪ノリして「おかし:お菓子・可笑し」+幸せ=おかシあわせのお話。

記事を見つけました。タイトル『「実は顧客サービス」福島第一原発のコンビニがタバコの個数をわざと間違えるワケ』(記事はこちら)。まずは、甘いものが人を幸せにするというくだり・・『作業員に人気の「大きなツインシュー」が棚に山盛りになっている光景はこの店の名物だが、他にも缶コーヒーやカップラーメンの種類の多さは全国でも群を抜いているだろう。』・・『「最近、ちょっと変化が感じられるのは、『大きなツインシュー』などのスイーツ系の商品が、以前ほどには飛ぶように売れなくなってきたことです。“昔”はとにかく甘いものを食べられるだけで嬉しい、という感じだったのですが、最近は控え目。かわりに『ちょっと太ってきちゃってさ』なんて言いながら、生野菜や豆乳を購入する方が増えてきたんです。現場が当時ほど過酷ではなくなったり、各企業が健康診断を奨励したりしていることもあって、作業員の人たちに健康を気にする余裕が出てきたような気がしますね」』(引用元)。辛い時、疲れている時、過酷な状況の時、人は甘いもので癒されます。

もうひとつ、人を癒すのが「可笑し」。記事に『「当時の原発の構内は、今よりもずっと雰囲気が悪かったんです。すごくぴりぴりしていて、ぶすっと不機嫌で疲れているお客様も多かった。休憩所でもみんな疲れ切っていて、最初はとても暗い感じだなと思いましたね。何度も怒られ、文句を言われつつ、なんとか前を向いて走ってきたんです」』・・『「強面でちょっと怖そうなお客様が来たら、よし、この人をちょっとだけ笑わせよう、っていつも思っていました」』・・『それならいっそ『喜ばせようぜ』『楽しくやろうぜ』って五人のスタッフにはいつも言ってきました』・・『「やっぱり食べ物の恨みは怖いものですから」』(引用元)。

やはり「お菓子・可笑し」は、人を幸せにします。・・というわけでムシ歯予防カフェ「おやつ堂」を考えました。来月如月、開店します。場所は鹿児島市荒田1丁目。ズバリ砂糖ゼロの「そんなバナナジュース」と「美味しいスイーツ」でムシ歯予防をアシストします!えっそんなバナナ、そんなことができるの?・・できます!(続報を待たれよ)。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。ご紹介曲は薬よりクスリ(笑)、聴きながらオヤツどお、歯磨きどう!

おやつのオマケ:なぜ「琥珀」なのか?食べてみたらわかります。薄氷をお菓子にしたら「琥珀」です。是非お試しを!

BBTime 597 寿命延長

「流れ行く大根の葉の早さかな」高浜虚子

2022/12/13投稿 12/17追加
桜島大根です。気がつけば師走もなかば、今年も残り二週間強となりました。この時期になると読み返す句です。解説には『これぞ、俳句。中学校の教室で、そう習った。習ったとき、我が家は生活用水として近所の小川を使っていたので、実感として理解はできた。が、一方ではあまりにも当たり前すぎて、句のよさはわからなかった。よさは、流れていく大根の葉だけを詠むことで、周辺の情景を彷彿させるところだろう。昭和三年(1928)の九品仏吟行で得た句というが、このような情景はどこかの地に特有なものではなく、全国的に普通に見られた。すなわち、往時の多くの日本人には、思い当たる情景だった。どのような表現でもそうだけれど、とくに短い俳句では、このように普遍性の高い生活環境や生活条件に下駄をあずけざるをえないところがある。言外の意味を、普遍性ないしは常識性に依存するのだ。そんなことを考えると、俳句の寿命は短い。世の中が変わると、昔の句は滅びてしまう。でも、私はそれでよしと思う。永遠の名作を望むよりも、束の間の命を盛んに燃やしたほうが、潔くてよろしい。おそらく、現代の若者には、この句の味は本当にはわかるまい。あまりにも、日常とは遠い世界の「大根の葉」であり、その「流れ行く早さ」であるからだ。あまりにも、当たり前の事象ではないからだ。まだ教科書に載っているかどうかは知らないが、載っていたとしても、教師には教えようがないだろう。俳句は、読み捨て。教えるとすれば、そういうことしかない。揚句に共感できる人も、みな同じ思いだろう。くどいようだが、それでよいのである。この句は、もはや「これぞ、俳句」のサンプルではなくなりかけてきたということ。(清水哲男)』(解説より)。解説に「俳句の寿命は短い」とあります。今回は寿命についてのお話。

