BBTime 631 ラジオ出演

「人間に寝る楽しみの夜長かな」青木月斗

2023/09/16投稿
先日(9/9)地元民放ラジオ(MBC)出演でした。句の解説は『秋の「夜長」。ようやく暑い夜の寝苦しさから解放されて、一晩通して眠れるようになった。この時期にこの句を読むと、はらわたに沁み入るようなリアリティを感じる。とくに会社勤めの人たちにとっては、そうだろう。私もサラリーマン時代には、寝る前にひとりでに「寝れば天国」とつぶやいていたものだった。若かったから、むろん寝ない楽しみもあったけれど、くたくたに疲れて眠る前の至福感もまた、格別だった。江戸期の狂歌に「世の中に寝るほど樂はなかりけり浮世の馬鹿は起きて働く」があり、これは昼間も寝ている怠け者の言い草を装っていながら、眠らないで頑張る人たちへの痛烈な風刺になっている。なぜ、そんなに頑張るのか。わずかな蓄財のために、親方に鼻面をひきまわされながらも頑張って、それでお前の一生はいいのかと辛辣だ。当時の私はこの狂歌を机の前に貼り付けて、何もかもぶん投げてしまいたいと切に願っていたが、ついにそういうことにできずに、今日まで来てしまった』(解説より抜粋)。寝る楽しみもさることながら「食べる楽しみ」もあります。ラジオで話した内容を文章化してみました。

「おやつ堂」はどんなお店ですか?
・・おやつ堂には「ムシ歯予防カフェ」が枕詞として付いています。メニューは看板の「ソンナバナナジュース」をはじめ、コーヒー、抹茶、ワインなど飲み物は全て砂糖を含みません、砂糖ゼロです。飲み物以外ではドーナツ、和菓子、チーズなどを常備しております。全て取り寄せで言わばスイーツのセレクトショップです。

「ムシ歯予防カフェを開こうと思ったのは?」
・・1990年に歯科医院を開業しました。開業当初、子供さんのムシ歯を見つけると親御さんを診療室に呼んで「ここがムシ歯です」「甘いものをあまり食べないように」「もう少ししっかり磨くように指導してください」とか真顔で話していました。ある時、小学四年生くらいの男の子だったでしょうか。ムシ歯があったのでお母さんに「もっと磨くようにいてください」と話したところ、お母さんが男の子に「だから言ったじゃない」と。すると男の子は「僕、磨いたもん」お母さん「でもムシ歯ができてるじゃない」男の子「ちゃんと磨いたよ」・・二人は徐々にヒートアップして男の子は泣き顔に・・。はたで見ていて「そうだよね、この子はちゃんと磨いたんだ!けど磨き方が足りなかっただけだ」・・。
そのような経験を踏まえて、2011年に天文館近くにクリーニング専門の「ニコラ歯科」を開業しました。自費診療の歯のクリーニング専門施設です。「歯は、磨いてももらうもの」を掲げてのオープンでしたが、約十ヶ月で閉めざるを得ませんでした。

その後、勤務医として働きながらも、頭の中では「歯を磨けばムシ歯にはならない、予防できる、回避できる!」との考えが渦巻いていました。病気の中で唯一ほぼ完全に予防できる、回避できる病気が「ムシ歯」。かたや巷では「グルメブーム」・・ランチ、ディナーからスイーツに至るまで。年を経るごとに盛り上がります。グルメブーム、美味しいを求める欲望とムシ歯予防を結びつけられないかと悶々する日々でした。
 ある時「あれこれ難しく考えずに、ムシ歯予防とグルメをシンプルに結びつければ良いのでは?」・・この時、ムシ歯予防カフェの誕生です。より美味しく食べるためには、口の中の食器(食具とも言います)が、食器である歯がキレイでなければ味わえません。美味しいと思われた時に、少しでも口の中の食器の大切さ・健康を再認識していただければと思うのです。このような考えのもとに、ムシ歯予防カフェが私にとっての究極の予防歯科スタイルです。

ムシ歯予防カフェと謳っているには根拠があります。ドリンクは砂糖ゼロでもスイーツには砂糖が入っています。心配御無用、希望される方には歯磨きのプロ(歯科医師)が歯磨きチェックをします。また、その人に合った歯磨きのタイミング、歯磨き粉(歯磨きペースト)の選び方、使い方もアドバイスいたします。ドリンク砂糖ゼロだけでは勿論不十分で、プロの歯磨きチェックがあるので「ムシ歯予防カフェ」なんです。

