BBTime127 「何かに強くこだわる・着替え」認知症ケア革命的技法

BBTime127 「何かに強くこだわる・着替え」認知症ケア革命的技法
「力ある風出てきたり鯉幟」矢島渚男

この句を見て自宅窓から眺めていますが一匹も泳いでいません、時代でしょうか。今回「ユマニチュード」第四話です。第一話第二話第三話もそれぞれどうぞ。
ユマニチュード第四話「何かに強くこだわる・着替え」
*今回はケアを受けている人が何かに強くこだわっている場合にどうすれば良いのか?について教えてください。
『例えば、御自宅にいらっしゃるのに「家に帰る」と言ってどこかに行ってしまおうとする時、「ここがあなたのお家ですよ」と否定したり「なんでそんなことを言うの」と、ついつい家族の方は言ってしまいがちですが、こういう場合ご本人としては「ここにいることが不安です」ということを別の表現で伝えようとしていると考えてください。そうしてその気持ちを抑圧しないようにした方が良いです。ダメだと言われて嫌な感情だけが記憶に残る、そうするとますますここにいることに不安を感じるようになり、悪循環の始まりになります』

『この場合、基本的なコミュニケーションの技術「見る・話す・触れる」を使って対応します。まずは目の高さを合わせて正面からゆっくりと近づいていきます。イメージとしては相手の視線を掴みに行くような感じです。いきなりその方の顔の前に出てしまいますと、まるでびっくり箱を目の前で開けたようなことになりますので、できれば3メートル位手前からその方に近づいていきます。そして「どこかに行きたい」とおっしゃっているのであれば、なぜそこに行きたいのかを聞いてあげて下さい。もちろん筋が通っていない場合、例えば退職して何年も経つのに「仕事に行く」とか、その方は90歳過ぎて子供さんも50歳過ぎているのに「小学校に迎えに行く」とか、このようなこともあります。私たちケアする方にとっては全く現実的ではないことであっても、ご本人にとっては重要な理由になっているのです。記憶は新しいものから徐々に失われていきます。ご本人は90歳でもその時は30代まで遡っているのかもしれません。「あなたの子供さんは50歳を過ぎていますよ」と言うのではなくて「じゃあ、お迎えにいきましょう」と出かける準備をして実際に出かけてみることもひとつの方法です。こうすることで自分の希望が妨げられた、断られたと言う辛い感情が残らないのです。認知の機能が落ちていらっしゃる方は出かける準備をするうちに、興味の対象の矛先を変えるだけで、気が変わったり、忘れてしまうこともよくあります。「じゃあ出かけるために洋服を着替えましょう」と別の部屋へ移動するうちに行きたかったと言う気持ちを忘れてしまわれることもあります。また実際にご自宅を出て庭を歩いているうちに「おうちへ帰ろう」とご本人からおっしゃることもあります』

*そのような行動と合わせて、相手がイライラしているときにはどう対処すればよろしいのでしょうか?
『相手がイライラしていると私たちもイライラしますよね、しかし、そこをグッと堪えて「あなたのことを大事に思っていますよ」ということを相手にしっかり伝えることがケアの重要な技術なんです。その方と私たちに危険の及ばないことを確認した上で、その方の気分が落ち着くようなところにゆっくりと触れてみることが良いでしょう。具体的には感覚の鈍いところ、背中や肩やふくらはぎです。そのような場所にゆっくりと触れる、しかも手のひらを大きく広げた状態で触れると良いです。触るときはまるで飛行機が着陸するかのように指先からゆっくりと触れて、また離れる時は逆に飛行機が離陸するように、別の言い方をすると名残を残すように手を離して行きます。相手の方をぎゅっと抱きしめる、ハグすることも効果的です。認知の機能の低下した方と過ごしていると相手の方からハグされる場面もよくあることです。ハグに応えてこちらもハグすることも効果的です』

*着替えを嫌がる場合がどうすれば良いのでしょうか?
『可能であれば複数で対応する、介護する人とご家族の方と役割を分担して行う方法があります。重要な事はみんなが一緒に手を出すのではなく、役割を二つに分けるのです。ひとりは注意を引き付ける、楽しくお話をする、優しく触れるなどでその方の注意を十分に惹きつける。その方が楽しい時間を過ごす一方で、その間に他の人が着替えを行うのです。一度に周りの人が声をかけたり、触れたりするとケアを受ける人の方が不安になって拒否することがあります。またその際には「今から手を拭きますね」と実況しながら、「気持ちよくなりますね」「さっぱりしますね」というような前向きの言葉をかけることもお忘れなく。ご家族がその方以外にはいらっしゃらない、もしくはひとりでケアをしないといけない、このような場合も当然あります。こういう時にはその方の注意を惹きつけておくモノを用意しましょう。例えばペットとかご本人がお好きなお人形や写真など、その方の注意を引くことができるモノ、しかもそれがお好きなものである、そのようなものを常に手元にいくつか用意しておくと良いのではないでしょうか』

*時に、うまくいかないこともあると思います。うまくいかない時にはどうすればよいでしょうか?心に余裕がないとできませんよね。
『うまくいかない時はあります。うまくいかなくても自分を責める必要は全くありません。うまくいかなかった時は、なぜ上手くいかなかったのかなあと考えて頂ければ良いです。多くの場合、お伝えしたことのどこかに答えがあると思います。ひとつひとつ、やってみられれば良いと思います。そして、これ以上無理だという場合には周りに助けを求めてください。全部自分で引き受けない、自分ひとりで悩まない、頑張りすぎないことも介護には必要なことです』
今朝(5/5)のラジオでユマニチュードについてリスナーの方の質問に答える話があり、その中での情報です。「高齢者ケア研究室」がユマニチュードの動画をアップしています、是非見てください!

