BBTime 626 ジャムパン

「厚餡割ればシクと音して雲の峰」中村草田男

2023/08/07投稿
台風が近づいて来ております。厚餡とはアンパン・饅頭の類。句の解説『辛党(からとう)の読者(私もそうです)は、意表を突かれたかもしれませんね。季語は「雲の峰」で夏。もこもこと大きく盛り上がった入道雲を意識しながら、何も暑い季節に「厚餡(あつあん)」を「割る」こともあるまいに、と……。要するに、飲み助は甘いものを暑苦しいと思い込んでしまっているのです、たぶんね。でも、最近酒量の落ちてきた私にはよくわかるようなつもりになっているのですが、そんなことはないようです。薄皮の饅頭(まんじゅう)でしょうか。特に冷やしてあるわけでもないのに、手にする「厚餡」入りの菓子はどこか冷たく重く感じられます。作者が言いたいのは、この「厚餡」と「雲の峰」との質感の相似性でしょう。あの「雲の峰」も、いま手にしている饅頭と同じように、そおっと丁寧に「割ればシクと音して」割れるようだ。「シク」が眼目。「パクッ」でもなければ、ましてや「バカッ」でもない。あくまでも大切に割るのですから、無音に等しい「シク」と鳴るわけですね。日本のどこかで、今日もこんなふうに「雲の峰」を眺めている人がいるのかと思うと、それだけでも心が安らぎます。『銀河依然』(1953)所収。(清水哲男)』(引用元)。今回はBBTime 623「アイディア」の続きのようなお話。

ほぼまいにちアクセスする「ほぼ日」8/1付からの引用です。
『・アイディアとか、クリエイティブとか、創造性とか、どういうものなんだろうと、ずっと考えてます。すごいものだと思うんですよ、そこからいろんなことが始まるし、人も金も集まるし、世の中のたくさんのことを変えてしまうことだってある。すごいんだけど、それはすごい人だけのものじゃない。それは、だれでもが出せる、どこからでも出てくる。そういうカジュアルで気楽なものだとも思うのです。』

『◆アイディアとはジャムパンである。
昨日、「ほぼ日」の道場でそういう話をしました。
「あんパン」って、明治の時代の大発明だと思います。で、それはすばらしいことだけれど、偉そうじゃないです。もともと、あんこは昔からあったものだし、そのあんこを餅でくるんだ大福も、小麦粉で包んでふかしたまんじゅうもあったわけで、同じことをパンでやろうとしたのがあんぱんです。パンをふくらますのにまんじゅうのように酒種を使ったと。すごそうじゃないけど、すばらしいアイディアです。だれもが、いつも、あんパンをつくろうとする心を持とう。と言いたいのですが、これはこれで「わたしなんかにできるかなぁ?」と思われやすいですね。』

『たしかに、大福やまんじゅうの方法を、パンに応用するというアイディアはたいしたものです。しかし、その「あんパン」が登場した後で、「あんこじゃなくて、このジャムってものを入れても、同じようにおいしい菓子パンができるんじゃないか」と考えてつくって売り出した人も、いるんですよね。それはそれですばらしいアイディアじゃないですか。さらにはクリームパンだとか、チョココロネだとか、揚げあんパンだとか、カレーパンだとか、あんパンと見た目も変えたおいしいパンが出るわけです。人はだれでも、いつでも、どこかで、わたしのジャムパンを探せると思うのです。アイディアというのは、ジャムパンでオッケーなのです。ぼくらのいつもの生活のなかに、ジャムパンは隠れている。江戸時代の人にも、あんパン以前の人にも、ジャムパンはまったく見えてなかったんですよね。アイディアって、すごいけど、自然に納得のいくものです。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。書いてて、あんパンとジャムパン食べたくなっちゃったよ。』

ご存じの方も多いと思いますが、あんぱんもジャムパンも発明したのは「銀座木村屋」。「木村屋のあゆみ」に詳しく載っております。

おやつ堂開店して今月で半年になろうとしております。パン+ジャム=ジャムパン。ムシ歯予防+カフェ=ムシ歯予防カフェ。あんぱん、ジャムパンのように「ムシ歯予防カフェ」が根付くよう精進の日々です。暑さ、台風、ご自愛の程ご歯愛の程。

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