近年の研究で歯周病と認知症の因果関係、ズバリ言うと、認知症の発症のひとつの原因が歯周病であることが明らかになりました(BBTime603「プラーク三種」参照の程)。
「美味しい」の一言が歯を守る。ムシ歯予防は歯周病予防につながり、歯周病予防は認知症予防につながる。「美味しい」の感動が人生を守る、「美味しい」のひと言が人生を味わい尽くす秘訣であると心から思います。

以上がラジオで話した内容です。おやつ堂に是非お越しください。営業日営業時間などはインスタグラムにてお知らせしております。では皆様、ご自愛の程ご歯愛の程。

BBTime 616 0.5次予防

「春なれや歩け歩けと歩き神」山田みづえ

2023/05/01投稿
葉桜の下を歩け歩けと行きたいところですが、朝晩結構寒い晩春です。句の解説は『春や春。何となく家にとどまっていられない気持ちになって、さしたる目的もないのに、外出することになる。やはり、春だからだろうか(「春なれや」)。しかも、しきりに「歩け歩け」と「歩き神」が促してくるのである。私も、そうだ。これからのほど良く暖かい季節には、休日の原稿書きの仕事がたまっていても、ついつい「歩き神」の命じるままに、少し離れた公園などに足が向いてしまう。帰宅してからしまったと思っても、もう遅い。ところで、この神様はそんなにポピュラーではないと思うが、平安末期の歌謡集『梁塵秘抄』に出てくる。「隣の一子が祀る神は 頭の縮れ髪ます髪額髪 指の先なる拙神(てづつがみ) 足の裏なる歩き神」。隣家の娘をからかった歌と解釈されており、髪はちぢれて手先は不器用、おまけにやたらとそこらをほっつき歩くというのだから、当時の女性としてはひんしゅく者だった。しかし、それもこれもが娘に宿った神様のせいだよと歌っているところに、救いはある。すなわち「歩き神」とは、人間を無目的にほっつき歩かせる神というわけで、決して健康のためにウォーキングを奨励するような真面目な神様ではない。しかも足の裏に宿っているというのだから、取りつかれた人はたまったものではないだろう。足が、勝手に動くのだからだ。このことを踏まえて、もう一度掲句に戻れば、何もかもをこのどうしようもない神様のせいにして、「ま、いいか」と歩いている作者の楽しい心持ちがよく伝わってくる。『木語』所収。(清水哲男)』(引用元)。「歩き神」なる神様がいらっしゃるとは・・。先日「ゼロ次予防」の記事を目にしました。さてゼロ次予防とは・・。

画像はこちらから借用。記事「予防医学の新しいフェーズ「ゼロ次予防」とは 千葉大学が産学で進める健康まちづくり「WACo」」によると・・『疾患の予防については、健康づくり・保健指導などの1次予防、健康診断などの早期発見・早期介入による2次予防、治療・リハビリなどの3次予防があります。最近ではさらに一歩進んで、疾患の原因となる生活習慣に影響を及ぼす社会環境や都市空間や構造などの物理環境から整えようという考え方が広がりつつあります。これが『ゼロ次予防』です。WACoではその名のとおり、暮らしているだけで健康で(Well)活動的(Active)になるコミュニティー(Community)づくりを目指しています』(引用元)。

シンプルに考えるならば、冒頭の句に出てくる「歩き神」も一緒に住んでいる家づくり、街づくり、社会にしようと理解できます。手前味噌ですが記事を読んで「おやつ堂」もこのゼロ次予防に近いのではないかと思いました。ゼロ次と言えないにしても「0.5次予防」にはなるのではないかと。

おやつ堂開店して2ヶ月経ちました。今まで診療室の中で「後手後手治療より先手先手予防」とお経のように唱えていた割には、患者さん(生活者)に寄り添っていなかったんだと痛感します。上の図に当てはめるなら「2.5」くらいの位置にいたのでしょう。2.5から0.5へシフトするには「壁がふたつ」ありますが、精進します!おやつ堂は「3じ」ですが「0.5」目指して美味しい物を探します。目指すは「スイーツセレクトショップ」!ではでは、ではまた御歯愛のほど、今日もおやつ堂ですか。今回の選曲は「歩き神」よりも「春愁」に合わせて・・。

余談:ふと手元を見て合点しました「歩き神」はいらっしゃる!小生の「歩き神」はアップルウオッチ、いつも腕にまとわりついて「歩け歩け」と。さすが神様、針を進めるのみならず歩も進める!