今回のBeat はボーズのスピーカーの動画で見つけました、リフレッシュしてくれそうな曲です。PARKS の”Sweater Weather”です。4760


ラインスタンプ第二弾「漢字オバケ2
第一弾「漢字オバケ1」はこちら

 

 

BBTime126 いたりきたり

BBTime125 いたりきたり
「茶畑のずり落ちさうでずり落ちず」丘本風彦

この句を見ると「確かにそうだ」まさしく言い得て妙。ここ十日ほど桂枝雀師匠の「山のあなた」の穴にズッポリと嵌っております、ハイ。師匠の他の演目も色々と観ました。YouTubeには彼の落語論・対談もアップしてあります。「緊張の緩和理論」シリーズは落語の笑いの種明かしのような話です。「代書屋」は有名ですが、今回のオススメは「いたりきたり」、自宅で飼うペットの創作落語です。冷静に考えてみると、どうでも良いことが哲学的な話にまで昇華されているように思えます。是非どうぞ!4200

「いたりきたり」

「山のあなた」

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BBTime125 「話を聞く・食事の世話をする」認知症ケア革命的技法その3

BBTime125 「話を聞く・食事の世話をする」認知症ケア革命的技法その3
「そら豆はまことに青き味したり」細見綾子

この季節この句を思い出します。焼きでもボイルでも好きです!好相性は温燗(ぬるかん)ですかね。さてお待ちかねユマニチュードその3、聞くたびに書くごとに認知症ケアのみならず、日常歯科臨床においても重要必要なスキル・知識だと痛感します。オリジナル音声はこちら、今週木曜日夜までは聴くことができると思います、善は急げ!はよ聴きや。ハイ、膳はゆっくり・・というのが今回のお話です。第一話はこちら、第二話はこちらへ。

*今回は話を聞く場面についてのユマニチュードです。こちらの問い掛けにある程度返答はあるけれども、会話がうまく噛み合わない場合にはどうしたらよいのでしょうか?
『まずは相手の方の目をしっかり見るということが重要です。「あなたがここにいるという事を私はわかっていますよ」ということを相手に伝えるためです。その方の正面に位置をとって、相手の視線の高さに目を合わせることがポイントです。また「知っているの?どうなの?合っているの?間違っているの?」と畳み掛けるような質問の仕方は絶対にやらない方が良いと思います。認知症の特徴は何か情報が入ってきた時、理解するまでに時間がかかります。さらにそれに反応するまでにまた時間が掛かるのです。ですからひとつのことを尋ねたら、だいたい三秒ぐらいの間(ま)をおいて、次の言葉をかけることが重要です。また質問するより言い切る方が良いでしょう。質問は相手を混乱させるきっかけになることもあります。例えば「お散歩にいきましょうか?お風呂にしましょうか?」と選択を迫るのではなく「お散歩に行きましょうね」と言い切ってしまってご本人の反応を見て、これは受け入れているな、これは断っているな、ということをこちらで判断するようにした方が良いでしょう』

*会話が成立しない反応がない場合はどうすれば良いのでしょうか?
『まずはこちらの発している情報が相手に届いているか否かということを確認する必要があります。横から後から話しかけていることがないかどうか、距離が遠すぎないかどうか、声が高すぎたり大きすぎたりしていないか、このようなことを確認します。特にお年を召して聴力が低下している方の場合に、ついつい周りの人が大きな声で話しがちです、これは周りの人から怒鳴られ続けているとも取られかねないので、ますますご本人は不安になります。ですから「あなたは安心してここに居ても良いのですよ」という安心感を与えるためにも声の大きさ、高さは重要です』
*相手に近づいて適切な大きさでゆっくり喋ることが重要なんですね。
『そうです。見る・話す・触れるというコミニュケーションのいくつかの要素を組み合わせることが重要で、ひとつだけではダメです。たとえ反応がなくても組み合わせて伝えると言う事はとても大切な事です。目の前にいる人(介護する人)は敵ではないことを伝える、私はここに居ても良いのだという安心感を持っていただくために重要で、介護の様々なケアを受け入れてもらうための大切な一歩なのです』

*続いて食事の世話をする場面です。ご自分で食べることができるはずなのになかなか食べてくれない場合、どのようなことを考えれば良いのでしょうか?
『食欲がなくて食事が進まない方も当然いらっしゃいます。お食事を召し上がらない場合にはその理由を御本人に聞いてみると良いと思います。例えば、お皿にとてもきれいな模様が書いてある場合にその模様を虫と間違われて「このような虫がついている食事はとても食べられません」とおっしゃった方が実際いらっしゃいました。この方の場合、お皿を変えたら食事ができました。食事の環境がその方にとって安心なのか、はたまたその方を不安にしているのかをしっかり見極める必要があります。その時に相手から情報をよりよく引き出すためにもコミュニケーションの技術が必要となります。

