BBTime 615 明日は我が身?

「行く春やみんな知らない人ばかり」辻貨物船

2023/04/22 Earth Day 投稿
本日4/22 は拙ブログ「connote:カノート」誕生日、今年24歳です(1999/04/22開始)。句の解説は『季節の春はもとより、人間の春も短い。詩人は「行く春」の季節のなかで、みずからの青春を追想しているように思える。林芙美子は「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」と、みずからの青春を「花」に擬したが、これは女性に特有の感覚だろう。女性に特有の感覚だからこそ、男に愛唱される一行となった。男の感覚には、存外まわりくどいところがある。ぴしゃりと「花」に行き着くことなどは、めったにない。根っこのところで、いつも行き暮れている。茫洋とし、かつ茫然としている。常識では、この様子を「シャイ」と言ったりするわけだが、正体を割ってみれば、行き暮れているだけのこと。ときに男が「蛮勇」を振るうのも、そのせいである。男の詩人にとっての詩は、いわば「蛮勇」の振るい場所なのだ。辻の最後の詩集のタイトルは『萌えいずる若葉に対峙して』と名づけられており、明確に「蛮勇」が露出している。ひるがえって、彼が真剣に俳句と遊んだ理由は、そこが必ずしも「蛮勇」を要求しない場所だったからだ。行き暮れたまま、そのままに内心を吐露することができたからだと思う。句の「知らない人」とは、もちろんアカの他人も含んでいるが、男の感覚にとって重要なのは、このなかには親も兄弟も、連れ合いも子供も、友人知己もが「みんな」含まれているところだ。「蛮勇」を振るわなくとも、俳句ではそういうことを「行き暮れ」たままに言うことができる。今年の春も、もう行ってしまう。『貨物船句集』(2000・井川博年編・私家版)所収。(清水哲男)』(引用元)。今回は、前回取り上げた「認知症」に関連したお話。

色々な施設へ訪問診療に行きます。移動の途中で考えます・・認知症にならないためには何をすべきか?前回ご紹介したポスターには『「もう、災害のひとつだと思って受け入れています」 ある人は、認知症をそう語りました。 予防策もない。根本的な治療策もない。 発症したら向き合っていくしかない。 すべての人にとって、出口のない不安の闇。 それが、いまの認知症かもしれません。』(引用元)。揚げ足を取るつもりはありませんが、「発症したら向き合っていくしかない」のであれば、発症しないようにするか、発症をできるだけ遅くするかでしょう。医療に携わる者として、移動中の車内で考えます。

ネット検索で見つけました(後半は広告ですが)。「認知症を引き寄せる危険な三つの生活習慣とは」のタイトル記事。その三つの危険な習慣の第一がなんと「歯の手入れをあまりしない」です。「常に体の中で炎症が起きていたり、脳の成長に欠かせない栄養が足りなかったり、日常的に毒となるものを摂取していたりする人は、どんどん脳がアミロイドβを作ってしまって、やがて認知症を発症してしまう可能性が高い、ということです。」(引用元)。

再度おさらいします。
1)口腔内プラークが常に多いと歯周病が悪化。
2)歯周病菌が血液によって脳内に運ばれます。
3)歯周病菌を攻撃するために脳内にアミロイドβが現れ蓄積します。
4)アミロイドβプラークがアルツハイマー病発症に繋がります。
詳しくは「BBtime 603 プラーク三種」に書いておりますので是非。
また「BBTime 583 カムカムポンプ」もどうぞ。

具体的にすることは「ハミガキを今まで以上にする」「高価なハミガキ剤を使う」・・ではありません。ご自分では、どんなに頑張っても日々100%磨くのは不可能です。最も簡単で最も効果的な方法は「歯は磨いても、もらうもの」の実践です。かかりつけ歯科のある方は「月に一度磨いてください」と希望してください。担当者が「三ヶ月に一度でいいですよ」「半年に一回で十分です」のようなことを言っても「月に一度」を申し出てみてください。それでも「今のままで十分です(不要です)」と言われたら、躊躇せず歯科医院を変えましょう。認知症回避のひとつの方法は「慢性炎症軽減」。口の中の炎症は、他の部位に比べて確実に減らすことができます。決して認知症は「明日は我が身」ではないのです。ではでは皆様、今日もおやつ堂ですか、ご歯愛のほど。