BBTime 613 カフェの力

「散る桜 残る桜も 散る桜」良寛

2023/04/13投稿
今年の花見はいかがでしたか?久しぶりに鹿児島市もここかしこで宴を目にしました。さて掲句、良寛さんの辞世の句とも言われています。『桜は散る。命は散る。必ず散りゆくこの命とは何なのか。人がその人生において本当に考え抜くべき問いを残してこの世を去った良寛の辞世の句に、潔さと美しさを感じるのは、私だけではないはず』(引用元はこちら)。詳しくはこちらをお読みください、深い内容が書いてあります。昨日(4/13)は喫茶店の日でした。引用文にあるように「考え抜くべき」に注目しての喫茶店の力、カフェの力について(カフェのカではなくチカラです)。

4/13は喫茶店の日:その由来は遡ること135年前・・『1888年(明治21年)のこの日、東京・上野(下谷上野西黒門町)に日本初の本格的なコーヒー喫茶店「可否茶館(かひいさかん)」が開店した。・・1階がビリヤード場、2階が喫茶室の2階建ての洋館で、1階ではビリヤードの他、トランプや囲碁、将棋などをすることができた。珈琲(コーヒー)は、明治の文明開化に花を添えるハイカラな飲み物として、特権階級の人々の間で人気があった。・・「可否茶館」での値段は、もりそば1杯1銭の時代にコーヒーが1銭5厘、牛乳入りコーヒーが2銭だった。また、席料が1銭5厘もした。値段が高すぎたこともあり「可否茶館」は、3年もたずに閉店してしまった』(引用元)。

さて世界に目をやると、1888年からさらに遡ること334年、1554年にイスタンブールでカフェは生まれたようです。その後、1652年にロンドンでコーヒーハウスが開店、1684年にパリにカフェがオープンしました。しかも現在よりも社会的価値が深かったようです。コーヒーハウスでは『コーヒーハウスが果たした役割の中でも特に大きなものが、ジャーナリズムの誕生です。この頃から多く誕生していた新聞や雑誌などが、コーヒーハウスに行けば無料で読むことができました。反対に、ジャーナリストはコーヒーハウスに出向いて情報を収集することも多かったようで、コーヒーハウスはまさに最新の情報が行き交う場所だったのです』(引用元)。カフェでは『ただ単にコーヒーを飲むだけではなく、チェスやトランプなどの遊戯を楽しんだりする場や人と出会い、語り、議論する場ともなりました。他にも、音楽や道化芝居などの見せ物を見せるカフェも登場し、豪華なカフェもあれば、安い居酒屋のようなカフェもありました』(引用元)。おそらく客同士「人がその人生において本当に考え抜くべき問い」についても喧々囂々(けんけんごうごう)の議論を戦わせたのでしょう。

画像にあるように4/9付の「ほぼ日」今日のダーリンです。続きます・・

さらに続きます。

「今日のダーリン」からは少々逸れるかも知れせんが、「むずかしいことをやさしく」する力がカフェにはあると思います。セミナーやミーティングにおいて必ずコーヒーブレイクがあります。困難と思われることにおけるブレイク(解決法)のひとつがカフェであると確信します。

天皇誕生日(2/23)に誕生して二ヶ月弱が経とうとしています。ムシ歯予防カフェが、人々の日常生活と歯科診療所の間に立っていると痛感します。今まで「後手後手医療から先手先手予防へ」と言いながらもリアルな行動は診療所内に居て患者さんを待っているだけで「守株待兎:しゅしゅたいと:待ちぼうけ」でした。日常生活への寄り添いは不足していました。

メニューもほぼ揃いました!「ソンナバナナジュース コーヒーとドーナツ ワインとチーズ 抹茶と和菓子 予防に歯磨き 等々」。営業日などはインスタグラムにアップしております。皆様おやつどうですか、ご歯愛のほど。ではでは、ではまた


BBTime 611 加糖菓子

「山笑ふみづうみ笑ひ返しけり」大串 章

2023/04/01投稿
樫舎(かしや・奈良市)の薯蕷饅頭です。まず句の解説から『春爛漫の風景句。たしかキャンディーズに「ほほえみ返し」という歌があったが、これはまたスケールの大きい「ほほえみ返し」だ。トリビアルで巧緻な仕組みの句もよいけれど、このように風景を大づかみにした作品も面白い。なによりも、読者としてはホッとさせられるところが心地よい。何事につけセコセコした世の中で、スケールの大きい句をつくることは非常に難しいと思うが、大串章はそれをいとも簡単な感じで作品化している。無技巧と見えるが、やはり長年技巧の波をかぶってきた作者ならではの境地の表出だろう。素人には、つくれそうでつくれない。プロの腕前と言うべきか。ちなみに「山笑ふ」は「春山淡冶にして笑ふが如く、夏山蒼翠にして滴るが如く、秋山明浄にして粧ふが如く、冬山惨淡として眠るが如し」(臥遊録)から、春の季題となった。『百鳥』(1991)所収。(清水哲男)』(引用元)。前回の「無糖飲料」の次は「加糖菓子がムシ歯予防につながる」というコジツケ理論です(微笑)。