また認知機能が低下してくると、順序立てて物事を行ったり自分自身がとるべき行動がわからない、例えばどのお皿から食べれば良いかということがわからなくなる場合があります。そのような場合、お膳に載っているお皿の数が多すぎることが食事の進まない原因になっていることもあります。ひとつのお皿にひとつずつ載せて出す、これを食べてから次のお皿を出す、このような工夫もやってみられたら良いと思います。お箸がうまく使えなくなった場合には、指で食べられる工夫も必要です。おにぎりであるとかクラッカーの上におかずをのせてパーティー食のような食事もひと工夫です。また味覚は加齢とともに変化してくるので甘みを少し強くしたり、スパイスや薬味を使って味に変化をつけることによって食事が進むこともあります。これはひとつひとつやってみるしかないので、いろいろなことを試してみられると良いと思います』

*次に介助が必要な場合についてはどうでしょうか?
『よくやりがちな事はその方の横に座って、横からスプーンで食べ物を口元に運ぶ。これは御本人にとってみればいきなり何かを口の中に突っ込まれたと受け取られかねません。まずは御本人の正面に位置して、食べてもらいたいものをスプーンに載せて、目の高さに持ち上げる。しっかり見てもらってから口の中に入れるというように、ひとステップ増やすことが必要です。やはりその時には言葉を添えることも大切で「はい次、次」ということではなく「美味しいお魚ですよ」「いい香りがしますよ」「季節の味ですね」などの言葉を添えて口に運んであげるようにしてください』第三話終了

やはり「間」は大事ですね。落語を聴いていると「間」の妙に感心します、是非こちらもお聴きください(しつこい!)。今回のBeat は「Nat King Cole のUnforgettable」です、二曲めは親娘ならではの間合いなのか「Natalie Cole LIVE – Unforgettable」です。3040

 

BBTime124 あなたの幸せ

BBTime124 あなたの幸せ

「山のあなたの空遠く
「幸」住むと人のいふ。
噫、われひとと尋めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸」住むと人のいふ」
カアル・ブッセ 上田敏訳
こちらも参照

「山のあな・た」の穴にはまってしまいました。日に五、六回は聴きます。出会いは偶然、ラジオからの三遊亭円歌師匠の訃報でした。「山のあな、あな」を調べた際に枝雀師匠の「山のあなた」を知りました。それ以来、日に五回。一杯の美味なる珈琲にも勝る12分間(1回)です。枝雀師匠のエンディングを考えると「分け入つても分け入つても青い山」のごとく深い深い含蓄のある「山のあなた」に聞こえてきます。あなた(向こう)なのか此方(こなた)なのか、こちらなのか彼方(かなた)なのか、彼岸なのか此岸(しがん)なのか・・。今回合わせての御紹介は「リベラのfar away:はるか彼方へ」です。歌詞はこちらを参照。2260



BBTime123 保温不要

BBTime123 保温不要
「豆飯の湯気を大事に食べにけり」大串 章

豆御飯も好きですがこのような句も大好きです。冷えた豆御飯より温かい方が美味しいに決まってますし、炊きたてはさらに美味しい!湯気までも御馳走。さて最近ティファールのポットを使いました、使ってみて思ったことを少々。おそらく、従来の考え方として電気ポット(湯沸かし器)に保温機能は必須だったでしょう。ティファールの保温機能なしのポットが評判になりました、使ってみて納得しました。使い方にもよりますが、保温機能は必須ではないと思います。必要な時にお湯があれば(湯が沸けば)充分という使い方で不満なしという人も多いと確信します。保温機能が必要というのは、湯を沸かすのにはある程度(五分程度)の時間がかかったという、過去の経験による妄想なのかも知れません。

買い物でもらったレジ袋、ケーキ屋さんの紙袋、おしゃれな菓子箱等々、いつ使うかわからないものを「モッタイナイ」と後生大事にとっている方は非常に多いと思います。もちろん、使えばそれはエコであり意味あることです。リユースは価値ある行為です。しかし使わなかった場合はゴミとなり、保管空間は無駄になります。保温機能が必須であるという考えもこの袋の保管と似た発想のような気がします。

資源も時間も限りある人生、必要な時に必要なものだけを消費する、分相応・身の丈程と言えば簡単ですが、言うは易く行うは難しだと思います。大好きな堀口大学の「座右銘」です。

今回のBeat はすぐ沸くような曲を選びました。John Travolta And Olivia Newton John のYou’re The One That I Want です。二曲目もすぐ沸騰しそうなWham! – Wake Me Up Before You Go-Go です。1561


LINEスタンプ「漢字オバケ」第一弾


漢字オバケ第二弾です。

BBTime 122 開け!ドア

BBTime122 開け!ドア
「あたたかきドアの出入りとなりにけり」久保田万太郎

この句は1ヶ月前頃ですので少々ずれているかも・・。最近気がついたシールのお話。仕事場の自動ドアにシールが貼ってあります、このシールが摩訶不思議、ただの薄っぺらなシールなんですがしっかりと仕事をします。画像はこれ。