先日(12/11)の朝日新聞「折々のことば」より。言い得て妙。英単語「deadline:デッドライン」は期限、〆切ですが、まさに寿命はデッド(死んだ、切れた)ライン。期限が決まっているのであれば、無駄を減らせば有効な時間(健康寿命)は結果的に伸びます。何が無駄であるかは人それぞれですが・・。

浪人は無駄ではないと思いますが、万人にとっての無駄は治療に要する時間です。病気にならなければ治療時間はゼロ。治療時間ゼロに必要なことは言わずもがな「予防」であり、病気の中でほぼ完全に予防できる病気が「ムシ歯」です。寿命の延長、歯の命を伸ばすためには歯磨き。ただし、ご自分のセルフケアだけでは足りません、合わせてプロケアも受けてください。少しでも歯の寿命延長の助けになればと、小生のセルフケアグッズをご紹介します。

まず電動歯ブラシ。ブラウンのiOシリーズ、価格は四万円前後。以前の電動歯ブラシに比べて確かに汚れは落ちるとは思いますが、CMほどの差は感じません。振動で歯磨き時間を教えてくれるのは良いかも。以前からの1万円前後でも悪くはないでしょう。

手動ブラシは「curaprox:クラプロックス」がイチオシ。行きつけの歯科医院の衛生士さんが教えてくれました。使用してみて、1)色がカラフル:色使い、カラーコーディネートが秀逸。このため歯ブラシの存在感が大きく、ブラシが「歯を磨こうよ」と言わんばかり!2)カラーバリエーションが豊富:好きな色を選ぶことで「私の歯ブラシ」という意識を強く持てる。2本使い、3本使いが可能(洗面、寝室、デスクなど)。3)ブラシ部分:見た目は日本人サイズには大きく感じるが、使ってみると歯を包み込むような磨きを実感でき、汚れが落ちる感覚あり、大きさは問題なし。4)ハンドル:八角形のハンドルがペングリップ(鉛筆握り)、パームグリップ(グゥ握り)の両方に心地良い。5)ネック:ハンドルからブラシ部への角度のために、平面に置いてもブラシ部が宙に浮き安心。6)SWISS MADE:今時珍しいスイス製。使用せずとも見ただけで信頼できる・・というのが小生の感想です。

これはウエルテックの「コンクールF」。マウスウオッシュですが、歯磨き直前に数滴口に入れ、舌で口全体(歯全体)に行き渡らせます。もしくは歯ブラシに数滴垂らします。手動でも電動歯ブラシでも同様に。歯磨き終了時はうがいせずに吐き出すだけ。歯茎から出血する方には特に勧めます。数日で出血が無くなること請け合い、これイチオシ!

液体よりもペーストがお好みの方にはコレ「ライオンのSP-T」1本1,300円位です。これもコンクールF同様、最後はうがいせずに吐き出すだけがよろしいかと。

歯間ブラシはGC(ジーシー)のルシェロが使いやすいです。先(ブラシ部)のみ交換可能で、角度やハンドルの形もなかなかよろし。

デンタルフロス(糸ようじ)はこれ、ライオンのウルトラフロス。これ1本、いつもポケットに入れてます。

最後に、プロケアもお忘れなく。是非、かかりつけ行きつけの歯科医院を持ってください。限られた人生の中の健康寿命を伸ばすために、口の大掃除もお忘れなく。老婆心ながら言い添えます。歯は人生を味わうためのもの。ヒトも生き物、人生におけるイロハとは「イ=胃、ロ=くち、ハ=歯」なり。皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