樫舎のきんとん「春霞」。樫舎のご主人はおっしゃいます、「和菓子屋(菓子職人)は素材の味を引き出すだけで、材料に「加水」「加熱」「加糖」するだけ」とのこと。おやつ堂の話をしたところ怪訝そうな顔で「お菓子はムシ歯の原因でしょう?和菓子とムシ歯予防とは相反するのでは?」。和菓子屋さんのみならず、洋菓子屋さんやパン屋さんも同じ反応です。確かに砂糖はムシ歯の原因です。しかし、今の食生活から砂糖をゼロにすることは不可能です。もっと言うなら「歯は、ムシ歯にしないためにあるのではなく、味わうためにあるのです」。大袈裟かも知れませんが「美味しい」は喜びの半分以上を占めるのではないでしょうか。

哲心(てっしん・宮崎市)のフィナンシェ。ひと口目で上品さを感じ、ふた口目で質の良さを感じ、食べ終えた後は舌が余韻を楽しんでいます。添えてある紙に「なんでもない日を口福に」とあります。これなんです!口福を感じた時に「歯や口が有るから美味しいんだ」と思って欲しいのです。

美味しい菓子を食べる→口福を感じる→歯や口の健康に感謝する→予防に思いを馳せる→予防の実践。風が吹けば桶屋が・・のような理論展開ですが、これこそ真理ではないかと思います。

丸一(とんかつ・鹿児島市)店内に掲げてあります。和菓子でもとんかつでも蕎麦でも洋菓子でも「美味しい!」と舌鼓を打った時に、ほんの少しでいいですから歯や口に感謝して頂き、予防に思いを馳せてくださると嬉しく思います。ではでは皆様、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

https://youtu.be/uvBatbOfuHU

BBTime 609 ドーナツの穴

「そんなことよく思ひつく春の水」岡田史乃

2023/03/23投稿
先月、天皇誕生日に誕生して1ヶ月経ちました。その間、飲み物はそんなバナナジュース、コーヒー、抹茶と増え、来月四月からワイン提供開始です。おやつは順次提供しておりますが、常時並ぶスイーツ(定番スイーツ)第1号として近々ドーナツが登場します。ドーナツの前に句の解説を!『さて、「そんなこと」とは、どんなことなのか。「そんなこと」は、書いてないのでわからない。 わかることは、「そんなこと」が「そんな馬鹿なこと、どうでもよいこと」に近い中身であろうということだけ。もしも「そんなこと」が、心より賛嘆すべき内容を持っていたとしたら、「春の水」と照応させたりはしないはずだ。水温む候、作者の機嫌はすこぶるよろしく、「そんなこと」にも立腹せずに微笑して応えている。また、あなたの馬鹿話がはじまった。それにしても、次から次へと、よく「そんなこと」を思いつく人であることよ。わずらわしい時もあるけれど、今日はむしろ楽しい感じだ。目の前には、豊かな春の日差しを受けてキラキラと輝く水が流れている。全て世は事もなし。束の間ではあるかもしれないが、至福の時なのだ。』(解説より抜粋)。さて、ドーナツの歴史・由来はドーナッてるの?

その名もズバリ、本「おやつ」のトップバッターが村上春樹氏の「ドーナッツ」。以下引用『ところでドーナッツの穴はいつ誰が発明したかご存じですか? 知らないでしょう。僕は知っています。ドーナッツの穴が初めて世界に登場したのは1847年のことで、場所はアメリカのメイン州のキャムデンという小さな町。とあるベイカリーで、ハンソン・グレゴリーという15際の少年が見習いとして働いていました。』(文庫本より引用)。読んでいくと『ちゃんとした本に載っていたから本当の話みたいだ。』とあります。ネット検索すると諸説あるようですが、小生はこのハンソン君説を信じます。そんなことならぬ、スゴイことを思い付いてくれたハンソン君に拍手喝采!!