ご覧の通りただのシールなんですが、ちゃんとセンサーの役目をするというかドアが開きます。カラクリはこのシールに手を近づける(手をかざす)と、ドア上部センサーが人の動きを感知してドアが開く。このシールはタッチセンサーでもなく、押す必要もなく、電線も電源も何もついていないただのシールです。ドアの前を通り過ぎるだけの人には作動(開閉)せず、ドアを開けようとする行為行動を察知する。このカラクリ・発想には恐れ入谷の鬼子母神です。上部センサーはこれ。

ふと思い出したのが、数年前に話題になった「男性用トイレシール」です。小用を足す時に、朝顔の外周辺を汚さないようにとのシールです。このシールめがけて放水する、ちょっとしたゲーム感覚、少年の頃のことを思い出させるような・・行為。

ドアシールを見ながら「ムシ歯予防にもこの発想が必要」と思いました。コストを抑えて、負担をあまりかけずに行動変容を促す。コストをかけずに努力を強いることなく、楽しみを加味(ゲーミフィケーション)して行動変容を起こさせる。今、頭にあるのは「おやつ食堂」です・・煮詰めていきます。

自動ドアにかけて「開けゴマ!」についておまけ話。ウイキペディアによると「開けゴマ(ひらけごま、アラビア語: افتح يا سمسم‎(イフタフヤーシムシム)、フランス語: Sésame, ouvre-toi、英語: Open Sesame)は、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の1篇とされる「アリババと40人の盗賊」に登場する呪文である。同作品における最も有名なフレーズであり、これを唱えることによって岩の扉が開くというものである。「なぜゴマなのか?」という問いに対しては複数の説が出されているものの、決定的な答えは発見されていない」とのことです。ゴマ屋さんの説明も面白いのでどうぞ。

今回のBeat は開けゴマ!にちなんで「 A Whole New World – Regina Belle & Peabo Bryson」です。また前回ご紹介した桂枝雀師匠の「山のあなた」これは泣けます、再度ご紹介します。


これまたおまけでLINEスタンプのお知らせ、漢字オバケ1と漢字オバケ2、是非お使いください。1330

漢字オバケ第1弾

漢字オバケ第2弾

 

BBTime 121 「見る・話す・触れる」ことの重要性:認知症ケア 革命的技法その2

BBTime121「見る・話す・触れる」ことの重要性:認知症ケア 革命的技法その2
「神のみぞ知ることの多すぎる春」稲畑廣太郎

掲句を読んだ時、はじめ気が付きませんでした。解説を読んでハタと・・。リズムが五・五・五・二なんです、このような句もあるんですね。さて今回はユマニチュード第二話「見る・話す・触れる」について。これを聞くとこれまたハタと・・。では聴き取り始めます。第一話「ユマニチュードは何か」はこちら
ユマニチュード第二話:「見る・話す・触れる」ことの重要性
*ユマニチュードによって会話ができないくらい認知が低下している人の状態が、劇的に良くなるというお話(第一話)をいただきました。そのための技法が「見る・話す・触れる」の三つの柱で成り立っているということで、今日はそれについてお話しいただきます。まずは「見る」これはなぜ大切なんでしょうか?
『私たちの全ての行動には、私たちが意識していない様々なメッセージが込められています。「見る」ということを通じて相手との様々な関係性を伝えています。例えば「あなたを見ない」ということは「あなたは存在しない」という事を伝えています。介護をしている多くの方は相手を「見ていない」とは思っていらっしゃらないでしょう。口の中のお世話をする、オムツを替えるなど相手を見ないとできないことが沢山あります。しかし、あなたはここにいます、あなたは大切な存在ですよ、と言うことを伝えるために相手の目をしっかり見ないといけないのです。しかも相手からもしっかり見てもらわないとだめです。このアイコンタクトがとても大事になります』

*アイコンタクトの時に、どういうことがポイントでしょうか?
『もし私が上から見下ろすように相手の方を見ると、私は威張っている、私が何かを支配しようとしていると思われるのではないでしょうか。また横から見るというのは、猜疑心があるまたは攻撃的な見方となります。チラッとしか見ない、これは自信のなさというメッセージを相手に伝えてしまいます。ですから介護する私たちが相手の方を見る時には、そのような見方ではない見方をした方が良いのです。まず相手の視線の高さと自分の視線の高さを合わせる、正面から見る、すごく近い距離から見る、長い時間見るです。このような見方をした方が良いのです。特に認知症の方は認知機能が落ちているので、周りにあるものに対する意識の向け方が非常に難しくなります。ですから相手の目の前に自分が行かなければなりません。相手の方の視線を自分が捕まえに行く姿勢が重要になります。例えば椅子に座っている方に後から声をかける場面が数多くあると思いますが、これは良くありません。できるだけ避けたいことです。このような場合にはその方を追い越して、正面から目の高さを同じにして見る必要があります。しかも非常に近い距離で長く見るようにしてください。ただし、じっと見ているだけだと、攻撃的なメッセージになりかねませんので、次にお伝えする様々な技術(話す・触れる)を織り交ぜてください』