BBTime 614 チーズの力

「春愁の中なる思ひ出し笑ひ」能村登四郎

2023/04/17投稿
春愁:しゅんしゅうとは春のものうい思い。花が散り、世の中が不穏、朝晩は肌寒い・・物憂いです。句の解説『春愁とは風流味もある季語だが、なかなかに厄介な感覚にも通じている。その厄介さかげんを詩的に一言で表せば、こういうことになるのだろうか。手元の角川版歳時記によれば、春愁とは「春のそこはかとない哀愁、ものうい気分をいう。春は人の心が華やかに浮き立つが、反面ふっと悲しみに襲われることがある」。国語辞典でも同じような定義づけがなされているけれど、いったい「春愁」の正体は何なのだろうか』(一部抜粋)。美味なるもので春愁を払うべく今回はチーズの力について。

朝日新聞4/14の広告で認知症に関するものです。「予防策もない。根本的な治療策もない。発症したら向き合っていくしかない」とあります。確かにそうかも知れませんが、この広告の中に「たどり着いた可能性が「音」でした」とあるように、いくつかの可能性が近年明らかになって来ています。認知症予防策につながる可能性のあるひとつに歯周病のコントロール、言い換えれば口腔内の炎症のコントロールがあります。

「音」すなわち耳は般若心経に出てきます。「無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法」(詳しくはこちら)。耳つまり「音」のあとに舌つまり「味」が出てきます。歯周病予防と味は少し視点は異なりますが、同じ口腔(こうくう、口)です。「音」と同様に味覚、もしくは口の健康も可能性のひとつに違いありません。

口の健康を保つ第一歩は言うまでもなく「ムシ歯予防」。そこでチーズの力を使いませんか?チーズの力・ムシ歯予防力には、WHOがキシリトールよりチーズに軍配を上げています。「チーズは、再石灰化を促す働きがあります。チーズを噛むとその刺激で唾液成分が倍増し、カルシウムイオンやリン酸イオンによる修復が進みます。また、唾液には食事で酸性に傾いた口の中を中性に戻す緩衝能があり、虫歯を起こしにくくします。そしてこの緩衝能は、チーズにも備わっています」(引用元)。加えて独特の匂いが、唾液の分泌を促すこともムシ歯予防につながるようです。

チーズの力で、ムシ歯予防ひいては歯周病予防、しかも笑顔に。おやつ堂のチーズは神楽坂「アルパージュ」から取り寄せています。ムシ歯予防はなんとなく分かったけど「笑顔」の根拠は?・・はいこちら「ハニ!チーズ」をお読みください。また認知症と歯周病の関係は「プラーク三種」「老のもと」「炎症はなし」に書いておりますので、こちらも是非。では皆様、今日もおやつ堂ですか?ご歯愛の程。

BBTime 613 カフェの力

「散る桜 残る桜も 散る桜」良寛

2023/04/13投稿
今年の花見はいかがでしたか?久しぶりに鹿児島市もここかしこで宴を目にしました。さて掲句、良寛さんの辞世の句とも言われています。『桜は散る。命は散る。必ず散りゆくこの命とは何なのか。人がその人生において本当に考え抜くべき問いを残してこの世を去った良寛の辞世の句に、潔さと美しさを感じるのは、私だけではないはず』(引用元はこちら)。詳しくはこちらをお読みください、深い内容が書いてあります。昨日(4/13)は喫茶店の日でした。引用文にあるように「考え抜くべき」に注目しての喫茶店の力、カフェの力について(カフェのカではなくチカラです)。

4/13は喫茶店の日:その由来は遡ること135年前・・『1888年(明治21年)のこの日、東京・上野(下谷上野西黒門町)に日本初の本格的なコーヒー喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」が開店した。・・1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建ての洋館で、1階ではビリヤードの他、トランプや囲碁、将棋などをすることができた。珈琲(コーヒー)は、明治の文明開化に花を添えるハイカラな飲み物として、特権階級の人々の間で人気があった。・・「可否茶館」での値段は、もりそば1杯1銭の時代にコーヒーが1銭5厘、牛乳入りコーヒーが2銭だった。また、席料が1銭5厘もした。値段が高すぎたこともあり「可否茶館」は、3年もたずに閉店してしまった』(引用元)。