ちなみにドーナッツとは文字通りドウ+ナッツ。ドウ(dough:ドー)とは生地(きじ)、ナッツは木の実(nuts:ナッツ、くるみ)。こちらをご参照の程。おやつ堂のドーナツは、奈良市のフロレスタのドーナツです。詳しくは動画を見て頂いた方が良いと思います(スクロールにてご覧できます)。おやつ堂に近々登場する、フロレスタのネイチャーを、是非ご賞味ください。

これもドーナツに似ていますが、歯間ブラシです。クラプロックスの歯間ブラシ、おすすめです。では皆さま、ご歯愛の程、今日もおやつどう(堂)ですか?

BBTime 608 おやつその1

「両の手に桃とさくらや草の餅」松尾芭蕉

2023/03/14投稿 3/16 BBTime607追加
句から少々外れますが近い経験があります。数年前春に墨田区向島「言問団子:ことといだんご」に初訪問時、店内で団子に舌鼓を打ちつつ、ふと外に目をやると・・なんと「長命寺桜もち」の看板が!そうなんです、言問団子と長命寺の桜餅はまさに目と鼻。目の前の皿に「桃と草餅」(実際は小豆餡・白餡・みそ餡)、その後すぐに「桜餅」・・至福の時でした。句の解説は『季語は「桃(の花)」と「さくら(桜)」と「草(の)餅」とで、春。彩り豊かな楽しい句だ。この句は芭蕉が『おくのほそ道』の旅で江戸を後にしてから、二年七ヶ月ぶりに関西から江戸に戻り、日本橋橘町の借家で暮らしていたときのものと思われる。元禄五年(1692年)。この家には、桃の木と桜の木があった。折しも花開いた桃と桜を眺めながら、芭蕉は「草の餅」を食べている。「両の手に」は「両側に」の意でもあるが、また本当に両手に桃と桜を持っているかのようでもあり、なんともゴージャスな気分だよと、センセイはご機嫌だ。句のみからの解釈ではこうなるけれど、この句には「富花月。草庵に桃櫻あり。門人にキ角嵐雪あり」という前書がある。「富花月」は「かげつにとむ」と読み、風流に満ち足りているということだ。「キ角嵐雪」は、古くからの弟子である宝井基角と服部嵐雪を指していて、つまり掲句はこの二人の門人を誉れと持ち上げ、称揚しているわけだ。当の二人にとってはなんともこそばゆいような一句であったろうが、ここからうかがえるのは、孤独の人というイメージとはまた別の芭蕉の顔だろう。』(解説より抜粋)。開店後約三週間経った「おやつ堂」のおやつについて。

まずプレオープン(天皇誕生日2/23)に登場したのが、宮崎市「わらべ」のチーズ饅頭。今や宮崎のみならず南九州を代表するお菓子となってます。昔むかし「使っていらっしゃるチーズは?」と質問したところ、次のようなお話でした・・「チーズは植物性のものです。菓子材料会社から提案のあった素材を、(わらべの店主含む)四人の菓子店主勉強会でカタチにしたのが「チーズ饅頭」です。」ということで、昔々いち日で四軒食べ比べをしました(詳しくはこちら)。結果、金メダルならぬプラチナメダルであったのが「わらべ」でした。その味は今なお健在!さすがです。

鹿児島市パニスのシュトレンショコラ。これまた感動の味でした。パニスのインスタグラムはこちら、毎日売り切れ必至の人気店。11:30の開店前に並ぶも良し。

鎌倉紅谷の「クルミッ子」切り落とし。もちろん「クルミッ子」も秀逸ですが、味もコスパも素晴らしいのが、この切り落とし。ネットで買えますが熾烈な戦いです。落ち着いた甘さゆえ、コーヒーのみならず「おやつ堂」主力商品そんなバナナジュースにも好相性。おやつ堂おやつは全て取り寄せのため週ごとに替ります。その日のおやつはインスタグラムでご紹介しております、ご確認のほど。では皆様、ご歯愛の程、おやつどう?