『続いて話すについて。認知機能が低下しているとこちらが話しかけてもなかなか応えてくれない場面が多いと思います。返事が返ってこない人にずっと話しかける事はなかなかしにくいものです。そこに言葉を溢れさせる工夫が必要です。例えば、体を拭こうとしている時に相手の方に体を動かしてもらう工夫です、左手を上げてくださいと頼んでみます。その時に重要なのはこちらが話しかけた後に「3秒ぐらい待つ」と事です。見ることも大切ですが介護においては「待つ」ことも非常に重要な技術です。3秒くらい待って相手の方が動いてくれなくても、もう一回頼んでみます。それでも返事がない場合は今度は言葉を変えてみます。私の顔を触ってみてください、天井を指差してください、など別の表現を使うことによって結果的に手を挙げてもらう。このような方法が有効なこともあります。それでも相手の方が動いてくれない場合は、自分の行動を実況中継のように言葉にして伝えてみてください。例えば腕を拭こうとします、ではこれから左腕を上げます。その時に使う言葉には注意してください。できるだけポジティブ(前向き)な言葉を使ってください。「今日は寒いですね、痛いね、ごめんね」ではなく「かなり暖かくなりましたね」「腕が伸びると気持ちいいでしょう」「私も嬉しいわ」など前向きな言葉を使うようにしてください。前向きな言葉を使うということもケアの技術です。こちらの問いかけを増やす、それが介護のエネルギーになります、そうして相手の反応が生まれてくるようになるのです』

『次に「触れる」です。介護の場面では必ず相手に触れますよね、しかし触れ方にも実に大きな意味・メッセージがあります。介護の場面で思わずやってしまいますが、手を掴んで持ち上げると言うのは極めて自然な動作なんですけれども考えてみてください、例えば電車の中で男性の腕を掴んで「この人痴漢です」これは掴むことが「罰する」という意味を持つことになります。ですから腕を持つ場合は上から掴むのではなく、下から支えます。下から支えて、なおかつ触れてる面積も広い方がより相手に安心感を与えます。指だけではなく手のひらを使って、手のひらだけでなく腕全体を使って相手の手を持ち上げる。できるだけ多くの面積で相手に触れながらケアをする、これが重要です。また触れる場所も重要です。敏感な場所は相手の方をびっくりさせるのでより鈍感な場所から触れるのもポイントです。顔や手はとても敏感です。顔や手に触れるのは最後がいいです。一方、鈍感な場所は背中や肩、腕ならば上の方になります。肩から肘にかけての上腕が鈍感な場所になります。明日はさらに具体的な場面を想定して話を進めます』

やはり聞き取りはエネルギーを使います(汗)。今ならこちらでオリジナル音声聞けます。書きながらラジオから「三遊亭円歌さんがお亡くなりに・・」の訃報。三遊亭歌奴時代に「山のあな、あな」で大人気になられました。ということで、今回のBeatは三遊亭歌奴「授業中」と桂枝雀師匠の「山のあなた」これは泣く落語です(泣き笑)。脈絡は全くなしですが(笑)三つ目はThe Beatles – Hello, Goodbye です。


LINEスタンプ「漢字オバケ」第一弾に続き、第二弾リリースしました。
是非お使いください。第一弾はこちら


第二弾はこちらです。9570

 

 

 

 

BBTime 120 「ユマニチュードとは何か」認知症ケア革命的技法その1

BBTime 120 「ユマニチュードとは何か」認知症ケア革命的技法その1
「行く春やみんな知らない人ばかり」辻貨物船

画像は松尾芭蕉の「奥の細道」出発で「行春や鳥啼魚の目は泪」で有名なシーンです。今回から五回に分けて「ユマニチュード」について聴き取りします。認知症の方への対応のみならず、日常診療においても十分に意味あるスキルです。是非オリジナル音声をお聴きください、絶対ためになります!今(04/17)ならこちらで聴けます。「humanitude:ユマニチュード」とはフランス語で「人間らしさを取り戻す」の意味です。では早速、第一話聴き取ります。少々長くなりますが・・・是非!
*認知症の方の介護でどうしたら良いのか?分からなくなることが少なくないのですが・・
『ご家族だからこそ優しくしたいと思う気持ちを強く持っていらっしゃるのに、それがうまくいかなくてとても辛い思いをしたり、疲れてしまったりと言うことが少なくないように思います。もしかすると介護する方は相手(介護を受ける方)に良かれと思ってやっているにもかかわらず、認知の機能が落ちている場合、それがうまく伝わっていない場合もあります。そんなすれ違いの現状をどうすれば解決できるか今回ご紹介するユマニチュードという技法です』

*そもそもユマニチュードとはどのような意味ですか?
『これは「人間らしさを取り戻す」という意味のフランス語です。認知症になった方は認知の機能や判断の能力が徐々に減ってきたり失われたりしています。その結果強い不安や孤独な気持ちを引き起こしてしまいます。そのような人に対して「私はあなたのことを大切に思っていますよ」と言う気持ちを相手の方に伝わる言葉や表情を使って伝える必要があります。
ケアをする時に最も重要な事は、ケアを受ける人とケアをする人の関係性です。例えば皆さんがものすごく怒っているお医者さんに診てもらうとなった場合、あまりにも相手(医者)が怒っていると心配になりますよね。自分のことを相手に任せて大丈夫なのかと思ってしまうわけです。ですから、この人だったら自分のことを任せても大丈夫だなと思える関係性を構築することが大切で、構築するための技術がユマニチュードであると言えます』