さて世界に目をやると、1888年からさらに遡ること334年、1554年にイスタンブールでカフェは生まれたようです。その後、1652年にロンドンでコーヒーハウスが開店、1684年にパリにカフェがオープンしました。しかも現在よりも社会的価値が深かったようです。コーヒーハウスでは『コーヒーハウスが果たした役割の中でも特に大きなものが、ジャーナリズムの誕生です。この頃から多く誕生していた新聞や雑誌などが、コーヒーハウスに行けば無料で読むことができました。反対に、ジャーナリストはコーヒーハウスに出向いて情報を収集することも多かったようで、コーヒーハウスはまさに最新の情報が行き交う場所だったのです』(引用元)。カフェでは『ただ単にコーヒーを飲むだけではなく、チェスやトランプなどの遊戯を楽しんだりする場や人と出会い、語り、議論する場ともなりました。他にも、音楽や道化芝居などの見せ物を見せるカフェも登場し、豪華なカフェもあれば、安い居酒屋のようなカフェもありました』(引用元)。おそらく客同士「人がその人生において本当に考え抜くべき問い」についても喧々囂々(けんけんごうごう)の議論を戦わせたのでしょう。

画像にあるように4/9付の「ほぼ日」今日のダーリンです。続きます・・

さらに続きます。

「今日のダーリン」からは少々逸れるかも知れせんが、「むずかしいことをやさしく」する力がカフェにはあると思います。セミナーやミーティングにおいて必ずコーヒーブレイクがあります。困難と思われることにおけるブレイク(解決法)のひとつがカフェであると確信します。

天皇誕生日(2/23)に誕生して二ヶ月弱が経とうとしています。ムシ歯予防カフェが、人々の日常生活と歯科診療所の間に立っていると痛感します。今まで「後手後手医療から先手先手予防へ」と言いながらもリアルな行動は診療所内に居て患者さんを待っているだけで「守株待兎:しゅしゅたいと:待ちぼうけ」でした。日常生活への寄り添いは不足していました。

メニューもほぼ揃いました!「ソンナバナナジュース コーヒーとドーナツ ワインとチーズ 抹茶と和菓子 予防に歯磨き 等々」。営業日などはインスタグラムにアップしております。皆様おやつどうですか、ご歯愛のほど。ではでは、ではまた


BBTime 612 ラジオ学習

「目刺焼くラジオが喋る皆ひとごと」波多野爽波

2023/04/07投稿
つい先日、鹿児島市は満開でした。今週末で「花」も終わりでしょう。句の解説は『私のようなラジオマンからすれば、句の中身は「ひとごと」じゃない(笑)。それはともかく、ラジオをつけっぱなしにして目刺しを焼いている作者は、少々ムシの居所が悪いと見た。どうせラジオは「ひとごと」ばかり喋(しゃべ)っているのだから、自分には関係はないのだから、いま大事なのは「ひとごと」じゃない目刺しのほうである。こちらに集中しなければ……。と思いつつも、少しはまたラジオを聞いてしまう。そしてまた「ひとごと」放送に腹を立て、またまた目刺しに集中する。そのうちに、しかし目刺しもラジオも「皆ひとごと」に思えてきてしまう。そんな図だろうか。目刺しは、あれで焼き方が難しい。黒焦げになったり生焼きになったりするから、これはもうしょっちゅう焼いている酒場のおばさんなどにはかなわないのである。ラジオをつけていてもいなくても、うまく焼けないので苛々する。そこで「みんなラジオが悪いのよ」と言いたくもなる作者の気持ちは、わからぬでもない。いや、よくわかる。ところで「ひとごと」は漢字で「他人事」と書く。最近のラジオやテレビでは、これを平気で「たにんごと」と読むアナウンサーやタレントがいるが、あれは何とかならないものか。「ひとごと」ながら、恥ずかしいかぎりである。『鋪道の花』(1956)所収。(清水哲男)』(引用元)。今回は新年度に合わせて「ラジオ学習」について。

四月四日甲突川武之橋付近です。小生完璧なラジオ党、理由はシンプル、テレビを所有しておりません。今週月曜(4/3)から新年度語学学習番組(NHK第二)がスタートしました。拙学習法は「聞き流し」、朝から順に「英語・ドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語・中国語・英語」。常時テキスト買うのは「仏語と伊語」くらいで他は時たま。先日、知り合いの方が英語勉強開始したいとのことで、小生答えてアドバイス三つ、1)ラジオ学習を勧めます。2)最初からテキストを買わない。3)最重要ポイントは時刻(タイミング)の検証!