締めの画像は「長命寺桜もち」。ではでは

BBTime 607 食べられる喜び

「綿菓子を食べんと口を春風に」京極杞陽

2023/03/10投稿 3/16追加
ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」の看板案です。句の解説は『解釈に迷う句である。「綿菓子を食べようとして、口を春風に向けてあけた「綿菓子を食べようとしたら、口が春風そのものになってしまった」など、鑑賞の仕方はいくらでも考え得る。いずれにしても、作者が春の喜びを謳歌しているのは間違いない。綿菓子は不思議な食べ物。実際に食べてみて、本当に美味しいと思う人は少ないだろう。ただ、あの雲のようなたたずまいは、抗いがたい魅力に満ちている。夢のある菓子である』(「食の一句」櫂 未知子著 43頁より)。おやつ堂は天皇誕生日(2/23)に誕生しました。約二週間経っての感想など・・。

現在のメニューはメインのそんなバナナジュース、コーヒー(coffee countyの豆、ミルク砂糖なし)、抹茶で、いずれワインも。ちなみに飲み物は全て砂糖ゼロ!飲み物を出しながらお話しするうちに、結構歯科の話題になります。大なり小なり悩み事や質問をお持ちで、内心かかりつけの歯科で聞かれればいいのにと思いますが「聞きづらい」が本心のようです。確かに我が身(歯科医)振り返れば、患者さんは口を開けていて話せないし、歯科医は忙しそうにしているし・・。改めて思いました「ムシ歯予防カフェ」は正解だと!カフェ空間だと話しやすいし、本音を言えるようです。

そこで新メニュー、歯科相談!もちろんゼロ円。かと言って「歯科相談」しか注文されても・・。その昔、マクドナルドの「スマイル 0円」が話題になりました。

さて先日のこと。義歯でお困りだった方、数回、義歯を調整するうちにほぼ何でも食べられるようになられて、小生安堵。ならばと、紀の川漬(きのかわづけ)をご紹介したところ、早速ネットで取り寄せて食べられたとのこと。話されるお顔がまさに「最高の“おいしい”笑顔」でした。改めて歯科治療のゴールは「美味しい笑顔」であると思いました。予防に軸足を移せば治療は不要になります。繰り返しますが「後手後手医療から先手先手予防へ」。皆様、ご歯愛の程。今日もおやつどう?

弥生三月です、やはりこの曲でしょう「三月の雨(水)」

追加3/16:朝日新聞「折々のことば」から。その方が「美味しい」を感じた時がひと区切りだと考えます。次の文章をご紹介します。

BBTime 606 Let it be!

「春寒に入れり迷路に又入れり」相生垣瓜人

2023/02/27投稿 2023/06/05一部削除
如月も明日まで。画像はちょうどひと月前、1/27の高千穂峰。句の解説は『遺句。相生垣瓜人(あいおいがき・かじん)は、洒脱な俳風で知られた人。1985年(昭和六十年)二月に、米寿で亡くなっている。「三寒四温」とは冬の季語だが、二月如月の季節は気温が高くなったり低くなったりと、さながら「迷路」のように温度に消長がある。そんな消長を繰り返しながら季節は本格的な春へと赴くわけだが、揚句の「迷路」の実感は自身の病状と、それに伴う心情にかけられているのだろう。身体の状態がまさに「三寒四温」のように一進一退を繰り返し、ここにきて「又」寒くなってきた。この「迷路」は遊園地などの人工的なそれではないから、無事に抜け出られるかどうかはわからない。天然自然の「迷路」に入り込んで、さて、オレには「又」暖かい春が来るのか来ないのか。過去には何度も「春寒」の危機を脱していることがあるので、なおさら「又」に象徴される心情は複雑だ。「米寿」といえば八十八歳。これくらいまで生きると、世間ではよく「天寿を全うした」などと言いあいながら、葬式もしめっぽくならない例が多い。そんな言い草に腹を立て、「死んだこともないくせに『天寿を全うした』などと、よくもヌケヌケと言えるものだ」と言ったのは、米寿にははるかに及ばぬ年令で亡くなった詩人の北村太郎であった。死ぬ当人にしてみれば、ついに「迷路」から脱出がかなわなかったという残念があるかもしれぬのだから。俳誌「馬酔木」〈1985年4月号〉所載。(清水哲男)』(解説より)。前回「The long and winding road!」に続いて今回は「Let it be!」。

小生の最も好きなビートルズ曲が「LET IT BE」。その歌詞は

When I find ・・・以下削除(2023/06/05 JASRAC指摘により)

天皇誕生日に「おやつ堂」は誕生しました。今の心境を吐露するならば冒頭の句に近いものがあります。ただし迷路でもゴール(頂上)は、はっきり見えています。ゴールは明確に見えていますが、そこまでのルートが今はまだ迷路、まさに暗中模索。冒頭画像は高千穂峰です、たまに「霧島」の名の通り頂が島のように雲海(霧)に浮いて見えることがあります。

And when the ・・JASRAC指摘により削除

let it be. は、あるがままに、そのままでいいんだ、身を委ねなさい、なるようになる、ありのままに・・など訳してあります。小生の今の気持ちで訳すなら「ムリはしない」。

Let it be, let it be・・・・以下割愛(2023/06/05 JASRAC指摘により)

予防を定着させるには「ムリはしない」
お菓子の摂取についても「ムリはしない」
歯の磨き方に関しても「ムリはしない」
いずれにしても「ムリはしない」

「ムリはしない」からムシ歯になるんじゃないの・・と声が聞こえてきそうですが、人々(一般のひと、患者さん)は無理したら続きません。無理をしないで足りない部分を補うのが予防システムではないかと思うのです。今日のおやつ堂をインスタグラムに日々アップします。では皆様、ご歯愛の程、おやつどう?