『ユマニチュードの技法を実際に使った実例を紹介します。この方は80代後半の女性で十二指腸潰瘍で入院されていました。治療の結果、十二指腸潰瘍は治り退院を待っている状態ですが、認知の機能がかなり低下していらっしゃって周りの看護師さんがいろいろなケアを提供しようとしても拒絶されていました。例えば口の中にいろいろな薬を塗ろうとしていても次のような状態でした。
患者さん「あーあー」(大きな声で)「いーあーあー」「いーやー」
今お聞き頂いたように看護師さんはケアをしようと一生懸命なんですが、ご本人が拒絶されていらっしゃいます。時には看護師さんに噛み付いたり蹴ったりされていたそうです。この方にユマニチュードのケアを是非やってみたいと言うことで今回やってみました。すると実際やってみた時に起きた変化が次のような驚くべき変化でした。
看護師「良くなった!薬がちゃんと塗れましたよ」「お口が大変きれいになりましたね」「私(看護師)うれしいわ」「私を見てくれる」
患者「口なら見るわよ」
看護師「私の口見てくれる」「どう素敵?」
患者「素敵(笑)」

*今まで周囲の方との会話が全くできなかった状態なのに驚くべき変化ですね、これにはどのくらいの時間がかかっているんでしょうか?
『この方の場合は1分もかかっていないんです。大事な事はこの人に私のことを任せても大丈夫だと思わせる最初が肝心です、最初の30秒が肝心です。最初の30秒をうまくやることでこちら側を受け入れていただければ、ケアを十分に行うことができるようになります。もちろん継続も重要です。この方の場合ユマニチュードのケアを毎日継続しました。そうするとご家族の方が驚くような変化が生まれてきました。
看護師「テルさん、お化粧してる!」
患者テルさん「さっきの男の人(研修医)が私を見て行ったわよ」
看護師「それはテルさんが綺麗だからよ」
看護師さんのケアを全て拒絶していたような方が、退院される最後の日にはベッドに起き上がってご自分で化粧をして髪をとかしていらっしゃいました。この方の人間らしさが取り戻すされた瞬間であっただろうなと思いました』

*一見、会話が成立しないような認知症の方でも、失っていない残っている機能がまだたくさんあると言うことなんでしょうか?
『そうなんです、残っている機能の傾向をこちら(介護側)がはっきりとつかむことが重要となります。人の名前を覚えたりする機能は低下していても、楽しかったり悲しかったりなど感情に基づいた記憶は長く残ります。ですから日ごろから良い感情の記憶をたくさん積み重ねることが重要となります、逆に言いますと嫌な感情が残るような事は避けた方が良いです。例えば入浴が辛かった、口の中をきれいにすることが辛かったなどの嫌な感情の積み重ねが多いと次からのケアにも影響します、より難しくなります。そのために良い感情を積み重ねる工夫が必要となります。ユマニチュードとはこのように残された記憶、機能に働きかける技法であり、その技法は極めてシンプルです。「見る」「話す」「触れる」で、どなたでも実践できます。認知機能の低下している方を介護する上で困っている方は是非このユマニチュードを知っていただきたいと思います』

なかなか文章だけでは伝えにくい内容です、動画もたくさんアップされています。「ユマニチュード」で検索して見てください。二つほどご紹介します。6140


今回のBeat は花見に合うような洋楽をご紹介。Pat Boone の四月の恋です。

 

BBTime 119 瞑想と感情:疲れない脳の作り方その5(最終回)

BBTime 119 瞑想と感情:疲れない脳の作り方その5(最終回)
「朝寝しておのれに甘えをりにけり」下村梅子

この場面大好きで特にオフの朝はこれやります。解説に「おのれ」を甘やかしているのではなくて、このように「おのれ」に甘えているというのが正しいと思う」と、少々こじつけのようにも感じます。最終回「瞑想と感情」も日頃考えもしない発想というかメカニズムについての話です。オリジナル音声はこちら、今(4/12)なら聴くことができます。では「瞑想と感情」始まりはじまり・・

*今日は瞑想と感情について考えてみようということですね。
『瞑想というとその感情を抑え込んで無表情・無関心になることと思われがちですが、これは誤解です。瞑想とは感情を抑え込むのではなくて、色々な感情を自由自在にコントロールするための手法であると理解してください。
例えば「怒り」について、あまりにも色んなことに怒りすぎている人は「怒り」を抑えた方が良いでしょう。一方、人には怒りが必要な場面があります、きちんと怒るべき時には怒る。感情、喜怒哀楽とはどれが良い悪いではなく感情にはそれぞれ与えられた役割があるのです。「怒り」とはその人自身が大切にしているモノに注意を向けさせる働きがあります。新聞記者がインタビューする時に、その人がどんなことに対して怒りを抱いているかを知るとその人をより深く知ることができるという取材方法があります。瞑想を続けることで自分の感情の裏にある「どのようなことに価値観を見出しているのか」を知ることができます。悲しみという感情は「自分が無くしてしまったもの」に注意を向けさせ、喜びは「自分が獲得したもの」に注意を向けさせる感情です。瞑想することでこのようなことが分かってきますのでむやみに感情に振り回されることがなくなってきます』