1)ラジオ学習:従来のラジオでも構いませんが、スマホのアプリ(らじるらじる)がベター。従来ラジオなら再放送、スマホアプリなら聞き逃し再生で聴けますが、オススメはオンタイム!理由は「聞き逃しに頼ると聴かなくなる」。2)どの番組を聴くか・テキスト購入は聴き始めてから考える:英語でもフランス語でも、番組担当講師との相性があります。講師陣の声やノリ、例文内容など、数回聴いて相性を確認してからでも遅くはありません。相性は大事です。3)タイミングの検証:一番やって欲しいことです。あなたの一日において、その語学番組をオンタイムで聴くことができるか否かの検証です。逆に言うならば、聴取可能時刻に流れる語学番組を選択すべきだと思います。

かなり前ですが、勝間和代氏の言葉です。御意!考慮すべきは「仕組みの構築」であって「やる気を出す」ことではありません。まずは一日の中でラジオ聴取が可能なタイミングを検証してみてください。小生の場合、朝のエクササイズ中にスマホアプリとワイヤレスイヤホンで聴いています。聴けなかった時は聞き逃しを利用します。スマホ+ワイヤレスイヤホンも「仕組み構築」です。

同じことが「歯磨き」にも言えます。朝でもランチ後でも晩ご飯後でも、歯磨きありきではなく、一日の中で空いた時が「歯磨きタイム」でいいのです。食後すぐ磨かないと不安な方は、食後にすべきはウガイです。手元にお茶か水があり可能ならば口を閉じての「ぶくぶくウガイ」(嗽の後はゴックン)です。もちろん歯磨きが可能であれば磨いてください。しなければならないではなく「した方が良い」で構いません。その代わり、隙間時間でも「ながら」でも良いので「唾液によるダラダラ磨き」をオススメします。唾液がダラダラ垂れる歯磨きではありません(笑)。歯磨き粉を使用せず、唾液だけで何かをしながらの「ダラダラと磨く」ことです。こちら「唾液磨き」もご参照のほど。

最後に冒頭の句の解説の中の「ところで「ひとごと」は漢字で「他人事」と書く」について、ひとごとながら気になったので確認しました。NHKでは「ひとごと」の表記は本来は「人事」で、加えて「ひと事・ひとごと」のようです。詳しくはこちらを。ではでは皆様、ご歯愛のほど。

ご冥福をお祈りします・合掌

BBTime 611 加糖菓子

「山笑ふみづうみ笑ひ返しけり」大串 章

2023/04/01投稿
樫舎(かしや・奈良市)の薯蕷饅頭です。まず句の解説から『春爛漫の風景句。たしかキャンディーズに「ほほえみ返し」という歌があったが、これはまたスケールの大きい「ほほえみ返し」だ。トリビアルで巧緻な仕組みの句もよいけれど、このように風景を大づかみにした作品も面白い。なによりも、読者としてはホッとさせられるところが心地よい。何事につけセコセコした世の中で、スケールの大きい句をつくることは非常に難しいと思うが、大串章はそれをいとも簡単な感じで作品化している。無技巧と見えるが、やはり長年技巧の波をかぶってきた作者ならではの境地の表出だろう。素人には、つくれそうでつくれない。プロの腕前と言うべきか。ちなみに「山笑ふ」は「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し」(臥遊録)から、春の季題となった。『百鳥』(1991)所収。(清水哲男)』(引用元)。前回の「無糖飲料」の次は「加糖菓子がムシ歯予防につながる」というコジツケ理論です(微笑)。

樫舎のきんとん「春霞」。樫舎のご主人はおっしゃいます、「和菓子屋(菓子職人)は素材の味を引き出すだけで、材料に「加水」「加熱」「加糖」するだけ」とのこと。おやつ堂の話をしたところ怪訝そうな顔で「お菓子はムシ歯の原因でしょう?和菓子とムシ歯予防とは相反するのでは?」。和菓子屋さんのみならず、洋菓子屋さんやパン屋さんも同じ反応です。確かに砂糖はムシ歯の原因です。しかし、今の食生活から砂糖をゼロにすることは不可能です。もっと言うなら「歯は、ムシ歯にしないためにあるのではなく、味わうためにあるのです」。大袈裟かも知れませんが「美味しい」は喜びの半分以上を占めるのではないでしょうか。

