BBTime 297 口友二本

BBTime 297 口友二本
「胸にさす鉛筆日脚伸びにけり」斎藤優二郎

画像は約一週間前の「火の山と火の玉」(桜島と朝日)。さて歯磨きオタクより二本の口友(歯ブラシ)について。皆さんは歯ブラシの持ち方に「鉛筆握り」と「グー握り(パームグラスプ)」があるのはご存じだと思います。小学生以上の方には「鉛筆握り」を勧めます。理由は大きく三つあります。

1)過剰な圧がブラシにかかりにくく歯茎や歯をいためにくい。2)細かい動きが可能なので隅々まで磨ける。3)歯ブラシが長持ちする。その訳は?

1)グー握りだと腋が開いてストローク(歯ブラシの動き幅)が大きくなりゴシゴシ磨きになりやすく、ゴシゴシ磨きになるとまず歯茎を傷めます。傷んだ歯茎は下がります(見かけ上歯が長くなる)。歯茎が下がると本来歯茎の下に隠れている根っこ部分が露出します。口の中に生えている歯の部分(歯冠:しかん)表面は硬いエナメル質によって覆われています、水晶に匹敵するくらいの硬さです。しかし根っこ部分(歯根:しこん)表面はエナメル質ではなくセメント質であり、エナメル質に比べてかなり軟らかいのです(画像参照)。このため日々のゴシゴシ磨きで、根の表面は容易に削れてしまいます。使用される歯磨き粉が研磨剤配合であれば、セメント質はたまりません!エナメル質の硬さがモース硬度指標で7(水晶も7)に対し、セメント質は骨と同様の4−5、エナメル質やセメント質の内側にある象牙質は5−6です。

2)グー握りゴシゴシ磨きで歯の表面は割と磨けますが、歯と歯の間はほとんど磨けません。ブラシの動きが直線的で磨き残しがかなり発生します。鉛筆握りなら細かい動きも容易で、直線のみならず描円(びょうえん:丸く動かす)や、たて磨き斜め磨きも可能です(こちら参照)。3)過度な圧が加わらないのでブラシも長持ち。

やっと本題、今回オススメするのは二本!ライオンのシステマSP-T歯ブラシ(1本500円以上)と花王のピュオーラ薄型コンパクト歯ブラシです(300円位)。
1)システマSP-Tは色は白と淡いピンクの二種、硬さはソフトのみ。多分ドラッグストアでは入手困難で歯科医院かネット購入がオススメです。もちろんネットの方が安いです(400円以下)。2)ピュオーラ薄型コンパクトは色は三種(青・ピンク・黄)、硬さは普通とソフトの二種。スーパーやドラッグストアで購入可。特にピュオーラ薄型コンパクトは自然と鉛筆握りになりますが、小学生には磨きにくいかもです。


今年は先日12/22が冬至でした。冬至は日(昼間:日の出から日の入り)が一番短い日ですが、翌日から日の出が早くなるのではないそうです。冬至から約半月後のお正月明け頃から日の出は日に35秒ほど早くなってくるようです。まだまだ夜明けは遅くなります、今週末は大寒波襲来とのこと、是非口友ブラシを枕の友としてベッドに。目覚めたらぬくぬくベッドの中で目覚まし磨きもオススメです。

最後に、冒頭の句は奥が深いようです。以下解説より引用「元来「日脚(ひあし)伸ぶ」は冬の季語。冬至過ぎの少しずつ日脚が伸びていく状態を言う。だが「伸びにけり」となれば、早春と考えたほうがよいだろう。真冬に比べると、このごろはずいぶんと日没が遅くなってきた。作者は戸外で仕事をしているのだろうか。あるいは吟行の夕暮れ時かもしれない。いずれにしても、本格的な春の訪れの予感のなかで、作者の胸の内は明るくなっている。胸ポケットにさした鉛筆も明るい色だ。平凡な句のようでいて、そうではない。鋭い」解説より。本日クリスマス、春はまだまだ。ケーキの後の歯磨きはもちろん鉛筆握りで! 2170


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