*怒っている時はそうもできないと思うのですが・・
『瞑想の専門家ともいえるお坊さん方が感情にどう対処しているかを研究しました。怒っている時どうすれば良いか?まず「息を吐いてください」息を吐くとリラックスを司る副交感神経が活性化します、ですから怒っている時ほど息を吐いてください、息を吐くことが第1ステップとなります。
次に「頭の中を空っぽにする」「思考をストップする」ことが大切になります。怒っている時に人は「あいつが悪い、私はかわいそう」の二つを行ったり来たりする思考パターンに陥っています。ですから怒った時には「あいつが悪い、私はかわいそう」という思考パターンになるということを知っておくことが必要です。知っていれば怒った時にすぐさま、この思考パターンから離れようとすることができ、自然に頭の中を空っぽにできます。これが第2ステップ。

第3ステップは「観察をする」ということです。「私は怒っているんだ」ではなくて「私は怒りを感じているな」と観察します。自分自身を客観視した上で今度は相手の立場になって物事を考えてみます。怒っている時には「相手が悪い」と思いがちですが、客観的に見ると相手の人も要は「ハッピーになりたい」と思っているだけなんだと「自分がハッピーになりたい」ために私に色んなことを言ってきているんだと理解します。このような流れで、まずは息を吐く、頭の中を空っぽにする、自分自身を客観的に見つめて、最後に相手を客観的に見る。このステップを踏まえると、怒りという感情が徐々に消えてきて、この人(相手)はどうやって幸せになろうとしているのかな、それに対して私は〇〇を大切にしているので相手の発言に対して怒りを感じたんだろう、というようなことを考えることができるようになり、怒りという感情をむしろ楽しめるようになる自分に気づくと思います』

*その域に達するまでにはなかなかだとは思いますが、ある意味訓練として日々瞑想をした方が良いのでしょうか?
『そうです。息を吐くとリラックスするのですが、これを日々続けるとリラックスも貯まってきます。よくストレスがたまると言います、実は同じようにリラックスも貯められんです。普段から息をユーックリ吐くことを習慣づけると言わば「リラックス貯金」が貯まります。そうすればいざストレスを感じた時にも対処できるようになります。一方、リラックス貯金が空の人はいちいちストレスに反応してネガティブな感情に支配されることになるので、日頃から瞑想などを続けてリラックス貯金を貯めておくことが肝要で、自分を救うことになります。

*他に感情との付き合い方はないのですか?
『是非オススメしたいのが「最近自分はどのような感情を感じたかな」と定期的に振り返って見ることです。私自身大晦日に「今年一年どのような感情を抱いたか」を振り返りました。その時に今年経験しなかった感情があるなと気づきました、それは「恐怖」でした。今年は恐怖という感情を感じなかったなと。そこで「恐怖」を感じてみようと正月休みにゾンビが出てくる「ホラードラマ」を何本も観ました。怖くてブルブル震えました。休み明けに日常が始まると日本社会にはゾンビは実在しないし、人間が突然襲ってくることもないし、なんと平和な世の中だろうと思います。当たり前だと思っていることがなんと有難いことだと感じます。感情とは新たな刺激となりますが、私たちは日々過ごしていると色んなことがルーティン(日々当たり前なこと)になりがちです。ルーティンになると脳はすぐサボりたがるので、行動のみならず感情もワンパターンになってしまいます。そこで「ワンパターンになっているな」と気づくことがポイントで、気付けたらしめたもので、足りないものを補ってやればご自分の人生が意味のあるものになっていくと思います』
*五日間有難うございました・・

聴き取りは疲れますが勉強にはなります、一字一句聞き逃さない聴き方ですからね。今回の聴き取りでのカルノなりのポイントを簡単にあげてみます。
第一話「脳の集中力の限界」前日準備・瞑想
第二話「瞑想の基本」調身調息調心・三二五法
第三話「観察瞑想」俯瞰・ボディスキャン・馬上枕上厠上
第四話「姿勢の整え方」丹田・歩行
第五話「瞑想と感情」喜怒哀楽・リラックス貯金
皆様のお役に立てれば幸いです。次の聴き取りは「ユマニチュード」を予定しています。高齢者社会には必須のスキル・考え方だと思います。乞うご期待!今回のBeat はゾンビに敬意を評して「Michael Jackson – Thriller 」です。心臓の弱い方はご注意を。


平常心是道」びょうじょうしんこれどう、お坊さんに聞いたことがあります。世間では何が起きても平常心(へいじょうしん)が良いと解釈されがちですが、本来の意味は「喜怒哀楽を素直に出してこそ自然」のようです。自然=自ずから然りです。とは言えねえ・・画像はLINEスタンプ「漢字オバケ」3700
*追加:相手を怒らせる取材方法とはこのニュースも?