哲心(てっしん・宮崎市)のフィナンシェ。ひと口目で上品さを感じ、ふた口目で質の良さを感じ、食べ終えた後は舌が余韻を楽しんでいます。添えてある紙に「なんでもない日を口福に」とあります。これなんです!口福を感じた時に「歯や口が有るから美味しいんだ」と思って欲しいのです。

美味しい菓子を食べる→口福を感じる→歯や口の健康に感謝する→予防に思いを馳せる→予防の実践。風が吹けば桶屋が・・のような理論展開ですが、これこそ真理ではないかと思います。

丸一(とんかつ・鹿児島市)店内に掲げてあります。和菓子でもとんかつでも蕎麦でも洋菓子でも「美味しい!」と舌鼓を打った時に、ほんの少しでいいですから歯や口に感謝して頂き、予防に思いを馳せてくださると嬉しく思います。ではでは皆様、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

https://youtu.be/uvBatbOfuHU

BBTime 610 無糖飲料

「ごはんつぶよく嚙んでゐて桜咲く」桂 信子

2023/03/26投稿
本「食の一句」には次のようにあります・・『俳句の特徴として「因果を求めない」がある。たとえば「ガムを買ったら雷が鳴った」など、それが原因ではないのにそうなったかのように詠むことである。掲出句も、<ごはんつぶ>を嚙んでいたから桜が咲いたわけではない。しかし、たとえば「ああ、丁寧に生きているんだな。だから桜が咲くんだな」という鑑賞も可能になってくるのである。ただ、そのあたりの「理屈なさ」が、他の分野の人に俳句が理解されにくい原因なのかもしれない。』(55頁より)。・・因果を求めないと言われても、やはり理解しずらいのは小生だけでしょうか?因果をこじつける小生としてBBtime 610は「無糖:ムトー」について。

記事を見つけました。タイトル「「疲れたときに甘いもの」の習慣が招く数々の不調糖質依存は身体を老化させる元凶のひとつ」の記事の拾い読み。
1)無意識に陥ってしまう糖質中毒・・「日々の食事・栄養の改善の最初のステップとして取り組んでほしいのが、「糖質中毒」からの脱却です。それに加えて、カフェインの過剰摂取を改善することです。・・砂糖が入った甘いコーヒー、紅茶類、コーラやエナジードリンクを飲むことを毎日の習慣としている人は、これらをやめることから始めましょう。カフェインも糖質も依存性があり、毎日たくさん飲んでいると、もっと飲みたくなる性質があります。」(記事より)。「甘いジュースやカフェイン入りドリンクの代わりに何を飲むと良いかというと、ずばり水です。コンビニでペットボトル入りのお茶を買う習慣がある人は、それを水に変えることから始めましょう。コーラやエナジードリンクなどの刺激が欲しい人は炭酸水に置き換えます。」

2)「甘いものを食べると疲れがとれる」はウソ・・「疲れているけど、もうひと頑張りが必要なときに、甘いものを摂るという人は多いでしょう。しかし、たまにならまだしも、疲れたときに甘いものに手を伸ばすことが習慣になっているのは、身体にも心にも良くありません。・・なぜなら、甘いものを食べると一瞬元気になったように感じますが、そのあとで「もっと疲れる」状態になってしまうからです。これこそまさに「糖質中毒」、糖質への依存です。」(記事より)。

3)「疲れたら運動」に習慣を切り替える・・「会議やデスクワークでの疲れは肉体が消耗している疲れではなく、身体を動かさないことにより血流が悪くなって身体が不活性になるため起こる疲労です。会議で疲れたときには、軽い運動をして身体をほぐすほうがよっぽど疲れがとれます。・・おなかが空いて何か間食するとしたら、コンビニで買えるものでは、ゆで卵、サラダチキン、チーズ、素焼きのナッツなど高たんぱくで低糖質なものがオススメです。」「糖質依存は身体を老化させる元凶のひとつです。「疲れたら甘いもの」ではなく「疲れたら運動」に習慣を切り替えましょう。疲れたときに甘いものを食べても、根本的に疲れがとれて回復することはないのです。」(記事より)。

