BBTime 367 自己洗練2

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「冷淡な頭の形氷水」星野立子

始め意味不明でした。なんと「氷水」とは「かき氷」のことなんですね。解説を読むとさらなる驚き!『暑い日がつづきます。氷水など如何でしょう。私の好きな「宇治金時」。デザイン的に「冷淡な頭の形」を餡で覆って、冷淡に見えないように工夫された(のかどうかは知らないけれど、そんな気がする)発明品だ。掲句は、正直言ってよい出来ではない。でも、後世のために(笑)書いておくべきことがあるので、取り上げた次第。すなわち、立子は主に東京や鎌倉で暮らした人だったから、氷水(かき氷)というと「冷淡」とイメージしていたのだろう。面白い見方とは思うが、何を言っているのかわからない人も大勢いるはずだ。というのも、東京近辺の氷水はシロップを器に入れてから、その上に氷をかく。したがって、「頭」部は写真の餡を取り払った感じになり、氷の色そのものしか見えないので、なるほどまことに冷淡に写る。が、名古屋以西くらいからは、氷をかいた上にシロップを注ぐ。と、見かけはちっとも冷淡じゃなくなる。九州の一部の地方では、まずシロップを入れて氷をかき、その上に重ねてシロップを注ぐという話を聞いたことがあるが、真偽のほどは確認できていない』解説より。処変われば・・

九州育ちの小生にとっての驚きは「氷水とはかき氷のこと」「器にシロップ入れて、その上に氷が盛ってあること」。確かに上の画像を見れば、素っ気なく冷淡との表現もわからなくもないです。当のかき氷にしてみれば「冷淡な頭の形」と評されて「冷たい奴やな」とでも笑っていることでしょう(氷の微笑)。今回は形についてのお話。

アメリカ建築界三大巨匠のひとりと称されるルイス・サリヴァンの言葉に「Form  follows function. 」があります「形態は機能に従う」のような意。『ルイス・サリヴァンの「形式は常に機能に従う。(form ever follows function. )」は通常「形式は機能に従う。(form follows function. )」に短縮されて用いられる。近代以前の建築は、形態を作る時に様式を根拠にしていた。当時の自動車が馬車を模倣したように「歴史」に従っていた。サリヴァンは方程式を解いていくと、結果的に美しいものができると説いた。この言葉はバウハウスなどモダニストの合言葉にもなった』(Wikipediaより)。仮称ネオブラシのデザインも Form follows function!

デザインコンセプトは「優しい」と「可愛い」。1)WSD(くさび状欠損)を作りにくい→歯に優しい 2)独特なグリップの形状と感触によりダラダラ磨きしやすい(長い時間磨ける)→人に優しい 3)色々な動き・磨き方に対応→歯に優しい 4)ブラシ部は交換可能→地球に優しい 5)見た目(形そのもの)→可愛い 6)いつでもそばに(置くことができる)→可愛い

ところで「かき氷」は枕草子にも登場します。四十二段『あてなるもの 薄色に白襲の汗衫。かりのこ。削り氷にあまづら入れて、新しき鋺(かなまり)に入れたる。水晶の数珠。藤の花。梅の花に雪の降りかかりたる。いみじう美しき児(ちご)の、いちごなど食ひたる』。「あてなるもの」とは上品なものの意。あまづらは「ツタの樹液を煮詰めて作る、一見蜂蜜に似た平安時代の甘味料のこと」(出典はこちら)。第66代天皇一条天皇皇后であった「藤原定子:ふじわらのていし」に仕えたのが清少納言。当時(1000年ごろ)は皇后様であっても、かき氷は食せても砂糖は口に入らなかったようですね。枕草子のかき氷についてはこちらあちらも是非ご覧ください。ではでは、梅雨明けとともに気温上昇です、ご自愛のほど。8330


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