BBTime 577 六月四日

「六月を奇麗な風の吹くことよ」正岡子規

2022/6/6投稿
好きな句です。解説には『前書きに「須磨」とある。したがって、句は明治二十八年七月下旬に、子規が須磨保養院で静養していたときのものだろう。つまり、新暦の「六月」ではない。旧暦から新暦に改暦されたのは、明治六年のことだ。詠まれた時点では二十年少々を経ているわけだが、人々にはまだ旧暦の感覚が根強く残っていたと思われる。戦後間もなくですら、私の田舎では旧暦の行事がいろいろと残っていたほどである。国が暦を換えたからといって、そう簡単に人々にしみついた感覚は変わるわけがない。「六月」と聞けば、大人たちには自然に「水無月」のことと受け取れたに違いない。ましてや、子規は慶応の生まれだ。須磨は海辺の土地だから、水無月ともなればさぞや暑かったろう。しかし、朝方だろうか。そんな土地にも、涼しい風の吹くときもある。それを「奇麗(きれい)な風」と言い止めたところに、斬新な響きがある。いかにも心地よげで、子規の体調の良さも感じられる。「綺麗」とは大ざっぱな言葉ではあるけれど、細やかな形容の言葉を使うよりも、吹く風の様子を大きく捉えることになって、かえってそれこそ心地が良い』(解説より抜粋)。今回は奇麗な口元、白い歯についてのお話。

白い歯と言いながら手塚治虫氏ですが、実は関係ありなんです。タイトルの「六月四日」は『「む(6)し(4)」(虫)と読む語呂合わせから。漫画家・手塚治虫らの呼びかけで1988年(昭和63年)に設立された日本昆虫クラブが「虫の日」を制定。昆虫が住める街づくりを目指している』(引用元)。6/4は「虫の日」なのです。

同じく「6と4」で『1928年(昭和3年)から1938年(昭和13年)まで日本歯科医師会が、「6(む)4(し)」にちなんで6月4日に「虫歯予防デー」を実施していました。1939年(昭和14年)から1941年(昭和16年)まで「護歯日」、1942年(昭和17年)に「健民ムシ歯予防運動」としていましたが、1943年から1947年までは中止されていました。しかし、1949年(昭和24年)、これを復活させる形で「口腔衛生週間」が制定されました。1952年(昭和27年)に「口腔衛生強調運動」、1956年(昭和31年)に再度「口腔衛生週間」に名称を変更し、1958年(昭和33年)から2012年(平成24年)まで「歯の衛生週間」、そして2013年(平成25年)より「歯と口の健康週間」になっています』(引用元はこちら)。さて、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、去る四月からインレーに白い材料が保険適用になりました。(インレー:白い樹脂を詰める処置(1回で終わる)ではなく、型(印象)をとって次回歯にセット(2回必要)する処置)

CAD/CAMインレー:キャドキャムインレーと呼ばれるものです。今までも白いインレーはありましたが、材料がグレードアップしましたし、インレーの作り方が全く異なります(詳しくはこちらを)。患者さんの疑問について述べたいと思います。まず一番多い質問が「耐久性」について。銀色は「12%金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属で、かたやCAD/CAMインレーは「ハイブリッドレジン」です。この材料だけを比較すれば金属であるパラジウム合金に軍配が上がります。ただしインレーを歯につける際に使用するセメントとの相性においては、CAD/CAMインレーの勝ちです。個人的意見としては「耐久性」に、ハズレにくいを加味すればどちらとも言えないと思います。CAD/CAMインレーに関してはネットにも記事が散見されます、こちらも是非どうぞ。

「割れやすい」からと金属インレーをすすめる歯科医もいます。嘘ではありませんが、CAD/CAMインレーの場合、もし欠けても場所によっては白い詰め物で修復可能です(CR充填)。敢えて付け足すなら・・その歯科医がCAD/CAMインレーに技術的に対応できていない場合もあります。CAD/CAMインレーは新しい材料ですので、当然のこと新しい技術が必要です(さほど難しくはないのですが)。

と言うことで、特に急ぐ必要のない部位であれば、銀色を白くするのをもう少し待つのも賢い選択です。また価格においては、セット時(完成時、歯にセットする時)の支払いに関してはCAD/CAMインレーの方が安いです。治療の部位が銀色になることは、小生の考えでは「治っていない」のと同じです。もともと白ければ、治療後も白いのが当たり前。今まで適切な材料がなかったために、白い歯が治療後は銀色になっていたのです。最後に、しつこいようですが、歯はもともと生えてきた時は白い奇麗な歯です。ムシ歯にしてしまうので「銀色か白か」と言うことになってしまうのです。ムシ歯にしなければ白いままなのです。一に予防二に予防です!皆さま、ご自愛の程ご歯愛の程。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です