正直、疲れた時に「甘いモノ」は効果ありと思っていました。記事を読んで考え方修正します。しかしながら多くの場合、ヒトの体が欲するものと、心が欲するものは一致しません。ヒトはまんまと自分自身の脳に騙されてしまいます。まさに体内脳内においては「ひとりオレオレ詐欺」が日常茶飯事。冒頭に「因果を求めない」とありましたが、意外にも因果応報が体内にはあるように思えます。さて、今回の「無糖」とBBtime 610は無関係ではありません。もう、お分かりですよね!我田引水ですが「おやつ堂」の飲み物は、そんなバナナジュース・コーヒー・抹茶・ワイン、と全て無糖(無砂糖)です。お待ちしております。では皆様、ご歯愛のほど、今日もおやつ堂ですか?

おまけ:BBTime 610で、ムトウでした!

BBTime 609 ドーナツの穴

「そんなことよく思ひつく春の水」岡田史乃

2023/03/23投稿
先月、天皇誕生日に誕生して1ヶ月経ちました。その間、飲み物はそんなバナナジュース、コーヒー、抹茶と増え、来月四月からワイン提供開始です。おやつは順次提供しておりますが、常時並ぶスイーツ(定番スイーツ)第1号として近々ドーナツが登場します。ドーナツの前に句の解説を!『さて、「そんなこと」とは、どんなことなのか。「そんなこと」は、書いてないのでわからない。 わかることは、「そんなこと」が「そんな馬鹿なこと、どうでもよいこと」に近い中身であろうということだけ。もしも「そんなこと」が、心より賛嘆すべき内容を持っていたとしたら、「春の水」と照応させたりはしないはずだ。水温む候、作者の機嫌はすこぶるよろしく、「そんなこと」にも立腹せずに微笑して応えている。また、あなたの馬鹿話がはじまった。それにしても、次から次へと、よく「そんなこと」を思いつく人であることよ。わずらわしい時もあるけれど、今日はむしろ楽しい感じだ。目の前には、豊かな春の日差しを受けてキラキラと輝く水が流れている。全て世は事もなし。束の間ではあるかもしれないが、至福の時なのだ。』(解説より抜粋)。さて、ドーナツの歴史・由来はドーナッてるの?

その名もズバリ、本「おやつ」のトップバッターが村上春樹氏の「ドーナッツ」。以下引用『ところでドーナッツの穴はいつ誰が発明したかご存じですか? 知らないでしょう。僕は知っています。ドーナッツの穴が初めて世界に登場したのは1847年のことで、場所はアメリカのメイン州のキャムデンという小さな町。とあるベイカリーで、ハンソン・グレゴリーという15際の少年が見習いとして働いていました。』(文庫本より引用)。読んでいくと『ちゃんとした本に載っていたから本当の話みたいだ。』とあります。ネット検索すると諸説あるようですが、小生はこのハンソン君説を信じます。そんなことならぬ、スゴイことを思い付いてくれたハンソン君に拍手喝采!!

ちなみにドーナッツとは文字通りドウ+ナッツ。ドウ(dough:ドー)とは生地(きじ)、ナッツは木の実(nuts:ナッツ、くるみ)。こちらをご参照の程。おやつ堂のドーナツは、奈良市のフロレスタのドーナツです。詳しくは動画を見て頂いた方が良いと思います(スクロールにてご覧できます)。おやつ堂に近々登場する、フロレスタのネイチャーを、是非ご賞味ください。

これもドーナツに似ていますが、歯間ブラシです。クラプロックスの歯間ブラシ、おすすめです。では皆さま、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