 

 

BBTime 118 姿勢の整え方:疲れない脳の作り方その4

BBTime 118 姿勢の整え方:疲れない脳の作り方その4
「この部屋に何用だつけ春の昼」渡辺善夫

この句が好きです、理由は単純。頻繁にこの場面があります。何もミョウガの食べすぎではないのですが・・ミョウガを食べると物忘れするは俗信で医学時根拠はないそうですのでご安心を(ミョウガは夏から秋です)。画像はタラの芽です、小生大好きで昔自宅裏に山から採ってきたタラの木を植えて「これで毎春タラの芽三昧」と目論んだのですが・・やはり山菜には育つ環境が重要で数年後には枯れてしまいました。さて、疲れない脳の作り方その4「姿勢の整え方」です。これを聞くと、いかに現代日本人の生活様式が日本人に合っていないかを感じます。ではどうぞ!
第一話「脳の集中力の限界」、第二話「瞑想の基本」、第三話「観察瞑想」はジャンプしてどうぞ。

疲れない脳の作り方その4「姿勢の整え方」
*実際にやってみるとグラグラ揺れるんですが・・
『ひとことで言うと「体幹」が弱っているんです。体幹もしくは丹田です。日頃、丹田に力を入れることがないので、体がグラグラしてしまうんです。インナーマッスルとも言われる「体幹」体の幹と書きます。自分の身体の真ん中に中心線が一本ピーンと入った様な状態です。現代日本人の体幹が弱ってしまった理由は二つ考えられます。ひとつは洋服を着るようになったこと、つまり和服を着なくなったこと。和服というのはご存じのように帯を締めます。帯は臍の下の丹田の部分をぴっとしめるので姿勢が良くならざるを得ないのですが、洋服だとどうしてもダラっとなります。もうひとつは生活のほとんどの時間を椅子に座って過ごしていることです。しかも座っている姿勢がピンと座らずにどうしてもダラっと座っています。結果的に体幹が緩んでしまい腹筋が弱くなって姿勢がグラグラしてしまうのです』

*姿勢の悪さが肩凝りや首の痛みを誘発し仕事の能率が低下につながるのですか?
『2013年の研究ですが健康日本21推進フォーラムという団体が肩凝りや腰痛などが仕事の生産性にどれだけ影響するかを調べています。元気な時、特に問題のない時を100点とすると、肩凝りや腰痛があるときは30%マイナスの70点だったという結果が出てます。すなわち姿勢が悪いと30%も仕事の生産性が低下するということです。ではどうすれば良いのか?多くの人の場合、仕事中・デスクワークではノートパソコンを見ていることが多いと思います、ご自宅ではテレビを見ている・・この時に良い姿勢で見ることが重要です。姿勢良くして前を見た時にパソコンの上3分の1に視線が行くのが良いのですが、ほとんどの人が低すぎると思います。ノートパソコンであれば、パソコンの下に分厚い電話帳を重ね合わせて置いた位の高さが良いのです。かなり低い位置で皆さん作業されていることになります』

*姿勢そのものを良くする方法はありますか?
『姿勢を良くするエクササイズとして最近注目を浴びているのがドローインという方法です。ドローインというのは簡単に言ってしまうと丹田を意識してキュッとお腹を引っ込める方法で、臍の下指三、四本分くらいの場所を意識してキュッと引っ込めます。この引っ込めた状態のまま座ったり歩いたりすることがドローインエクササイズです。私自身も1ヶ月間このドローインエクササイズを続けたことでウエストが3センチほど縮まりました。ですから日頃いかにお腹に意識せずにダラっと生活していたかということで私自身反省すると同時に今もドローインを続けています。
座り方を正すことで肩凝り腰痛が軽減され仕事の能率が上がるのですが、さらに興味深いのは「座りすぎ」が健康に悪影響を与えるということです。アメリカサウスカロライナ大学のスティーブン・ブレア教授が健康な8000人を21年間にわたって追跡調査した研究です。現代人の多くは日々長時間座っている、このことが健康に悪影響を及ぼすのではないか?座っている時間が長いほど心臓病による死亡率が高いという結果が出ました。30分以上座っていると(歩かないと)脚の脂肪燃焼に関わる酵素の活動が止まってしまい、結果として脂肪燃焼が起きずに太ったり病気になったりするというメカニズムです。たとえ運動している人でも1日の中で座っている時間が長いとリスクは高まります。ですから30分以上座らない、30分座ったら一度立つということが必要となります。30分に一回立つことで脂肪燃焼が再び起きますのでリスクが低下します』

*30分毎に立ち上がって2分程度歩く、これは結構面倒ですね
『そうですね。企業などでは会議が30分40分になると一度鐘がチーンとなって立ち上がって歩くこともしています。なかなかひとりでは面倒臭いので「水をたくさん飲む」方法があります。たくさん飲むとどうしてもトイレに行きたくなるので、立ち上がって歩くことになります。心臓に疾患がある方・水分の摂りすぎ注意の人などはお医者さんに相談してからにしてください。問題のない方は水分を取ることで座りすぎ防止・また体の調子も良くなるのでオススメします』以上第四話。

水分補給についてこんな記事見つけました。思いの外多くの量を補給した方が良さそうです。疲れない脳を作るために姿勢を良くするのはすんなりと分かるのですが・・水分補給まで話が展開するとは・・。さて今回も脈絡のないBeat をご紹介します。ご存じグレン・ミラーのインザムード。ボーカル入りのバージョンを見つけました「Brian Setzer Orchestra の In The Mood 」いかにもアメリカ的です。脳を疲れさせないために歩く、やはりヒトは二足歩行が必須なのでしょう。2840