BBTime 623 アイディア

「涼しさは葉を打ちそめし雨の音」矢島渚男

2023/07/03投稿
 早いもので昨日は「半夏生はんげしょう」。句の解説『私が子供だったころには、降り出せば屋根にあたるわずかな雨の音からも、それがわかった。でも、いまでは部屋の構造そのものが外の雨音を遮断するようにできているので、よほど激しい降りででもないかぎりは、窓を開けてみないと降っていることを確認できない。これを住環境の進歩と言えば進歩ではあるけれど、味気ないと言えばずいぶんと味気なくなってきたものだ。もっともたとえば江戸期の人などに言わせれば、大正昭和の屋根にあたる雨音なども、やはり味気ないということになってしまうのだろうが……。そんななかにあっても、「葉を打つ雨音」など、おたがいに自然の営みだけがたてる音などはどうであろうか。それを窓越しに聞くのでなければ、これは大昔から不変の音と言ってよいだろう。昔の人と同じように聞き、揚句のように同じ涼しさを感じることができているはずである。芭蕉の聞いた雨音も、これとまったく変わってはいないのだ。と、思うと、読者の心は大きく自由になり、この表現はそのまま、また読者のものになる。『百済野』所収。(清水哲男)』(出典)。先日の早朝坐禅・・雨音の坐禅でした。記憶に残るは昨夏「蝉時雨坐禅」・・蝉時雨の中での坐禅。もの凄い蝉の声でなくとも、堂内静寂ゆえ、土砂降りの蝉時雨として耳に届きました。今回はアイディアについてのお話。

ほぼ毎日読む「今日のダーリン」から。
・アイディアが泉のように湧いてでてくる会社にしたい。冗談のようだけれど、ぼくの夢はそれなんじゃないかな。アイディアというものは、なかなか、あるようでない。アイディアがなくても、ちゃんとかたちにはなるし、アイディアなんか不要だという場面もたくさんある。
 そういうことはわかっているのだが、アイディアがあったら、もっといろんなことができる。アイディアは人をよろこばせるし、そこに人も集まる。だから、アイディアを生み出せれば、食っていける。 
 どうやって、アイディアをこんこんと湧き出させられるか。 それについてのアイディアがほしい(笑)。「こんこんと湧き出せるようにしたい」と思っているなら、そのためには、まずはなにができたらいいのか。なんにせよ、出発点はそこだと思う。

 まずは、アイディアに気づけるかどうか、なのだ。スポーツをやっている人なら、選手がいいプレイをしたときに、そこにアイディアを発見することができる。もちろん、それを見つけられない人もいる。絵を描く人どうしだったら、他の人のいい絵を見たら、そこに、意識的にどうかはともかくとして、描いた作家のアイディアを見つけることができる。美術というのはアイディアのかたまりみたいなものである。専門の仕事を持っている人は、他の専門家の仕事に、「やるなぁ」というアイディアを見つけられるだろう。ひとりのお客として、いろんな店でサービスを受けても、「これはいいなぁ」というアイディアが見つけられる。

 他者のアイディアを発見できて、感心できるか。
 それがまずは、じぶんがアイディアを出せるかどうかの「はじめの一歩」なのだと思う。あくびしながらいやいや生きていたら、人のアイディアに感心もできなきゃ嫉妬もできない。「世の中のやつら、なんてすげぇんだ!」と、毎日がっくりと落ち込むくらいの毎日を過ごして、人のアイディアに憧れたり、そのまねをしたりしてると、いつのまにか、じぶんのアイディアの芽が出てくる。以上の考え方も、平凡だけれど、ひとつのアイディアだ。
今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。なによりまず発見。そして、感心と、清潔な嫉妬が大事かも。

肝(キモ)は「他者のアイディアを発見できて感心できるか」。言い換えれば、仕事などにおける「不満やうまくいかないことをひと(他人)のせいにする」。仕事で訪問診療に行きます。訪問先で四苦八苦、格闘されている職員さんの姿を見て頭が下がります。そんな時、岡目八目ですが「改善できないだろうか」「改善するためにはどうすればよいか」と思います。繰り返します「他者のアイディアを発見できて感心できるか」がキモですが、この一歩手前が「不満やうまくいかないことをひと(他人)のせいにして改善方法を考える」です。

本来の意味からずれるかもしれません。うまくいかない時に「自分のせい」「努力不足」「スキル不足」などと考えると、改善方法は「自分の頑張り」しかない!が結論となってしまい、原因不明のままで改善策も生まれません。ひとまず自分自身ことは置いといて、周り(職場環境)に原因があると考えましょう。周りに目を向けることで「他者のアイディアを発見できて感心できる」ようになるのではないでしょうか。

患者さんにも同じようなことが言えます。義歯(入れ歯)そのものが原因なのに「私の噛み方が悪いから」とか「歯茎が痩せたから」など、ご自分に原因有りと言われます。違います!ムシ歯も同様「歯磨きが悪いから」「お菓子の食べ過ぎ」など。これも(全てではありませんが)違います!ご自分で100%歯をキレイにすることはできないのです。

以前読んだ本に「アイディアは逆から読んでもアイディア」・・これもアイディアである。という趣旨の文章がありました。先日、訪問先での相談。「食事中に下の入れ歯(総義歯)が浮いて歯茎との間に食べ物が入って痛い」とのこと。外来診療なら方法は幾つかありますが外出は無理な方。そこで一考「フィンガーボウルのように、デンチャー(義歯)ボウルを用意していただくのは?」もちろん周りの人(施設利用者)への配慮は必要ですが。

取り留めのない話になりました、アイディアって取り止めのないボヤっとした時にポコンと生まれるような気がします。まずは「人のせいにする」「自分はやるべきことはやった」から考え始めてみてはいかがでしょう。・・くどくてすみません、ムシ歯ができたのは貴方だけのせいではありません。「歯は、磨いてももらうもの」。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。

 

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