BBTime 608 おやつその1

「両の手に桃とさくらや草の餅」松尾芭蕉

2023/03/14投稿 3/16 BBTime607追加
句から少々外れますが近い経験があります。数年前春に墨田区向島「言問団子:ことといだんご」に初訪問時、店内で団子に舌鼓を打ちつつ、ふと外に目をやると・・なんと「長命寺桜もち」の看板が!そうなんです、言問団子と長命寺の桜餅はまさに目と鼻。目の前の皿に「桃と草餅」(実際は小豆餡・白餡・みそ餡)、その後すぐに「桜餅」・・至福の時でした。句の解説は『季語は「桃(の花)」と「さくら(桜)」と「草(の)餅」とで、春。彩り豊かな楽しい句だ。この句は芭蕉が『おくのほそ道』の旅で江戸を後にしてから、二年七ヶ月ぶりに関西から江戸に戻り、日本橋橘町の借家で暮らしていたときのものと思われる。元禄五年(1692年)。この家には、桃の木と桜の木があった。折しも花開いた桃と桜を眺めながら、芭蕉は「草の餅」を食べている。「両の手に」は「両側に」の意でもあるが、また本当に両手に桃と桜を持っているかのようでもあり、なんともゴージャスな気分だよと、センセイはご機嫌だ。句のみからの解釈ではこうなるけれど、この句には「富花月。草庵に桃櫻あり。門人にキ角嵐雪あり」という前書がある。「富花月」は「かげつにとむ」と読み、風流に満ち足りているということだ。「キ角嵐雪」は、古くからの弟子である宝井基角と服部嵐雪を指していて、つまり掲句はこの二人の門人を誉れと持ち上げ、称揚しているわけだ。当の二人にとってはなんともこそばゆいような一句であったろうが、ここからうかがえるのは、孤独の人というイメージとはまた別の芭蕉の顔だろう。』(解説より抜粋)。開店後約三週間経った「おやつ堂」のおやつについて。

まずプレオープン(天皇誕生日2/23)に登場したのが、宮崎市「わらべ」のチーズ饅頭。今や宮崎のみならず南九州を代表するお菓子となってます。昔むかし「使っていらっしゃるチーズは?」と質問したところ、次のようなお話でした・・「チーズは植物性のものです。菓子材料会社から提案のあった素材を、(わらべの店主含む)四人の菓子店主勉強会でカタチにしたのが「チーズ饅頭」です。」ということで、昔々いち日で四軒食べ比べをしました(詳しくはこちら)。結果、金メダルならぬプラチナメダルであったのが「わらべ」でした。その味は今なお健在!さすがです。

鹿児島市パニスのシュトレンショコラ。これまた感動の味でした。パニスのインスタグラムはこちら、毎日売り切れ必至の人気店。11:30の開店前に並ぶも良し。

鎌倉紅谷の「クルミッ子」切り落とし。もちろん「クルミッ子」も秀逸ですが、味もコスパも素晴らしいのが、この切り落とし。ネットで買えますが熾烈な戦いです。落ち着いた甘さゆえ、コーヒーのみならず「おやつ堂」主力商品そんなバナナジュースにも好相性。おやつ堂おやつは全て取り寄せのため週ごとに替ります。その日のおやつはインスタグラムでご紹介しております、ご確認のほど。では皆様、ご歯愛の程、おやつどう?

締めの画像は「長命寺桜もち」。ではでは

BBTime 607 食べられる喜び

「綿菓子を食べんと口を春風に」京極杞陽

2023/03/10投稿 3/16追加
ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」の看板案です。句の解説は『解釈に迷う句である。「綿菓子を食べようとして、口を春風に向けてあけた「綿菓子を食べようとしたら、口が春風そのものになってしまった」など、鑑賞の仕方はいくらでも考え得る。いずれにしても、作者が春の喜びを謳歌しているのは間違いない。綿菓子は不思議な食べ物。実際に食べてみて、本当に美味しいと思う人は少ないだろう。ただ、あの雲のようなたたずまいは、抗いがたい魅力に満ちている。夢のある菓子である』(「食の一句」櫂 未知子著 43頁より)。おやつ堂は天皇誕生日(2/23)に誕生しました。約二週間経っての感想など・・。

現在のメニューはメインのそんなバナナジュース、コーヒー(coffee countyの豆、ミルク砂糖なし)、抹茶で、いずれワインも。ちなみに飲み物は全て砂糖ゼロ!飲み物を出しながらお話しするうちに、結構歯科の話題になります。大なり小なり悩み事や質問をお持ちで、内心かかりつけの歯科で聞かれればいいのにと思いますが「聞きづらい」が本心のようです。確かに我が身(歯科医)振り返れば、患者さんは口を開けていて話せないし、歯科医は忙しそうにしているし・・。改めて思いました「ムシ歯予防カフェ」は正解だと!カフェ空間だと話しやすいし、本音を言えるようです。