BBTime 605 The long and winding road!

「トンネルを出るたびに渓春浅し」八木林之助

2023/02/21投稿 2/23おやつ堂開店
「おやつ堂」いよいよです。句の解説は『どこの鉄道だろうか。トンネルを出るたびに、パッと視界は明るくなるが、その明るさのなかにある溪谷には雪が残っており、まだ春色は出そろってはいない。これでは、旅先の寒さが思いやられるというものだ。誰もが一度は体験したような懐しい光景。それをスナップ写真的にではなく、動きのあるムービー的にとらえたところが、作者の腕のよさである。こんな句を読むと、どこか遠くへ行ってみたくなりませんか。「溪」は「たに」。(清水哲男)』(引用元)。画像は日南線でネットから拝借。今回は「The long and widing road」ご存じThe Beatles の名曲についてのお話。

唐突ですが、2011年6月をもって「桜歯科」(日南市)を閉院しました。次なる「ニコラ歯科」(鹿児島市)の準備のためです。同年8月に天文館近くにPMTC(専門家による機械的歯面清掃)専門の施設としてニコラ歯科オープンしました(しかしながら翌年5月をもって閉院)。開院準備のため銀座山野楽器店頭で買い求めたのがこの曲。PMTC専門でやっていく!ムシ歯ありきではなく白い歯ありき!歯は磨いてももらうもの!等の思いを胸に秘め、準備中にふと聞こえてきたのがこの曲「The long and winding road」。ニコラ歯科が軌道に乗るには、まさに長く曲がりくねった道、紆余曲折であろうと・・。

歌詞は次のようです(引用元はこちら)。

The long and winding road ・・以下削除(2023/06/05 JASRAC指摘により)

ニコラ歯科閉院後(2012)、まさに「扉」を開けようとしています。十年以上経過しても、自分自身の思いが消えることなくぶれる事もなく、長いくねくね道を歩いて来たのだと、今思います。後手後手治療から先手先手予防へ、歯は磨いてももらうもの!いよいよです。この曲とニコラ歯科準備中にリピートしていた曲をご紹介。皆様、ご自愛の程ご歯愛の程、おやつどお?2/23天皇誕生日に誕生します!


おやつ堂のインスタグラムに情報を載せていきます、ご参照ください。@oyatsu.do

BBTime 604 おやつ堂始動

「将来よグリコのおまけ赤い帆の」清水哲男

2023/02/10投稿
二月に入った途端、忙しくなってきました!いよいよ今月23日(天皇誕生日)おやつ堂始動です。句の解説は『子供の頃、なけなしの小遣いをはたいて、せっせとグリコを買っていた時期がある。告白すれば「おまけ」が欲しかっただけで、飴をなめたいわけではなかった。現代のグリコは知らないが、敗戦直後の本体はそれほど美味ではなかった。後に熱中した「紅梅キャラメル」(こちらの「おまけ」は巨人選手カード)も同様だった。「おまけ」の小箱にはさまざまなセルロイド製の玩具が入っており、取り出す瞬間のゾクゾクする気分がたまらなかった。「なあんだ」とがっかりしたり、「やったあ」と大満足したりと……。それだけのために、全財産(!)をはたいていた。そうした子供の熱中を思うにつけ、どんな子供にも「将来」があるのであり、でも「将来」にはグリコの「おまけ」ほどの保証もないことを思い合わせると、まことに切ない気分になってくる。本物の赤い帆が待ち受けている子供など、皆無に近いのだから。そんな思いから発した句なのであるが、飛躍し過ぎだろうか。……し過ぎでしょうね。なお、この句は筑摩書房『グリコのおまけ』に再録されている。掲載に当たって編集者が必死に「赤い帆」のおまけを探してくれたが、見つからなかった。したがって、句の写真には赤白模様の帆のヨットが使われている。「赤い帆」のおまけは実在しなかったのかもしれない。『匙洗う人』(1991)所収。(清水哲男)』(解説より抜粋)。おやつ堂は黄色い帆、船出間近!