追加:歯の着色が気になったら・・週に一回程度の使用で充分かと。「MASHIRO:マシロ」が良さげです。かと言って、大根のような白を求めるのはいかがなものかなと思いますがね。ではでは

BBTime 596 老のもと

「旅に病んで夢は枯野をかけめぐる」松尾芭蕉

2022/11/30投稿
 明日から師走、今年も残すところあとひと月。句の解説はこちらをどうぞ。前回「炎症はなし」で慢性炎症について触れました、詳しい記事を見つけましたので御紹介します。記事タイトル「ヒトはできるだけ身体を動かさないように進化してきたが、適度な運動は寿命を延ばし、生活の質を上げる」。出典はこちら

記事後半の「慢性的な軽度の炎症は、着実かつこっそりと、動脈、筋肉、肝臓、脳などの組織を蝕んでいく」を一部ピックアップします。

 運動せずに座ってばかりいると、なぜ健康を害するのだろうか。もちろんさまざまな理由があるだろうが、近年注目されているのが「慢性炎症」だ。

 人類学者のハーマン・ポンツァーがハッザ族の一日のエネルギー消費量を測定したところ、奇妙なことに、活動的なハッザ族の一日あたりの総カロリー消費量は、同じ除脂肪体重のカウチポテトのアメリカ人とほとんど変わらなかった。それ以外のデータでも、活動的なひとの一日のカロリー消費量が、同じ体重の座りがちなひとよりもわずかに多いだけだということが確認されている。人体は、エネルギーを浪費せずに効率的に歩けるように進化したのだ。

 ここからポンツァーは、「人体の総エネルギー予算は制約されている」という理論を唱えた。いまだ議論の途上にあるが、この「代謝性代償」によれば、歩くことに500キロカロリーを使うのなら、その運動量を賄うために、安静時の代謝に使われるエネルギーが減らされる。逆に歩く必要がなくなれば、そのために使うはずだった500キロカロリーは安静時の代謝に回されることになる。この余分なエネルギーが、さまざまな経路で慢性的な炎症を引き起こしているかもしれない。

「炎症」は有害な病原体や損傷した組織などを感知したときに免疫系が最初にとる反応で、免疫細胞が化合物を大量に放出して血管を拡張し、侵入者を破壊しようとして駆けつけた白血球を通過しやすくする。血流の増加にともなう腫れによって神経が圧迫され、発赤(ほっせき)、熱感、腫脹(しゅちょう)、疼痛という炎症の4つの主症状を引き起こす。その後、免疫系は必要に応じて、特定の病原体を標的にして殺す抗原を作ることにより、さらなる防衛線を活性化させるが、このとき「サイトカイン」と呼ばれる数十種類のタンパク質が炎症を制御する。

 近年の研究では、身体が病原体に感染したあと、短期間の激しい局所的な炎症反応を引き起こすサイトカインの一部が、持続的でほとんど検出できないレベルの炎症を全身に起こすことがわかってきた。風邪を引いたときのように、数日から数週間にわたって一箇所に急激に炎症が生じるのではなく、気づかないうちに数カ月から数年にわたって、身体のあちこちで炎症がくすぶるのだ。

 慢性的な軽度の炎症は、ある意味、終わりのない風邪を引くようなものだ。あまりにも軽いため、その存在に気づかないことがあるが。それでも炎症は確実に存在し、この「トロ火の炎症」が着実かつこっそりと、動脈、筋肉、肝臓、脳などの組織を蝕んでいく。

 慢性炎症は、心臓病、2型糖尿病、アルツハイマー病など、加齢にともなう数多くの非感染性疾患の主な原因であると見なされるようになった。さらには、大腸がん、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、関節炎など「~炎」とつく炎症のほぼすべてに、慢性炎症の痕跡が見つかっている。

 慢性炎症の最大の要因は、喫煙、肥満、特定の炎症を引き起こす食品(その代表は牛肉や豚肉などの赤い色の肉)の過剰摂取、身体活動の欠乏だ。それは次の4つの経路でわたしたちの身体を蝕んでいく。