そこで新メニュー、歯科相談!もちろんゼロ円。かと言って「歯科相談」しか注文されても・・。その昔、マクドナルドの「スマイル 0円」が話題になりました。

さて先日のこと。義歯でお困りだった方、数回、義歯を調整するうちにほぼ何でも食べられるようになられて、小生安堵。ならばと、紀の川漬(きのかわづけ)をご紹介したところ、早速ネットで取り寄せて食べられたとのこと。話されるお顔がまさに「最高の“おいしい”笑顔」でした。改めて歯科治療のゴールは「美味しい笑顔」であると思いました。予防に軸足を移せば治療は不要になります。繰り返しますが「後手後手医療から先手先手予防へ」。皆様、ご歯愛の程。今日もおやつどう?

弥生三月です、やはりこの曲でしょう「三月の雨(水)」

追加3/16:朝日新聞「折々のことば」から。その方が「美味しい」を感じた時がひと区切りだと考えます。次の文章をご紹介します。

BBTime 606 Let it be!

「春寒に入れり迷路に又入れり」相生垣瓜人

2023/02/27投稿 2023/06/05一部削除
如月も明日まで。画像はちょうどひと月前、1/27の高千穂峰。句の解説は『遺句。相生垣瓜人(あいおいがき・かじん)は、洒脱な俳風で知られた人。1985年(昭和六十年)二月に、米寿で亡くなっている。「三寒四温」とは冬の季語だが、二月如月の季節は気温が高くなったり低くなったりと、さながら「迷路」のように温度に消長がある。そんな消長を繰り返しながら季節は本格的な春へと赴くわけだが、揚句の「迷路」の実感は自身の病状と、それに伴う心情にかけられているのだろう。身体の状態がまさに「三寒四温」のように一進一退を繰り返し、ここにきて「又」寒くなってきた。この「迷路」は遊園地などの人工的なそれではないから、無事に抜け出られるかどうかはわからない。天然自然の「迷路」に入り込んで、さて、オレには「又」暖かい春が来るのか来ないのか。過去には何度も「春寒」の危機を脱していることがあるので、なおさら「又」に象徴される心情は複雑だ。「米寿」といえば八十八歳。これくらいまで生きると、世間ではよく「天寿を全うした」などと言いあいながら、葬式もしめっぽくならない例が多い。そんな言い草に腹を立て、「死んだこともないくせに『天寿を全うした』などと、よくもヌケヌケと言えるものだ」と言ったのは、米寿にははるかに及ばぬ年令で亡くなった詩人の北村太郎であった。死ぬ当人にしてみれば、ついに「迷路」から脱出がかなわなかったという残念があるかもしれぬのだから。俳誌「馬酔木」〈1985年4月号〉所載。(清水哲男)』(解説より)。前回「The long and winding road!」に続いて今回は「Let it be!」。

小生の最も好きなビートルズ曲が「LET IT BE」。その歌詞は

When I find ・・・以下削除(2023/06/05 JASRAC指摘により)

天皇誕生日に「おやつ堂」は誕生しました。今の心境を吐露するならば冒頭の句に近いものがあります。ただし迷路でもゴール(頂上)は、はっきり見えています。ゴールは明確に見えていますが、そこまでのルートが今はまだ迷路、まさに暗中模索。冒頭画像は高千穂峰です、たまに「霧島」の名の通り頂が島のように雲海(霧)に浮いて見えることがあります。

And when the ・・JASRAC指摘により削除

let it be. は、あるがままに、そのままでいいんだ、身を委ねなさい、なるようになる、ありのままに・・など訳してあります。小生の今の気持ちで訳すなら「ムリはしない」。

Let it be, let it be・・・・以下割愛(2023/06/05 JASRAC指摘により)

予防を定着させるには「ムリはしない」
お菓子の摂取についても「ムリはしない」
歯の磨き方に関しても「ムリはしない」
いずれにしても「ムリはしない」

「ムリはしない」からムシ歯になるんじゃないの・・と声が聞こえてきそうですが、人々(一般のひと、患者さん)は無理したら続きません。無理をしないで足りない部分を補うのが予防システムではないかと思うのです。今日のおやつ堂をインスタグラムに日々アップします。では皆様、ご歯愛の程、おやつどう?