改めて「ムシ歯予防カフェおやつ堂」とは?・・文字通り「ムシ歯予防」を目的としたカフェです。「ムシ歯予防」を謳っている根拠は? 飲み物メニュは全て砂糖ゼロ。メインの「そんなバナナジュース」=生バナナ+牛乳+隠し味の果汁100%ジュース、で砂糖なし。コーヒー、緑茶、抹茶、ワインも砂糖ゼロ。しかしそれだけで「ムシ歯予防カフェ」とは言えません!仕掛けがあります。メンバーの方はビジターよりも安い料金設定でカフェを利用できますが、メンバー義務があります。義務とは「最低でも月に一度はプロから「歯磨き指導」を受けること」。月に一度は歯磨き指導を受けていただく事により、ムシ歯予防を実効性あるものとします。月に一度と言わず、メンバーの方は来店時毎回「歯磨き指導」を受ける権利があります。(最低でも)月に一度の歯磨き指導を受ける事により、メンバー資格を保持できます。その月に歯磨き指導を受けなかった場合は、翌月よりメンバーではなくビジターとなります。

そもそもなぜカフェで歯磨き?・・こんな経緯があります。
1「ダイエットレストラン」:ジョギングしたり、ジムに通ったりとダイエットに勤しんでいた時に、ふと「入店前と店を出る時と、体重が1グラムたりとも増えないレストランがあったなら、味はイマイチでも流行るんじゃないの」と思いました。現実的には無理ですが・・閃きました。歯科ならできる!入店前より口の中がキレイになって店を出る!思いついたら即実行で十年ほど前(2011年)、天文館に「歯のクリーニング専門店」を開きました。しかし約十ヶ月で閉店。後になって理由がわかりました。開店したのは「クリーニング店」であって「クリーニングレストラン」ではなかったのです。メインになるものが何もなかったのです。歯磨きがメインになると信じていました。
2「ムシ歯予防カフェおやつ堂」:クリーニング専門店閉鎖後、勤務医として働きながら自問自答の毎日。巷では「美味しい店」「美味しいスイーツ」などグルメ情報が年がら年中花盛りです。美食と歯は隣同士。歯が健康でないとグルメは楽しめません。美食と歯をどうにかして繋ぐことはできないだろうか?この問いへの答えが「ムシ歯予防カフェ」・・カフェでムシ歯予防・・カフェに来られたお客さんで希望される方の歯をプロが磨く「歯は磨いても、もらうもの」の実践です。ムシ歯予防カフェ「おやつ堂」は2023年2月開店準備中です。(引用元はこちら

「Mark Twain:マーク・トゥエイン」です。好きな言葉が
Twenty years from now
 you will be more disappointed by the things
you didn’t do than by the ones you did.
So throw off the bowlines,
sail away from the safe harbor.
Catch the trade winds in your sails.
Explore. Dream. Discover.
今から20年後、あなたは
やったことよりもやらなかったことに失望する。
ゆえに、もやい綱を解き放ち、
安全な港から船を出し、
貿易風に帆をとらえよ。
探検せよ、夢を見よ、発見せよ。

おやつ堂のシステムは?・・入り口から出口までカフェです。メインは飲み物「そんなバナナジュース、コーヒー、抹茶、緑茶、ワイン、酢ぺシャルリンゴジュース」があります。サブのスイーツは有名店のパンやケーキ、取り寄せ和菓子、ドーナツなどです。いずれも賞味期限が短いのでいつもあるとは限りません、来店時に「今日のスイーツ」をご確認ください。また、おやつ堂インスタグラムでも随時紹介いたします。スイーツはドリンクとのセット注文となります。
 価格はメンバーとビジターのふた通り、メンバー価格の方が百円安い設定ですので、是非メンバーになられることをお勧めします。取り寄せスイーツには、購入価格に送料と手数料で約200円上乗せしてあります。
 開店は金土日月の四日間です。火水木は休みですが、近いうちに火曜と木曜もオープンする予定です。朝10時開店、夜19時閉店となります。駐車場三台分がありますのでご利用ください。臨時の休みなど、いろいろな情報を「おやつ堂」インスタグラムoyatsu.doにアップします、ご参照の程。また過去ブログ「BBtime579 そんなバナナジュース」「BBTime575 おやつどう?」「BBTime594 やりたいこと」も是非お読みください。では皆様ご自愛の程ご歯愛の程、おやつどう?