1  内臓脂肪が溜まる
 適度な量の内臓脂肪(全体重の約1%)は正常で、長距離を歩いたり、ジョギングしたときなどに、大量のカロリーを素早く活用する短期的なエネルギー貯蔵庫として役立っている。
 だが脂肪細胞が大きくなりすぎると、膨らみすぎたゴミ袋のように膨張して機能しなくなり、炎症を引き起こす白血球を引き寄せてしまう。内臓脂肪細胞は代謝的に活発で、体内の血液供給と結びついているため、内臓脂肪細胞が膨張すると、炎症を誘発する大量のタンパク質(サイトカイン)が血液中に滲み出してくる。
 健康な若い男性が2週間にわたってカウチポテト族さながら座り続け、一日に1500歩(約1.6キロ)以上歩かないようにした実験では、内臓脂肪はわずか2週間に7%も増えただけでなく、食後に増加した血糖を吸収する能力の低下などの、慢性炎症の典型的な症状を示し始めた。

2 血液中の脂肪や糖を取り込む速度が遅くなる
 食事から4時間以内は「食後状態」で、今すぐ使わない脂肪と糖が脂肪として貯蔵される。控え目な活動であっても、すこしでも身体を動かせば、細胞はこれらの燃料を優先的に燃やす。座るのをちょっと中断して、しゃがんだり、膝をついたりして筋肉を使う軽い断続的な活動を行なうと、長時間何もせずに座っている場合より、血液中の脂肪と糖の濃度を下げることができる

3 社会心理的なストレス
 長時間の通勤、過酷なデスクワーク、病気や障害などによって座ることを余儀なくされる状況はストレスを募らせ、ストレス・ホルモンであるコルチゾールの値を上昇させる。コルチゾールはストレスの原因ではなく結果として分泌され、身体がよりよくエネルギーを使えるようにするために進化してきた。だが、身体活動をともなわない状況でコルチゾールの値が上昇すると、糖や脂肪を血流に送り込み、糖分や脂肪分の多い食べ物を欲しがらせ、皮下脂肪ではなく内臓脂肪を蓄えるようにしむけるなど、肥満や慢性炎症の原因になる。

4 筋肉の活動が停止する
 筋肉は身体を動かすことのほかに、腺としての機能を持ち、「マイオカイン」と呼ばれる重要な役割を持つ数多くのメッセンジャータンパク質を合成・放出している。マイオカインにはさまざまな機能があるが、代謝・血液循環、骨などに影響を与えるほか、炎症の抑制にも役立っている。
 身体活動による抗炎症作用は、ほとんどの場合、炎症を起こす作用より強力で長く続くうえ、筋肉は身体の約3分の1を占めるので、活発に活動する筋肉は強力な抗炎症作用を発揮する。椅子に座りつづけていると、筋肉が活動しないため、マイオカインも分泌されない。

 がんのような身体的な病からアルツハイマー病などの精神疾患まで、免疫機能が自分自身を攻撃する自己免疫疾患が疑われる病気は増える一方だ。こうした「現代病」は、すくなくともその原因の一部が、使い切れないエネルギーを体内にため込んでいることだというエビデンスが増えつづけている。

 リーバーマンのいうように、運動はきわめて効果的な「薬」であり、副作用もなく、歩いたり、走ったり、腕立て伏せをするだけなら無料だ。適度な食事と適度な運動によって身体のエネルギーバランスを整えれば、健康寿命を延ばし、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を上げることができるだろう。(出典はこちら

記事を読みながら「犬の散歩」を考えました。昔、野良犬に餌をやっていた事はありますが、飼ったことはありません。飼っている人からよく聞くのが「散歩が必要」です。目にした記事に『ストレスを行動で表現します。代表的なストレスサインに、体の一部をなめ続ける行動があります。そのまま放っておくと、なめ続けた部位の毛が抜けたり、炎症を起こしたりしてしまいます』(引用元)。

ここでお伝えしたいのは「適度な運動が必要です」よりも、繰り返しますが「慢性炎症」を少しでも減らすこと。そうです!できるだけ歯周病を軽いものにしましょう。そのコツは「歯は磨いても、もらうもの」・・皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。


三つめの動画は「YouTubeで見る」をクリックすると見ることができます!